「OPPO Find N6」レビュー、“横折りスマホ”の定位置を脅かす優秀な折りたたみスマホをチェック
日本でも販売されている横折りタイプのスマートフォンと言えば、代表モデルにGalaxy Z Foldシリーズがあり、Pixel Foldが後を追いかける形を取っている。nubiaからも、比較的安価なモデルが登場しているが、市場に与えたインパクトという意味では、先行する2社には及ばないだろう。
そんな日本市場に「新たな風を吹かせる」気合いを感じる端末が登場する。それが「OPPO Find N6」だ。OPPOの折りたたみスマートフォンについては、日本市場への投入は初となるが、中国やグローバル市場では以前から展開しており、今回“満を持して”日本に持ち込まれた形となる。
価格は31万8000円。「au +1 collection」や「IIJmio」、「イオンモバイル」で取り扱われるほか、各種量販店、ECサイトから購入できる。
「OPPO Find N6」は、「目立ちにくい折り目」、「強力なヒンジ」、「タッチペン対応」といった明確な武器を持つ1台。日本での発売に先駆け、メーカーから端末をお借りできたので、1週間ほどではあるが、試して感じた良し悪しを紹介していく。
圧倒的に目立ちにくい折り目の大画面ディスプレイ
ディスプレイの大きさは、閉じた状態で6.62インチ、開くと8.12インチの大画面。どちらのディスプレイも、1~120Hzの可変式リフレッシュレート、最大240Hzのタッチサンプリングレートに対応しており、10億色以上の色彩表現が可能。デフォルト設定では、派手な表現をするわけではなく、忠実かつ精細な描画をするディスプレイという印象だ。
カバーディスプレイ
メインディスプレイ
カバーディスプレイは、縦に長い比率になっており、持ちやすく扱いやすい。ヒンジを搭載する関係から、角が強い曲線になっているため、「画面いっぱい」という印象とは異なるが、ベゼルも細くまとめられており、使っていて違和感のない仕上がりだ。
「OPPO Find N6」の大きな特徴がメインディスプレイ。折りたたみスマートフォンの弱点でもある折り目だが、高分子3Dプリント技術を応用することで、ぱっと見では視認できないほどなくなっている。
他社の折りたたみスマートフォンでは、動画やゲームなど、大画面を活かしたコンテンツを表示する際、折り目はどうしても気になっていたが、「OPPO Find N6」は使っていて全く気にならない。実際に指で触れると、わずかにへこみがあることがわかるが、画面の中心付近を触る機会は意外と少ないため、実用上は折り目を体感するシーンがほとんどない。
気になるヒンジの耐久性だが、メーカーからは「60万回の折りたたみテストに世界で初めて合格」と報告されている。1週間程度のレビューとなるため、数年後にどういった変化が現れるのかはわからないが、現状は滑らかに動き、90度近くに画面を立てて使えるヒンジには満足している。
折りたたみモデルであることを感じさせない薄さと軽さ
本体サイズは、折りたたんだ状態で159.87×74.12×8.93mm、開いた状態で159.87×145.58×4.21mm。
昨年、薄型軽量化で大きな話題となった「Galaxy Z Fold7」は、158.4×72.8×8.9mm/158.4×143.2×4.2mmとなっており、スペック上はほとんど変わらない。ただし、「Galaxy Z Fold7」は直線的で一見スリムな印象が強く、「OPPO Find N6」は曲線的でかわいらし印象を受ける。曲線的な「OPPO Find N6」のほうが手になじむ感覚が強く、個人的には持ちやすいと感じる。
2機種を比較、左が「Galaxy Z Fold7」、右が「OPPO Find N6」
折りたたみ時の8.93mmという薄さは、一般的なスマートフォンと比較してもいいほどの薄さだ。実際、「iPhone 17 Pro/Pro Max」の厚さは8.75mmで、握った感触はほとんど変わらない。閉じた状態でも使いやすいからこそ、「大画面を折りたたんで携帯する」意義が大きくなる。
iPhone 17 Pro(右)との比較
「OPPO Find N6」の質量は約225g。「Galaxy Z Fold7」比では10gほど重いが、折りたたみスマートフォンとしては軽量。「iPhone 17 Pro」が206g、「iPhone 17 Pro Max」が233gであることを踏まえても、もはや一般的なスマートフォンと遜色ない質量と言っていいだろう。もちろん、大画面モデルらしい重みではあるものの、使いにくさを感じるほどではなく、これで8インチ以上のタブレットも兼ねると考えれば、十分納得のいく重さだ。
グローバルで展開されるカラーは、「ステラチタン」と「ブロッサムオレンジ」の2色で、今回は「ステラチタン」を試用。指紋の付着は控えめで、さらっとした触り心地が魅力だが、ホワイト、ブラックといった一般的な色が用意されていないのはやや気になる。
また、日本では未発売だが、前モデルの「OPPO Find N5」で用意されていた、大理石のように見える上品な色のボディも登場しないのが、個人的には少し残念だ。
左がOPPO Find N5。
※技適未取得機器を用いた実験等の特例制度を申請して使用
本体は、IP56/IP58/IP59の防水防塵性能を有する。ヒンジの耐久性もさることながら、日常使いには十分な水準の耐久性を備えている。
ボタン類は右側面に集約されており、上からSnap Key、音量ボタン、電源ボタンとなる。Snap Keyの機能については後述するが、ボタンの配置的に、一般的なAndroidスマートフォンに慣れていると、Snap Keyと音量ボタンを押し間違えるミスが頻発するため、慣れが必要だと感じている。
AIと掛け合わせたタッチペンの使い方も魅力
