Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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先週3日金曜日の夕方。静岡市清水区「由比漁港」。

(記者)
「サクラエビ漁解禁から5日遅れとなったきょう(3日)、由比港では初漁に向けて準備が進められています」

今回、取材班が漁へ同行させてもらうのは、船長の望月俊成さんと息子の宥佑さん親子で操業する「大福丸」です。

(大福丸 望月 宥佑さん)
「基本的にサクラエビ漁は春も秋も初日は操業メインよりも調査がメインなので、全体をみて、どこに住み着いてくれているのかというのを広く見るのがメインです。去年に比べて微たるものでも増えてくれればいいなと思います」

サクラエビの漁獲量は2008年を最後に1500トンを下回り、2020年には128トンまで一時減少。

記録的な不漁で、2018年から禁漁区を設けたり船の数や時間を制限するなど、サクラエビを増やすための自主規制を行ってきました。

願いは“豊漁”。午後5時半ごろ、漁船は沖へ。初日は、調査もかねて、それぞれの船が決められたエリアに向かいます。

「大福丸」が担当するエリアは清水沖。魚群探知機をにらみながらサクラエビの群れを探しますが、反応はありません。

そうしていると…。

(大福丸 望月 宥佑さん)
「今、こっちで反応が出たので、反応がある方にみんなで行こうって」

富士川沖で探索していた船から情報が入り、急いで向かいます。

(大福丸 望月 宥佑さん)
「これが反応じゃないかな」

魚群探知機にはサクラエビらしき影が。

(投網)
「いくよー」

網を勢いよく海の中へと投入。

漁は2隻1組で行われ、網を両側から引っ張りながらサクラエビの群れを中へと追い込んでいくまさにチームプレー。

そして…。

網の中にはたくさんのサクラエビが。美しいピンク色に輝くその姿は、まさに「駿河湾の宝石」です。ただ、この船で獲れた量は…。

(大福丸 望月 宥佑さん)
「27(箱)…少ないですよ、ほかの船は100(箱)とかあるので、逆に言えば一番遠いところから来てて、これだけあればいいのかな。質もいいし、モノもすごくきれいですよ」

全体の漁獲量が気になります。

4日・土曜日の早朝。初競りが行われる市場には、仲買人たちが続々と集まってきていました。2026年のサクラエビはどうでしょうか…?

(仲買人)
「いいですね エビの筋も大きくて、全然いいんじゃないかと思いますよ」

仲買人の反応からも質の高さがうかがえます。

午前5時45分、初競りがスタート。

(初競り)
「6万8110円から6万7160円まで…」

初日の水揚げ量は由比と大井川で、計約14.2トンで、2025年の4.2トンから3倍以上、10トンほど多い結果になりました。

(由比港漁業協同組合 大石 達也 組合長)
「やはり初日が出るまでは、いつもドキドキしながら、ことしはどうなのかと思っているが、出てみると、多少、量もあったので、すごく安堵してます。きのうは海の状態を見る限りはあまりいい状態ではなかった。海が濁っている中で、これだけ獲れたっていうことは、今後に期待は十分できるもの」

漁港近くの飲食店では、さっそく朝仕入れたサクラエビの調理へ。

(ごはん屋さくら 伊藤 忠雅さん)
Q.何で食べるのが一番おいしい?
「もうきょうはこの大きさから言うと、よく…大ぶりですと『春のエビかき揚げ向き、秋の細かくなったのは刺身向き』なんていうが、きょうはこれ両方ともバッチリだと思いますね」

店主も納得の新鮮なサクラエビをふんだんに使ったかき揚げに…。鮮度抜群のお刺身。両方を一緒に味わえる「桜えび定食」が、お店の一番人気です。

関東から来たこの二人は…。

(埼玉から)
「春解禁になるの知っていて、この時期かなと思って来てみました。やはりおいしいです。味が濃くて。どれ食べてもおいしいです」

(東京から)
「初めてちゃんと食べたんですけど、すごくおいしくてびっくりしました」

ただ、サクラエビ漁は好調の兆しの一方で、ここでも漁船の燃料である「軽油」不足の影響が。初日の漁は制限をかけませんでしたが、今後は船の数を抑えるといった可能性があるということです。

(静岡県桜えび漁業組合 実石 正則 組合長)
「正直申し上げて(春漁終了の)6月5日まで、今の現状では持つ可能性はないんです。(軽油の)入荷の予定もたってないので、これから先、今現状の中で、どうやって操業していくか…それに頭を悩ませている」

“獲りすぎない努力”など資源回復に努めてきた中で、燃料不足という問題にも直面。サクラエビの文化への影響は…。

(スタジオ解説)
(澤井 志帆 キャスター)
改めましてハテナはこちらです。

・「駿河湾の宝石・桜エビを未来に残せるのか」

初日はエビの質も良かったということで、おおたわさん、ひとまず安心ですね。

(コメンテーター 内科医 おおたわ 史絵 氏)
ほっとしますね。あれだけ大量なのを見ると、私は由比漁港には…わざわざ買いに行ったことがあるぐらい、東京からはるばる行ったぐらい好きなので、ちょっとうれしい思いがしました。

(澤井 志帆 キャスター)
まさしく宝石ですね。桜エビですがこれまでの歴史を振り返っていきます。2008年に1800トンを超えたのを最後に、漁獲量でどんどん減っていきまして、2018年には記録的な不良となりました。秋漁の中止もここで経験しています。そこから自主的な漁のルールを設けて漁獲量を制限したことがありました。そういうこともあってか徐々に増えてきてはいます。今シーズンの春漁を初日見てみますと、ことし水揚げ量は去年の約3倍を超え14.2トンもありました。そして取引価格も少し下がっています。津川さん、この数字どうご覧になりますか?

