「大腸がんの進行速度」が”速くなる人の特徴”はご存知ですか?【医師監修】

大腸がんは、食の欧米化などの影響で近年患者さんの数も死亡数も増加している病気です。

がんと聞いただけで怖い病気というイメージが先行して、「余命はどのくらい?」「進行速度は速い?」と不安が押し寄せてくる人も少なくないでしょう。

しかし、近年では検査や治療の方法が進化している病気でもあります。

この記事では大腸がんの進行速度が早い人の特徴について解説します。参考にしてみてください。

※この記事はメディカルドックにて『「大腸がんの進行速度」が”速くなる人の特徴”は?発症した時の症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

大腸がんは若い人ほど進行速度が速いって本当?

大腸がんに限らず、がんという病気は若い人程進行速度が速いというイメージがありますが、実はそうとも限りません。患者さんによる個人差や免疫状態、がんの種類とステージなど複数の要因が関係しています。また、一般的に大腸がんの進行速度は遅いといわれています。

若い人にできるがんの方が悪性度が高い傾向にある

例えば、10代に発生することが多いといわれるがんには、白血病・胚細胞腫瘍・骨軟部肉腫・脳腫瘍などの希少がんと呼ばれるものが多いため、診断や治療が難しいという状況があります。
また大腸がんの症例では、若い人がかかるとそれ以外の人に比べてリンパ管の侵襲度合いやリンパ節転移の進行度合いが高く、予後不良であったというデータもあるのです。

若い人の方が検診の頻度が低いため早期発見しにくい

若い人はがんに対する危機意識が低いので、40代以上などと比べて積極的に検診を受ける人や頻度が少なく、早期発見につながりにくい状態となっています。
一般的な企業や自治体での検診では、35歳や40歳などを機に基本の健康診断の項目が増える傾向にあり、若い人の健康診断だけではがんが見つかりにくいということも考えられます。早期発見が重要な大腸がんでは、若いうちから大腸がん検査を受けることが大切です。

免疫力の差で高齢者の方が進行速度が速い場合もある

免疫とは、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどから身を守るための自己防衛機能です。がんは、何らかの原因によって遺伝子の一部が変異したり、ウイルスに感染したりすることによって発生します。
免疫力が高いと細胞の異常を発見して取り除くことができるため、免疫力の高さとがんには相関関係があります。免疫力は、一般的には20~30代でピークを迎え、40代以降は急激に低下します。がんの進行速度にはさまざまな要因が関係するため一概にはいえませんが、高齢になって免疫力が低下することで、がんの進行速度が速まる可能性もあるのです。

大腸がんの進行速度についてよくある質問

ここまで大腸がんの症状・進行速度・検診の受診頻度などを紹介しました。ここでは「大腸がんの進行速度」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

大腸がんが進行するとどのような症状が現れますか?

大腸がんが進行してがんが大きくなると、腫瘍が便の通り道を邪魔して腹部に違和感や痛みが起こったり、腫瘍からの出血によって便に血が混じったりすることがあります。がんによって慢性的な出血があると貧血によるめまいが現れたり、腸が狭くなって便秘や下痢、お腹の張りを感じることもあります。がんが大きくなり腫瘍が完全に腸をふさいでしまった状態が腸閉塞です。腸閉塞になると便は完全に出なくなり、腹痛や嘔吐などの症状が出てきます。体重も目に見えて減ってくるケースがあります。

大腸がんは進行していても治りますか?

大腸がんは、がんが粘膜の深くまで達している場合やリンパ節への転移がある場合も、手術の適応範囲です。またほかの臓器への転移がある場合でも、化学療法のステップを踏んでから手術を行い、完全に切除すれば長期的な生存が見込まれます。化学療法も近年は成果が上がっているため、進行度などにもよりますが治る可能性は十分にあります。

編集部まとめ

今回は、大腸がんの進行速度と発症や進行を遅らせるポイントについて解説しました。

また、年齢による進行速度の違いが一概にはいえないことを紹介しましたが、意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

大腸がんは増加傾向にあるがんですが、早期に発見すれば手術などによる身体への負担も軽く、しっかり治しやすい病気です。

年に1回大腸がん検診を受診することは、早期発見につながる方法です。不安なく過ごすためにもぜひ受診しましょう。

大腸がんと関連する病気

大腸がんと関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

腺腫性ポリープ

家族性大腸ポリポーシス

大腸炎(潰瘍性大腸炎やクローン病など)

これらの病気は、放置することで将来がん化したりがんの原因となったりするため、適切な治療が必要です。

大腸がんと関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は7個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

便通の変化

便の性状変化

血便

腹部膨満感

腹痛

肛門痛

腹部のしこり

大腸がんは、最初は無症状かつ多少の症状が出てもお腹の調子が悪いという程度で見過ごされやすいものです。普段から排便習慣や便の状態を気にかけておき、生活や食事スタイルに大きな変化がないのに上記のような症状が現れた場合は、特に注意が必要です。

参考文献

大腸がん(結腸がん・直腸がん)|国立研究開発法人国立がん研究センター

AYA世代(思春期・若年成人)と希少がん(あやせだい(ししゅんき・じゃくねんせいじん)ときしょうがん)|国立研究開発法人 国立がん研究センター 希少がんセンター

大腸がん(結腸がん・直腸がん)予防・検診|国立研究開発法人国立がん研究センター