OPPO Find N6は、専用の「OPPO AI Pen」(別売)を使い、タッチペン入力にも対応する。ペン操作は、カバーディスプレイ、メインディスプレイの両方で利用可能となる。
OPPO AI Pen
初期搭載OSの「ColorOS 16」では、ペンで任意の領域を囲ってキャプチャを撮る「Circle to Capture」、手書きのスケッチを画像に変換する「AI画像生成」、「手書きメモを図表化する「AI図表生成」といった機能が利用できる。
折りたたみスマートフォンにおいて、価格や耐久性の不安といった要素のほかに、「使い道がわからない」という点も、購入の障壁となっている印象がある。OPPO Find N6では、ビジネスシーンで使いやすい機能をタッチペン、AIで搭載していく取り組みがなされており、利用シーンを明確に思い描けるのがいい。Galaxy Z Fold7がSペン非対応となったことも、OPPOにとっては追い風となり得るだろう。
AI機能として外せないのが、「AIマインドスペース」だろう。機能としてはNothingの「Essential Space」に近い機能となっており、短く押すと、スクリーンショットをマインドスペースアプリに蓄積しながら、画面に表示されている内容をAIが解析し、次の行動を提案してくれる。
AIマインドスペース
たとえば、スケジュールが記載されたメールの画面を開き、Snap Keyを押せば、カレンダーに追加する提案が行われる。マインドスペースアプリから、該当するスクリーンショットを確認すると、情報が整理されたAIサマリーを確認できる。「質問する」から、蓄積した情報に関する確認を行うことも可能だ。
Snap Keyを短くクリックすると、スクリーンショットの撮影となるが、長押ししている間は音声メモの録音も行われる。ボイスレコーダーのように、停止するまで録音し続けるのではなく、Snap Keyを押している間だけ録音をする機能となるため、その場で思いついたアイデアをサッと音声で入力しておき、あとから振り返るといった使い方になる。
一方、レコーダーアプリでも文字起こし、サマリーの作成といった機能が利用できるが、文字起こしできる時間は、1カ月あたり100分までと制限がある。AI生成にコストがかかることは重々理解しているが、他社スマートフォンのレコーダーアプリが基本無料で利用できる点を鑑みると、不満を抱かずにはいられない。制限を設けるにしても、月100分はさすがに短すぎて、常用しにくい。
ハッセルブラッド監修カメラの仕上がりも大満足
アウトカメラは、2億万画素の広角カメラ、5000万画素の超広角カメラ、5000万画素の望遠カメラの3眼構成で、スペクトラムセンサーも搭載する。
「OPPO Find X9」でも話題となったハッセルブラッド監修のカメラは、「優秀」の一言に尽きる。華美に着飾るのではなく、素朴な色合いを忠実に表現するのが特徴で、やや暗い印象を受けることもあるが、非常に精細な写真を撮影できる。
カメラブランドと協業するスマートフォンとしては、シャオミとライカのタッグが印象強いが、色表現としては、OPPO Find N6のほうが素朴な仕上がりになる。AF速度、シャッター速度も速く、超広角、望遠カメラにおいても、破綻のない美しい描画が可能だ。デジタルズームは最大120倍で、倍率を上げていくと、AIの補正が強くなっていく。
等倍
超広角
3倍光学ズーム
6倍ズーム
30倍ズーム
120倍ズーム
ポートレート撮影では、光学3倍、光学相当6倍の望遠カメラでは、輪郭をくっきりと捉え、背景を自然にぼかすことができる。暗所での撮影にも強く、シーンを問わずにハッセルブラッドの表現ができるのが魅力だ。カメラフォンとしての使い勝手にもこだわれており、「折りたたみモデルだから我慢しなければいけない要素」を排除しているのが、「OPPO Find N6」の強みだ。
処理能力、バッテリーもハイエンド仕様 ネックは価格のみか
チップセットは「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を搭載する。CPUは7コアとなるが、処理能力は折り紙付きだ。メモリーは16GB、ストレージは512GBとなる。放熱性能はまずまずといった印象で、長時間ゲームアプリをプレイしていると、本体がかなり熱を持ってくる。日常使いには問題なく、快適な動作性だが、ヘビーゲーマーは注意が必要だ。
バッテリーは6000mAhで、折りたたみモデルとしてはかなりの大容量。駆動時間もこれに伴い、必要十分な印象だ。1日の外出でバッテリーが切れる心配はほぼなく、体感では1日半程度は使える印象だ。急速充電は最大80Wで、ワイヤレス充電は最大50Wとなる。
生体認証は、電源ボタン内蔵型の指紋認証と、顔認証の両方に対応。Wi-Fi 7やBluetooth 6.0に対応するなど、スペック周りは文句なしのハイエンド仕様だ。ただし、おサイフケータイ機能には非対応となる。
「OPPO Find N6」は、折りたたみスマートフォンとしての完成度がずば抜けて高く、隙のない仕上がりになっているのが魅力。折り目がほとんど見えないディスプレイ、ビジネス用途にも活躍するAI機能、バランスのいい優秀なカメラ、大容量バッテリーなど、どこをとっても妥協がない。
強いて言えば、おサイフケータイ機能非対応が惜しいところだが、日本市場へ初めて投入する折りたたみ機種であることを踏まえて考えれば、納得感はある。NFCでの決済機能は利用できるため、完全に決済サービスを利用できないわけではない。
ネックになるのはやはり価格だろう。他社折りたたみ機種と比較しても高い設定になっており、気軽に手を出せる金額ではないのは事実だ。個人的に使用感はとても気に入っているため、多くの人に試してもらいたい1台ではあるが、キャンペーンを含め、ユーザーが手に取りやすい施策にも期待したい。