(津川 祥吾 アンカー)
やっぱり去年より3倍以上とれたって、そのニュースがそもそもうれしいですよね。県の判断でいうと、ちょっと少なめで増加傾向にあるという判断をしているみたいなんですけど、多い時は20トンとかとれた年もあるので、ただ、日によってとれるとれないという…天候にもだいぶ左右されるらしいので、この日だけで判断というよりは、今後に行きたいということだと思いますね。

(澤井 志帆 キャスター)
そうですね、今シーズンも長い目で見守っていきたいですよね。おおたわさんは食べる側の消費者目線としてどう感じますか?

(コメンテーター 内科医 おおたわ 史絵 氏)
そうですね、サクラエビの栄養素について、ちょっと考えてみたんですけど。もちろんカルシウムが豊富なことは見るから明らかなんですが、実はタウリンという物質が豊富で、このタウリン、私は実はすごく好きな栄養素なんですけれども…好きなんですよ。足…つりません?皆さん…。私と同年代の方は恐らく「うんうん」って言っていらっしゃるんだと思うんですけども…。夜中に足がつる人はタウリンをとると比較的良くなるケースが、論文もたくさん出ているんですよ。だまされたと思ってサクラエビ試してみてください。

(澤井 志帆 キャスター)
健康面で意識して(サクラエビ)食べたことは今までなかったですが…。

(コメンテーター 内科医 おおたわ 史絵 氏)
うそではないです。

(澤井 志帆 キャスター)
意識して食べていきたいなと思いました。これまで資源保護のためにさまざまな自主規制を行ってきました。産卵場になっている海域を保護区に設定したり、漁に出る船の数や網を入れる時間にも制限を設けるなど厳しい自主規制を続けてきたからこそ効果が徐々に現れてきてはいるんですが、ことし新たに出てきた問題がこちら…。イラン情勢の悪化による燃料不足です。軽油の備蓄は1か月程度しかなく、県桜エビ漁業組合の組合長は、「春漁期間の6月5日まで経由がもたない」「軽油入荷の予定も立っていない」と話していまして、春漁の継続を懸念する話もありました。こうなるととれるのにとれないといった状況にもなりかねないと感じるんですが、このサクラエビの文化を未来につなげていくために、津川さん、何が大事だと思いますか?

(津川 祥吾 アンカー)
まず、現場の皆さんがものすごく努力をされてますよね。特にサクラエビ漁というのは、私、静岡県民の皆さん…教科書でも勉強すると思うんですが、資源管理のあり方…本当に世界的にも優等生と言われるものですよね。今回資源が急になくなった中でも、やはり地域の皆さんの努力、その力が出てきて、少しずつ回復してきているというところだとは思うんですけども、ただ、現場の皆さんの努力だけではまかないきれないという部分がありますよね。

(澤井 志帆 キャスター)
それはどういうことですか?

(津川 祥吾 アンカー)
この燃料不足など、まさに典型的なところだと思うんですが、皆さんも燃料をなるべく使わないようにという努力もされていると思いますが、そもそも、国なども「油はあるんだ」というふうに言ってますが
場所によって、業界によっては足りなくなる…いわゆる目詰まりが起こっているみたいな言い方をしてますので、そこの対策は早急にやっていただきたいと思いますし、あと、やっぱり海の環境を守るというのは現場の皆さんだけではなくて、私たち市民、社会全体で取り組む課題なんじゃないかなと思いますよね。

(澤井 志帆 キャスター)
おおたわさん…、資源と燃料、両方がサクラエビ漁に影響している状況になってますよね…。

(コメンテーター 内科医 おおたわ 史絵 氏)
そもそもはやはり天然のものなんですよね。自然の財産であって、養殖が非常に難しい生き物じゃないですか。だから、あることをまず感謝しなければいけないですし…そのために水質環境をどれだけ守れるかということと。あとは、やっぱり燃料の問題はなかなかめどが立たないので、長期的には…漁船を動かすための燃料の他の手段を考えていくとか…そういうことも重要になってくるのかなと思いますよね。

(津川 祥吾 アンカー)
やっぱり地域の文化でもあると思うのでね…。それをしっかりと私たちみんなで守るというところが大事なんじゃないでしょうかね。

(澤井 志帆 キャスター)
継承していかないといけないですよね。不漁からの回復の兆しがある一方で、燃料という新たな壁。未来に残していくためにも、その価値と支える人たちの思いに、私たちも目を向けていきたいなと思います。