怒りや悲しみの中にある感情を知る「本当は何を怖がっているのか」を自分に問いかける習慣【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】
いつも疲れているのは、心に溜まった闇や影のせい?
心の「本音」と「 防衛反応」
私たちの感情は、出来事に対して直感的に感じる「一次感情」と、それに反応して表れる「二次感情」の二層構造になっています。
一次感情(本音)とは、悲しみ、寂しさ、不安など、傷つきやすい本音の感情です。一方、二次感情(反応)とは、怒りや焦燥感(焦り)のように、その繊細な一次感情を守るための「防衛反応」として表れる激しい感情です。
表面に出る激しい怒りや、じっとしていられないほどの焦燥感は、実は心がこれ以上傷つかないようにする防衛手段にすぎません。その根っこには、必ずトラウマとなって固まっている心の痛み(一次感情)が隠れています。外に出る「怒り」の奥には「もっとわかってほしかった」という悲しみが、内に秘める「不安」の奥には「独りになるのが怖い」という寂しさや無力感が潜んでいるのです。
ですから、表面的な感情に振り回されず、「その奥にある本当の気持ちは何だろう?」と問いかけることが大切です。「怒りの下で、本当は何に悲しんでいるのだろう?」「不安の奥で、本当は何を怖がっているのだろう?」と自分自身に問いかけてみましょう。それが、あなたをしばっている枠を解き放ち、鏡の中の世界を変えていくカギとなります。
嫉妬の奥には本当の感情が潜んでいる
私たちの心を激しく揺さぶる「嫉妬」も、大切な本音を隠している二次感情のひとつです。誰かをうらやましく思ったり、相手の成功を素直に喜べなかったりするとき、そのトゲトゲとした感情の奥には、「本当は自分もあんなふうになりたい」という純粋な憧れや、「自分は不十分だ」という無価値感、「置いていかれるのが悲しい」という孤独感などの一次感情が潜んでいます。
嫉妬というベールを1枚はがしてみれば、そこにはあなたが本当に求めているもの(本音)が、確かに潜んでいます。 相手に対して「ずるい」と感じる部分は、あなたが「本当は自分に許可してあげたいこと」であり、あなたが「自分の人生に足りない」と切望していることなのです。
嫉妬の気持ちがわいてきたら、「私は、あの人の何に反応しているのだろう?」「私が本当に手に入れたい感情は何だろう?」と、その奥に潜む一次感情を見つめてみましょう。
ドロドロとした嫉妬を、自分の本当の願い(本音)を見つけるための原動力へと変換していくこと。それもまた、自分らしく生きるための大切なプロセスなのです。
POINT
表に出る激しい怒りや嫉妬の奥には、別の感情があるはず。
「本当は何がつらいの?」と自分にたずねてみよう。
【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄
【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。
