視界にゴミが浮かぶ「飛蚊症」は放置しても大丈夫? 網膜剥離のリスクと受診の目安【医師解説】
「飛蚊症」は、モノを見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える状態のことを指します。飛蚊症を放置すると網膜剥離が進行するリスクもあり、その場合には早急な治療が必要になります。今回は、飛蚊症の原因などについて、「秋野眼科医院」の秋野先生に解説していただきました。
監修医師:
秋野 邦彦(秋野眼科医院)
東京医科大学卒業。その後、慶應義塾大学医学部眼科学教室、埼玉メディカルセンター、済生会中央病院などで眼科医として経験を積む。2025年1月より、東京都豊島区に位置する「秋野眼科医院」の副院長に就任。日本眼科学会専門医、日本パラスポーツ協会認定医。日本網膜硝子体学会、日本糖尿病眼学会、東京都眼科医会、日本ロービジョン学会、日本盲導犬協会、日本視覚障害者柔道連盟の各会員。
編集部
飛蚊症の原因はなんですか?
秋野先生
飛蚊症の原因は、硝子体の濁りです。硝子体とは、眼球の大部分を占めているゼリー状の組織であり、水晶体の後ろにあって眼球の形を保持したり、網膜を保護したりする役割を担っています。本来、硝子体の成分は99%が水で透明ですが、硝子体が濁ってしまうと、その影が網膜に映り、目の前に見えるようになるのです。
編集部
なぜ、硝子体が濁るのでしょうか?
秋野先生
硝子体が濁る原因は多岐にわたります。生まれつきのものもありますし、加齢によって徐々に濁りが生じるものもあります。また、強い近視や遺伝性の硝子体の疾患なども関係しています。そのほか、網膜裂孔や網膜剥離など病的な要因によって起きることもあります。
編集部
病気が原因になることもあるのですか?
秋野先生
はい。例えば、硝子体の背後にある網膜という組織は、カメラでいうフィルムに該当する部分ですが、硝子体が加齢などによって液化すると引っ張られ、網膜に裂け目や穴ができてしまいます。この状態を網膜裂孔と言い、飛蚊症の原因になることがあります。
編集部
そのほかにも危険な疾患はありますか?
秋野先生
網膜裂孔が進行すると網膜剥離といって、網膜が剥がれた状態になってしまいます。網膜剥離が起きると視野が一部欠損し、視力低下や飛蚊症がみられることもありますが、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。しかし、そのまま放置すると失明することもあるため、大変危険です。
※この記事はメディカルドックにて<「飛蚊症」は放置すると“失明リスク”があることをご存じですか? 原因・対処法も眼科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
