日本維新の会との連立合意文書に明記したインテリジェンス機能強化のための国家情報局の創設や、スパイ防止法制定、安保3文書の前倒し改定などだ。自衛隊の明記といった憲法改正に向けた議論も加速させる構えだ。

 高市は「決して右傾化などではなく、普通の国になるだけだ」とするが、共産党委員長の田村智子は「戦いはここからだと思っている。決して国民は高市首相に白紙委任状を渡したわけではない」と対決姿勢を鮮明にしている。

 それだけに、国民の理解を広げるためには丁寧な議論の積み重ねと、それを国民に伝える発信が欠かせない。自民党幹事長の鈴木俊一は「謙虚な姿勢で臨んでいきたい。野党の方々の意見にも、しっかり耳を傾けてやっていく。決して数を頼みに強引に物事を前に進めようという姿勢はとらない」と語る。

 また、自民党内には「ここまで自民党が勝つとは想像しなかった。『高市1強』体制ができあがったが、党内にはいろいろな意見を持つ人がいる。いかに結束できるかが大切」(若手)という声もあり、政策実現に向けて巨大与党をどう束ねていく手腕も問われることになる。


若者へのメッセージ

 いずれにせよ、「政権選択」選挙で圧勝した高市。「日本列島を強く、豊かに」をスローガンに掲げ、「大きな政策転換を進める道を一緒に進んでいこう」と訴える姿が、閉塞感を打ち破れる、何かが変わるという期待と共に若者たちの共感を得たといえる。

 高市は2月9日の記者会見で「未来は与えられるものではない。私たち一人ひとりが絶えず挑戦を続けることで、つくり上げていくものだ。これからも高市政権の未来への挑戦に対して、ご支援とご理解をお願いする」と強調し、こう訴えた。

「22世紀の日本が安全で豊かであるように。インド太平洋の輝く灯台となって、自由と民主主義の国として仰ぎ見られる、頼りにされる日本であるように。若者たちがこの国に生まれたことに誇りを感じ、未来は明るいと自信を持って言える、そうした日本を作り上げ、未来の世代へと引き渡していく」

 この日の記者会見では「未来」という言葉を8回も繰り返しており、若者たちへのメッセージでもあった。若者の期待を裏切らないためにも、情熱と覚悟をもって日本のかじ取りを行うことが不可欠となる。(敬称略)

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