現場施工状況@地中拡幅(北行)(東名JCT) 画像出典: TOKYO GAIKAN PROJEC

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東京外環道の現状と全線開通のゆくえ!大泉から東名間の進捗と直面する課題とは

 都心から約15キロメートルの圏域を結ぶ東京外かく環状道路は、全延長約85kmのうち約50kmが開通済です。

 現在事業中である関越道から東名高速間の工事進捗や、計画段階の区間を含めた全体状況、今後の開通見通しについて解説します。

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 東京外かく環状道路(外環)は、千葉県、埼玉県、東京都の各都市を環状に繋ぐ広域幹線道路です。

 首都圏の円滑な交通ネットワーク形成を目指し、三郷や和光、市川などを結ぶ区間は既に供用されています。

 一方で、東京都内の大泉ジャンクションから東名ジャンクション(仮称)に至る区間では、大深度地下でのトンネル工事が続いており、沿線への安全配慮を伴う施工が行われています。

◆外環道の概要と開通済区間

 外環は都心から約15キロメートルの距離に位置し、総延長約85キロメートルが計画されています。

 このうち約50キロメートルが開通しており、千葉県区間(高谷ジャンクションから松戸市小山)および埼玉県区間(三郷市高州から和光市南)が該当します。

 千葉県区間と埼玉県区間は4車線から6車線で整備されており、地上の一般部(国道298号)と並行する構造です。

 構造形式としては、千葉県内が幅員60メートルの専用部地下構造であるのに対し、埼玉県内は幅員62メートルの高架橋を中心に構成されています。これらの開通により、首都圏の放射道路である東関東道、常磐道、東北道などが接続されています。

 一方で、湾岸道路から東名高速にかけての区間は、3環状道路の総仕上げとなる区間ですが、計画の具体化に向けて国や東京都、川崎市による協議会で検討が行われている段階です。現状では放射道路の9路線のうち、第三京浜のみが都心側の端末で環状道路に接続していない状況です。

◆整備が求められる背景と役割

 関越道から東名高速間や東名高速から湾岸道路間が未整備であることにより、既存の一般道路にしわ寄せが生じています。

 第三京浜の端末では1日約7万台が都内の一般道へ流出入しており、世田谷通りや国道246号、目黒通りなどの主要交差点を先頭に慢性的な渋滞が発生しています。

 環状8号線や国道409号などの主要幹線道路では、渋滞損失時間が全国平均の7倍から12倍に達しています。

 また、溝口交差点や大鳥居交差点周辺など、死傷事故率が300件毎億台キロ以上の箇所が多く存在している状況です。

 物流や空港アクセス面での課題も挙げられます。

 京浜港から内陸へ向かう長距離貨物の約80パーセントが東名高速や関越道、中央道などの方向へ向かっています。

 羽田空港は年間乗降客数が7千万人を超えていますが、アクセス手段の約半数がバスや自家用車など道路交通に依存しています。

 さらに、首都圏には立川広域防災基地や有明の丘、東扇島広域防災拠点などが立地しており、災害時の広域支援部隊の一時集結地や物流コントロール拠点として機能するため、外環の整備は円滑なネットワークの確保に直結します。現状、東京区部南西部や川崎市域では高速道路へのアクセスに時間を要する地域が見られます。

結局、外環の全線開通(関越-東名)はいつ? 課題は?

 現在事業中である関越道(大泉ジャンクション)から東名高速(東名ジャンクション)間の約16キロメートルは、地下約40メートルの大深度地下を活用した6車線のシールドトンネルとして工事が進められています。

 2026年(令和8年)3月時点の報告によると、大泉側からの北行シールドトンネルは、地盤に適した添加材の選定や排土量管理を行いながら、総延長約6970mのうち約4960mまで掘進が完了しています。地域の振動や騒音の計測、地表面の巡回監視を実施しつつ工事が続けられています。

 しかし、大泉側の南行シールドトンネルにおいては、2026年1月20日にカッター部を回転させる大ギヤ付近から異音が発生しました。

 その後の点検により、大ギヤに23箇所の変状が確認され、さらにファイバースコープによる点検でベアリングの約7割の範囲でも変状が認められました。このため、現在は掘進を停止して開口部を増設し、詳細点検と補修計画の検討が行われています。

 なお、掘進停止中もチャンバー内圧力の適切な管理や地表面変位の継続的な計測が行われており、異常はないと報告されています。

 その他の箇所では、中央ジャンクション南側のランプシールドトンネルや東名ジャンクションのAランプシールドトンネルにおいても、添加材の適切な使用や塑性流動性のモニタリングを行いながら慎重に掘進が進められています。

 また、東名ジャンクションの地中拡幅工事では、施工計画に基づく準備工や内部支保工の設置が行われています。

 一方で、東名側から発進した本線シールドトンネル工事については、過去に陥没や空洞が発生した地域において、事業者による家屋の買取や解体などを伴う地盤補修が2023年8月から実施されています。

◆全線開通の見通しと今後の方針

現場施工状況(大泉JCT部)@本線トンネル(北行)(大泉JCT) 画像出典: TOKYO GAIKAN PROJEC

 こうした複数の状況から、関越道から東名高速間の開通時期を現時点で見通すことは困難とされています。

 一部区間(大泉ジャンクションから中央ジャンクション間)の先行開通についても、大泉から東名間の全線開通を目標として事業を進める方針が示されています。

 工事においては安全が最優先とされており、地盤補修の確実な実施や、シールドマシンの詳細点検といった課題に対する着実な対応が求められています。

 東名側から発進した本線のシールドトンネル2本の掘進工事については、地盤補修を優先して実施していくため、工事再開は見通せる状況にはありません。

 今後の施工においても、沿線住民に対して施工計画や振動および騒音に関する丁寧な説明と情報提供を継続し、問い合わせに適切に対応するなど、地域の不安解消に努めながら事業が進められていく予定です。

 安全確保に向けた取り組みが、一日も早い開通への基盤となります。