キャデラックの新型車名はなぜ「MAC-26」なのか? 30年以上も前に残されたF1に対する“リベンジ”の執念

今季から新規参入するキャデラック(C)Getty Images
今季から11番目の新規チームとしてF1に参入する「キャデラック」は、今季型車の型式名を「MAC-26」で登録すると公式に発表した。プレシーズンテストを通じてF1チームで唯一、新車の名称を秘していたが、MACとは「マリオ・アンドレッティ・キャデラック」の略であることを明かした。チームの立ち上げに尽力した1978年のF1王者であるマリオ・アンドレッティ氏(米国)へ敬意を表し、米国籍チームとして旗印をさらに鮮明にした形となった。
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同チームのダン・トーリスCEOは「我々の最初の車体を『MAC-26』と名付けたのは、マリオがF1に持ち込んだスピリットと米国のチームがこの舞台にふさわしいという信念を反映している。彼の物語はアメリカンドリームを体現しており、私たちが日々このチームを構築する上での取り組み方に影響を与えている」とコメントした。
キャデラックは紆余曲折を経て誕生したチームだ。当初はマリオ氏を父に持つマイケル・アンドレッティ氏が率いる「アンドレッティグローバル」がF1参入に名乗りを上げ、エントリー申請を行ったが、2024年1月にまさかの却下の裁定が下された。
その事態に対応すべく、提携していた米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のブランドに特化し、ワークスチームに体制を刷新。マイケル氏はチーム経営から退いたが、マリオ氏だけはアンバサダーの位置付けで、取締役会の一員として残り、新規チームとしての参入が晴れて認められた。
参戦初年度はフェラーリのパワーユニット(PU)を搭載するものの、2年後の2028年からは自社製PUに変更。車体、PUをともに自社開発するGMのワークスチームとなる。
マイケル氏は不遇のF1生活を過ごした。米CART(現インディカー)のシリーズ王者として1993年に鳴り物入りでF1デビューを果たし、アイルトン・セナともコンビを組んだが、開幕から4戦連続でリタイアするなど苦戦続き。
F1の水になじめなかったのか。終盤のイタリアGPで初表彰台の3位を獲得したのを最後に3戦を残し、シリーズから撤退した。関係者の間では、その時のアレルギーが現在も「F1村」に残っているとの指摘もある。
「MAC」は「マリオ・アンドレッティ・キャデラック」の略と公式に喧伝しているものの、実はマイケル氏も同じイニシャル。裏読みすれば「マイケル・アンドレッティ・キャデラック」にもなる。30年以上の歳月を経てF1でリベンジしたいという意地が車体名に反映しているのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
