ワークマン史上No.1ヒットのアウター「Xシェルターシリーズ」の新作開発を取材 日赤災害救護研究所と挑む“災害関連死ゼロ”への秘策:ガイアの夜明け

3月13日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「災害“関連死”を防げ!」。
大地震が繰り返される「地震列島ニッポン」。15年前の東日本大震災、10年前の熊本地震、そして2年前の能登半島地震…そこで繰り返されてきたのは、せっかく助かった命が避難生活などの中で失われる「災害関連死」だ。
能登半島地震では、地震の直接の影響で亡くなった方が228人に対し、実に490人が関連死で亡くなった(2026年2月時点)。
どうすれば、災害関連死を防ぐことができるのか――。誰もが人ごとではいられない防災の最前線を見つめる。
「寒くて寝られない!」体育館の避難生活を「快適」に過ごす方法とは?

2011年3月11日に発生した東日本大震災。2万人近い人が犠牲になり、その中の3810人が災害関連死。地震や津波による直接死は免れたものの、その後の避難生活などで命を失った。
発生から10年、熊本地震の死者数に占める災害関連死の割合は8割を超えた。2024年の能登半島地震でも、災害関連死は7割近くに上っている。

災害関連死の原因の一つとされるのが避難所の環境で、その改善に長年取り組んでいるのが、日本赤十字 北海道看護大学の根本昌宏教授だ。
「関連死はあってはならない。その災害で生き残り、本来もっと長生きするであろう人が亡くなっている」。

1月17日、北海道・北見市。真冬の最低気温がマイナス20℃に達するこの地で、“もし今、災害が起きたらどうなるのか…”。それをリアルに体験する「厳冬期災害演習」が開催された。
体育館で指揮するのは根本さんで、16年前からこの演習を主催。災害の度に問題となる関連死を防ぐため、避難所の環境改善を訴えてきた。
演習に参加するのは、自治体の防災担当者など124名。冬の避難所の環境を知り、各自治体の防災に役立ててもらうのが狙いだ。
極寒の地で大規模地震が発生し、電気・ガス・水道が断絶した設定。参加者はその環境で生活し、改善点を探る。

体育館の床にブルーシートを広げ、まずは「毛布1枚で寒さとどう向き合うのか」を考える。こちらの6人組は全員の毛布6枚のうち4枚を床に敷き、身を寄せ合って座り、残りの毛布を膝にかけて寒さをしのぐ作戦。しかし、足はあぐらをかかないとコンパクトにならないため、眠れない状態に…。
配られた毛布一枚と持参した寝袋を使って横になった参加者も、「絶対に寝られない。下に敷かないと寒い。ブルーシート自体が冷えている」と話す。
サーモカメラで見てみると、この時のブルーシートの温度は3.8℃。横になれば、あっという間に体温が奪われてしまう。
日本では、今でも発災直後の避難所で雑魚寝する姿を目にするが、根本さんはこの現状が“被災者の健康を脅かす”ということを参加者に知ってほしかった。

次は、避難所に欠かせないトイレの設置や使い方に関する演習。断水中は水洗トイレとして使えないため、便座の下に受け皿としてバッグをセット。その上にポリ袋を被せ、用を足したら自分で廃棄する。
「避難所生活は、トイレに始まりトイレに終わる」(根本さん)。
トイレが不便だと、人は排せつを我慢しようとするため、水分の摂取も控えがちに。
すると脱水症状に陥り、心筋梗塞や脳梗塞などの災害関連疾患につながる恐れがある。
「排せつを我慢することが、どれだけ健康をむしばむのかを考えるべき。あっという間に関連死に巻き込まれる」(根本さん)。

演習は1泊2日で行われ、参加者たちは実際に避難所で眠る。床に雑魚寝はせず、まずはみんなで段ボールベッドをつくる。小さな段ボール箱をつくり、その箱を大きな段ボール箱に入れていく。それを6セット組み立てて天板を置き、マットレスを敷くと段ボールベッドの完成。1台用意するのに、約5分かかった。

次に試したのは折りたたみ式の「スチールベッド」。使用時のサイズは段ボールベッドとほぼ同等。フレームを広げるだけの手軽さで、設置時間は1台約30秒。しかも、今回使用した製品の場合、値段は段ボールベッドの半分以下で、スチールベッドを導入すれば、避難所設営のコストや手間を大幅に軽減できる。

さらにベッドの上に一人用のテントを設置すれば、風を遮るほか、人の体温を逃さず、テントの中を約5℃高くできるという。
“災害時に我慢するのは当たり前”。根本さんはそんな常識を打ち破ることで、災害関連死を防ごうとしている。
あのワークマンが日赤災害救護研究所と共同開発する「着る断熱材」とは?

一方、北海道・北見市にある日本赤十字 北海道看護大学。この日、作業服大手「ワークマン」は、構内にたくさんの商品を持ち込んだ。
2023年7月、ワークマンは日本赤十字看護大学付属 災害救護研究所と連携協定を締結。
平時は普段着として、有事の際は防災服として活用できるウェアを開発してきた。

両者のコラボによって生まれたのが、「Xシェルター」シリーズ。2024年9月に発売して以来、販売数は累計170万着を超える大ヒットに。

外気の温度を中には伝えない構造で、“着る断熱材”とアピール。“発熱する綿”と “独自の断熱シート(通常のガラス5枚分に相当)”を組み合わせた世界初の技術で、外気温がマイナス10℃までなら、服の中の温度を30℃前後に保つことができる。
売り上げ、販売数ともにワークマン史上ナンバーワンのアウターだ。

現在、ワークマン 製品開発部長の柏田大輔さん(51)たちは、部屋着としても使える新モデルを開発中。外気温がマイナス30℃の環境でも、服の中を30℃前後に保つ商品を目指している。
加えて、断熱性をさらに高めた新素材で最大8割の軽量化を実現し、利用シーンを増やすことも目指している。
柏田さんたちは新モデルの試作品を着用し、屋外に出て検証。マイナス15℃の極寒の中、30分立ち尽くすが、果たして、服の中の温度は? さらにこの新モデルに、ワークマンが初めて導入する“驚きの機能”が――。
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