コメ生産現場は戦々恐々…(C)共同通信社

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 米価高騰が長引き、消費者のコメ離れも見られる中、大きな“反動”がやって来つつある。

中東情勢悪化で日本の農業に大打撃…ほぼ全量が輸入依存の原油&肥料高で“二重苦”に

 農水省は23日、2025年産米の需要見通しを下方修正し、691万〜704万トンになると発表した。昨年10月時点では697万〜711万トンを見込んでいたため、最大7万トンの引き下げとなる。昨年7月から今年1月の事業者の精米実績をもとに、見直しが行われた。

 それに伴い、今年6月末時点の民間在庫量は、当初の215万〜229万トンから、221万〜234万トンに上方修正された。適正水準とされる180万〜200万トンを大きく上回る見通しだ。

 さらに、今年のコメ農家の作付け意向(1月末時点)も高水準にあり、来年6月末時点の民間在庫量は、最大271万トンにまで膨れ上がるとの見通しが示された。

 コメ業界は大量の在庫余りに恐れをなしている。

「2025年産米は高値が続き、売れ行きが鈍っています。恐らく、その在庫が大幅に残った状態で次の新米シーズンを迎えることになる。コメの買い取り価格が高騰し、農家の生産意欲は高まっており、2026年産米は例年より多く市場に出回ることになるでしょう。ただ、コメの供給がますます過剰になり、米価暴落が現実味を帯びます」(コメ小売り関係者)

■イラン情勢も重荷に

 農水省の発表(23日)では、全国のスーパーで今月9〜15日に販売されたコメ5キロの平均価格は、前週より33円安い3980円(税込み)。5週連続の下落で、7カ月ぶりに4000円台を割り込んだ。とはいえ、スーパーの店頭に並ぶブランド米は、いまだ5000円台もザラ。まだまだ、高値に張り付いているといえる。

 そんな中でのコメ価格の急落は、消費者にとってはうれしいこと。一方で懸念されるのが、生産者の大量離農だ。

「どこまで米価が下落するかの予測は難しいですが、例えば5キロ=3000円を下回れば、採算ラインを割ってしまう生産者は少なくないでしょう。加えてイラン情勢の悪化により、農業資材、肥料、燃料代がどんどん高騰していくのは間違いない。生産コスト増は不可避で、農家は不安定な経営を強いられます」(農水省担当記者)

 日本のコメをめぐる混乱は、当面続く。

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 中東情勢の悪化は日本の農業に深刻な影響を及ぼしている。関連記事【もっと読む】『中東情勢悪化で日本の農業に大打撃…ほぼ全量が輸入依存の原油&肥料高で“二重苦”に』で詳しく報じている。