本国発表からわずか12日! 新型オープンモデル『フェラーリ・アマルフィ・スパイダー』が日本初公開【元専門誌編集長の視点】
3年前に登場したローマ・スパイダーの後継
3月24日午前中、フェラーリ・ジャパンは新型オープンモデル『フェラーリ・アマルフィ・スパイダー』をメディア向けに日本初公開した。
【画像】ボディカラーはアマルフィ海岸の色調をイメージ!日本初公開された『フェラーリ・アマルフィ・スパイダー』 全150枚
アマルフィ・スパイダーは3月12日にイタリア本国で発表された、フェラーリが言うところの『2+スパイダー』。昨年7月2日に発表されたクーペ、『アマルフィ』のオープンバージョンで、ほぼ3年前となる2023年3月16日に登場したローマ・スパイダーの後継にあたる。

3月24日、新型オープンモデル『フェラーリ・アマルフィ・スパイダー』が日本初公開。 上野和秀
フロントにF154型と呼ばれる3855ccの90度V型8気筒ツインターボを搭載しリアを駆動するパワートレインは、ローマ、ローマ・スパイダー、アマルフィと受け継いできたもの。
もっと遡れば2008年に登場したカリフォルニアが起源となるが、その後継となるポルトフィーノも含めてリトラクタブルハードトップを持つモデルだった。しかし、ローマからはクーペとソフトトップを持つオープンの2モデル体制となっている。その大きな特徴となるソフトトップの開閉時間は13.5秒で、60km/hまでは走行中でも操作が可能だ。
スペックは基本的にクーペのアマルフィと同様となる。具体的に異なる点は、全高が4mm高い1305mm、車重が86kg重い1556kg、前後重量配分が前後50対50から48対52となり、ソフトトップがある分だけラゲッジ容量が273Lから255L(ルーフクローズ時)へと減っているくらい。
他も0-100km/hは同じ3.3秒だが、0-200km/hが9.0秒から9.4秒に低下……というように、重量以外はほぼ誤差の範囲だ。
エンツォがこよなく愛したオペラ
午前中に都内のホテルで開催されたお披露目イベントは、世界的オペラ歌手である中丸三千繪さんと樋口達哉さんによる歌唱から始まった。
背景のモニターには南イタリアにある海岸都市『アマルフィ』の美しい映像が流れ、一気にその世界に引き込まれる。中丸さんはイタリアでエンツォ・フェラーリと同じコメンダトーレ(勲章)を授与されていて、また、エンツォがオペラをこよなく愛し、ルチアーノ・パバロッティとも親交があったというエピソードもアナウンスされ、納得の演出となった。

お披露目は世界的オペラ歌手、中丸三千繪さんと樋口達哉さんによる歌唱から始まった。 上野和秀
その後は、フェラーリ・ジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロさんによる挨拶、イタリア本国から来日したプロダクトマーケティングマネージャーのマッティア・メッジョリンさんによるプレゼンテーションと続き、いよいよ実車のアンベール。
ふたたび中丸さんが登壇し、プッチーニ作曲、ジャンニ・スキッキより『オ・ミオ・バッビーノ・カーロ(私のお父さん)』を歌唱したのは、まさに圧巻の光景だった。
今回、それぞれのコメントを通じて感じたのは、非日常的なパフォーマンスの高さと、日常にあるラグジュアリーライフの両立だ。
プレゼンテーションで画面に映し出された要素は、最高出力640ps、0-100km/h加速3.3秒、開閉時間13.5秒&60km/hまで可能、5層になるソフトトップの快適性、そしてクローズ時の荷室容量255Lでふたり分のスーツケースを収納可能という部分のみ。
口頭での技術的解説はもちろんあったが最低限といった印象で、それよりはデザインも含めたラグジュアリーな雰囲気や、実用性も兼ね備えていることを強調しているように感じた。
ボディカラーはアマルフィ海岸の色調をイメージ
お披露目されたアマルフィ・スパイダーのボディカラーは、アマルフィ海岸の色調をイメージされたという『ヴェルデ・コスティエラ』。今回はオレンジに近い印象の『ロッソ・トラモント』と合わせた2色が、3月12日にローンチカラーとして公開されている。
実車はいかにもラグジュアリーな海岸リゾートが似合う鮮やかな印象で、よく見ると、ソフトトップもヴェルデ(緑)になっている。しかも同じ素材がシートバック、センターコンソール、ドアのインナーパネルにも使用されており、そのセンスの高さに圧倒された。

