特殊清掃業者が見た“閉店したケーキ屋”の惨状「数千匹の害虫が…」冷蔵庫の中の乳製品からは“ものすごい異臭”
◆特殊清掃というよりも害虫駆除
依頼主からの要望で、周りに目立たないようにしてほしいと言われた。
「放置しすぎていて、現場が酷い状況になっていることがわかってたんですよね。長い間営業してたお店なので、周りの人に知られてしまうと、よからぬ噂がたってしまうことを懸念したようです。路面店だったので、シャッターを開けたら、中の悲惨な状況が見えてしまうんですよ。あと、店内の害虫を外に逃がしてしまうと、二次被害、三次被害まで拡大するので。そうならないために虫の動きなどを予測しながらやらなくてはならないので、かなり頭を使う現場でした」
「飲食店というのは家とは違い、少しの間でも放置してしまうと、個人の力では復旧できないほどになります。ネズミの縄張りみたいな感じになってしまっていて、家族みたいなのが住み着いていました。奴らの駆除もかなり苦労しました。やっていることは特殊清掃というより、害虫駆除業者でした。一応、我々の仕事には『ペストコントロール』という有害な生物の活動を人の生活を害さないレベルまで制御する理念があります。なので、害虫駆除も仕事には組み込まれてはいます」
また今回は乳製品ということで、腐るスピードも早く、被害が増えたこともあった。
「原因は不明ですが、ブレーカーが落ちてしまっていて、冷蔵庫も機能してなかったんです。なので、中の乳製品が腐って、ものすごい異臭を放っていました。そういうことも今回の被害の大きさに繋がっていると思います。店主一人だけで営業していたので、体調面とか誰かに相談とかできなかったんでしょうね。こういうときに一緒に働く従業員というのは大事なんだなと実感させられます。何事も一人で抱え込まないというのが、被害を最小限にするために大切な考え方なのだと思います」
◆インドカレー屋はスパイスの匂いが落ちない
今回のケーキ屋は清掃のみで済んだが、インドカレー屋のケースだと、清掃にかなり手間がかかるそうだ。
「インドカレー屋を営業してた人が夜逃げしたということで、残地物の撤去と消臭の作業をしたことがあります。カレーのスパイスの匂いって強烈なので、普段使っているような消臭剤が効かないんです。空間に染み付きすぎているので、ぜんぶ解体してスケルトンまで戻さなきゃならない現場になってしまいました」
その結果、かなり費用がかさんでしまったと話す。
「いまだに、匂いだけを完全に除去する技術が完成されておらず、試行錯誤中ということもあります。現状、臭い除去については、お客様のためにもなるべく手間と費用がかからない技術を伸ばしていってる最中です」
<取材・文/山崎尚哉、画像提供/ブルークリーン>
【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦

