開幕から最下位と、浮上の兆しが見えないドラゴンズ。

現状をどのように打破するのか。

21日朝のメ~テレ「ドデスカ!」に出演した、元ドラゴンズで野球評論家の矢野燿大さんに聞きました。

ドラゴンズは先週、4月14日に金丸夢斗投手の今シーズン初勝利がありましたが、15~19日に4連敗でした。

勝つ形がなかなか安定せず、井上監督のメンタルも心配になりますが…。

矢野さん:

僕も気持ちはよくわかります。井上監督は眠れない夜を過ごしてるかなと思います。

でも、井上監督はなんとか自分からモチベーションを上げようとしているので、僕は全力で応援したいと思います。

気になるバント成功率の低さ

先週の戦いで、気になった点はどんなところでしょうか?

矢野さん:

僕は、バントの作戦が決まっていないという印象があるんです。

バントは得点圏に走者を送って点を取るということはもちろんあるんですが、流れがドラゴンズ側にある時、下位打線に回ってダブルプレーとかになっちゃうと、同じ点差でも、流れが向こうに行っちゃうんです。

流れをこっちに持ったまま、ピッチャーを次の回のマウンドに上がらせる、そんなバントがなかなか決まっていないので、流れが動いちゃうんです。

これから短期決戦とか、相手ピッチャーがいいという時には、やはりバントが必要になってくるので、こういうところを今からしっかりやっておくことが必要かなと思います。

矢野さんの言葉通り、ドラゴンズはなかなかバントが決まっていません。

19日時点のセ・リーグの犠打成功率で、ドラゴンズは最下位です。

矢野さん:

まだ試合数が少ないですし、まだまだ上げていけます。

バントエンドランとかバスターとか、井上監督はいまなかなかサインを出しにくいと思うんですけど、僕は思い切ったこともやっていってもらいたいなと思います。

「打つ野球」へのシフトは?

セ・リーグの犠打成功率で、ヤクルトは2回試みて2回成功とかなり少なく、打たせるチームになっています。ドラゴンズがそっちにシフトすることは?

矢野さん:

ドラゴンズのピッチャーがすごく良くて日本一になった年があったと思うんですが、あの時は日本シリーズとか短期決戦になっても、ドラゴンズはいつも通りの野球ができたんです。

短期決戦になって急に送りバントをしていくのは、僕は難しいと思う。

打つ野球にシフトすることも、もちろん監督の権限でいいんですが、僕はヤクルトも今のままではどこかで苦しい状況が来ると思うんです。

打線が打てない、相手ピッチャーもいいとなったら、やっぱりバントをやらざるをえない時期が来るかなと、僕は想像しています。

ドラゴンズも今のうちにバントをしっかりと決めるチームとして、前に進んでいくしかない?

矢野さん:

大切な時、大事な時はやるよというのがあった方が、僕はいいかなと思います。

相次ぐけが人

さらにドラゴンズでは、けが人が相次いでいます。

先週はサノー選手、花田旭選手、福永裕基選手と、止まらないですね。

矢野さん:

そうですね。必要な選手たちがどんどんけがで抜けていくのは苦しいですけれど、これは全員でカバーしていくしかありません。

逆に鵜飼航丞選手がチャンスをもらって、いい活躍をしてます。

大島洋平選手は、今までずっとスタメンで出ていたかのようないいバッティングをしています。

高橋周平選手も頑張っています。

石伊捕手へのアドバイス

そしてもう一つ、ドラゴンズが上昇するために矢野さんにポイントを聞きました。

それは「キャッチャー・石伊雄太選手の成長が必要」。

矢野さん:

石伊選手はいいキャッチャーですよ。肩は強いし、バッティングもむちゃくちゃ良くなっています。

あとはリードです。

石伊選手のサインの出し方を見ていると、ちょっと自信がなさそうに見えちゃうんです。

キャッチャーがサインを出す指が不安だったら、18.44m離れているピッチャーに「不安だな」ってバレちゃうんです。

自分が不安でも自信があるかのように演じてサインを出していけるのは、経験がもちろん必要なんですが、今の石伊選手はサインを出すタイミングもちょっと遅い。

そして、リードも無難なんですよ。

「1球ストライクを取ったら1球ボールを見せて」というオーソドックスなリードになっている。

思い切って同じ球種を続けるとか、今までやったことのないリードをしてみるとか、そういうものが必要です。

矢野さんが野村さんに言われた言葉

矢野さん:

僕も阪神でレギュラーになる前に、野村克也監督(当時)に「お前のリードは無難だ」と言われたんです。

「今のタイガースのピッチャーは、球が速いやつがいない。レベルの高いピッチャーもいない。だからこそお前が成長できるんだ。いいピッチャーは誰でも抑える。そうじゃないピッチャーをどうしていくかがお前を成長させてくれるんだよ」と野村さんに言っていただいた。

石伊捕手はまさに今苦しい状況だからこそ、自分の指に責任を持ってほしい。

データを死ぬほど見るとかして、根拠を持って、指に自信を持ってサインを出すことで、成長につながるんじゃないかと僕は思います。