緑のソフトトップと同じ素材をシートバックなどにも使用しコーディネート。 上野和秀
ちなみにこうしたコーディネートはローマ・スパイダーの時から試みているが、アマルフィ・スパイダーではその使用範囲を拡大したそうだ。
さて、今回の本国発表から2週間も経たないうちの日本初公開は、いかにも早いタイミングと言える。トランプ関税に苦しむアメリカ市場、不況が伝わる中国市場、戦争の起きてしまった中東市場を横目に見つつ、日本市場へ期待値の高さを表している。もちろん、週末にF1日本GP開催を控えており、その関連イベントに合わせたという側面もあるだろう。
円安という大きな課題を抱える日本市場
その一方で、日本市場は円安という大きな課題を抱える。発表会後に開催されたグループインタビューでロマニエッロさんに聞いたところ、2021年から2025年にかけてフェラーリの日本価格は約24%上昇したが、それでも現在の為替レートで換算するとまだ欧州での価格より低いという。
しかし、価格にその全てを転嫁することは現実的ではないとロマニエッロさん。そして例え話として、不動産や株価の上昇比率と比べるとフェラーリの日本価格上昇は低く、「フェラーリ・ジャパンは頑張っているほうだ」とその胸の内を明かした。

グループインタビューでメディアの質問に答えるドナート・ロマニエッロ社長。 平井大介
その上で、フェラーリ・アマルフィ・スパイダーの価格4061万円をどう判断するかはカスタマー次第となるが、少なくともイタリアらしい演出が溢れる会場で、筆者が実車に魅せらたことは事実。まずは、外の光を浴びている姿と対面する日を心待ちにすることとしよう。
フェラーリ・アマルフィ・スパイダーのスペック
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー
[ ]内はアマルフィ
●パワートレイン
タイプ:90度V型8気筒ツインターボ
総排気量:3855cc
ボア×ストローク:86.5×82mm
最高出力:640ps/7500rpm*
最大トルク:760Nm/3000-5750rpm
最高回転数:7600rpm
圧縮比:9.4:1
比出力:166ps/L
●サイズ&重量
全長×全幅×全高:4660×1974×1305[1301]mm
ホイールベース:2670mm
トレッド:フロント1652mm リア1679mm
乾燥重量:1556[1470]kg*
重量配分:フロント48[50]% リア[50]52%
燃料タンク容量:80L
トランク容量:255L(ルーフクローズ時)/172L(ループオープン時)[273L]
●タイヤ&ホイール:フロント245/35R20&8.0J リア285/35R20&10.0J
●ブレーキ:フロント390×223×34mm リア360×233×32mm
●トランスミッション&ギアボックス:8 速デュアルクラッチF1 DCT
●電子制御:EPS/VDC/ABS with EBD/F1-TCS/E-Diff3/SSC6.1/FDE 2.0/SCM-E Frs/ABS Evo(マネッティーノの全ポジションで稼働)
●パフォーマンス
最高速度:320km/h
0-100km/h:3.3秒
0-200km/h:9.4[9.0]秒
乾燥パワーウェイトレシオ:2.42kg/ps*
100-0km/h:30.8m
200-0km/h:119.5m
●燃料消費量:ホモロゲーション取得申請中[11.2L/100km]
●CO2排出量:ホモロゲーション取得申請中[254g/km]
*オプション装備車

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー 上野和秀
