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定年が近づくにつれて、定年後のお金のことで不安になってくる人は多いことでしょう。しかし、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、「わからないから不安なのであって、お金の実態がわかれば、解決策もおのずと見えてくる」と語ります。そこで今回は、横山さんの著書『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』より、定年後のお金をふやす方法をご紹介します。

【図】主な相続人と法定相続分

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親が元気なうちに相続対策!もめないように分け方を決める

財産が少ないほどもめやすい!

シニア世代になると、浮上してくるのが「相続」の問題。「うちは財産がないから関係ない」という人もいますが、相続争いの約76%は遺産額5000万円以下の家庭※。財産が少ないからこそ、もめるんですね。

トラブルを避けるために、まずは、相続の基本を理解しておきましょう。

※2022年度「司法統計」

注意したいのは……

借金も相続財産に含まれる

親が亡くなると、遺産は法律で決められた「法定相続人(配偶者、子ども、親や祖父母、兄弟姉妹など)」が相続します。分け方は、遺言書があればそのとおりに、なければ、相続人全員の合意で自由に決められますが、同意が得られない場合には、「法定相続分」に分けられます(下)。

相続税がかかるのは、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超える遺産の場合。相続税が不要でも、相続手続きは相続人全員で行わなくてはなりません。

注意したいのは、借金などマイナスの遺産がある場合です。貯蓄などプラスの遺産だけの相続はできず、両方相続するか、両方放棄しなければなりません。イザというとき困らないように、親が元気なうちに財産の状況を話し合っておきましょう。


『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』(著:横山光昭、イラスト:ホリグチイツ/主婦の友社)

Point 相続放棄できるのは3カ月以内と短いので注意!

負の遺産が多く「相続放棄」する場合の期限は、自分の相続の開始を知ってから3カ月以内。借金の存在を知らないで手続きが遅れると、借金を引き継ぐことになります。「相続で困らないように、財産を知りたい」と親に伝えて、話し合いのきっかけにするのも一案。

相続税がかかる場合は生きているうちに贈与してもらう

「暦年贈与」のルール変更に注意

相続税がかかりそうな場合は、親が元気なうちに相続対策を行いましょう。

昔からよく利用されてきたのが、年110万円以内の贈与税がかからない範囲で毎年贈与する「暦年贈与」です。

少額ずつ手軽にできますが、2023年度の改正で、贈与してから7年以内(改正前は3年以内)に贈与した人が亡くなると、7年間で子が受け取った分に相続税がかかるように(下)。


<『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』より>

「相続時精算課税制度」のメリット

暦年贈与のルール改正で、かわって注目されているのが「相続時精算課税制度」です。

この制度は、最大2500万円まで贈与税が非課税になりますが、贈与した人が亡くなると、過去の贈与分をすべて相続財産に入れて相続税が計算されるというもの。基本的に、将来相続税がかからない人、かかっても少額な人が、子や孫にいま必要なお金をあげたいときに有効な制度です。

特筆すべきは、2024年の改正で「贈与した金額から110万円は永続的に控除」になったこと。つまり、110万円以内なら、何年でも非課税で贈与でき相続税への持ち戻しも不要。一度利用を始めると暦年贈与には戻れないのでよく考えて選択を。

知っ得! 住宅・教育・結婚目的の贈与なら、非課税枠あり

親や祖父母などからの贈与のうち、住宅資金は500〜1000万円(2026年12月まで)、教育資金は1500万円(2026年3月31日まで)、結婚・子育て資金は1000万円(2027年3月31日まで)が非課税に。それぞれ条件が異なるので、国税庁のホームページをチェック!

※本稿は、『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。