Juice=Juice 段原瑠々が語る変化の1年 「盛れ!ミ・アモーレ」のバズを経て――リーダーとして向き合う、今
2025年は、Juice=Juiceにとって変化の1年だった。新メンバーとして林仁愛が加入し、勢いを増したグループは、運命の1曲「盛れ!ミ・アモーレ」との出会いにより、SNSを中心にバズを巻き起こし知名度が大きく向上。『THE FIRST TAKE』への出演も叶え、結成13年目にして、Juice=Juiceは新たな局面を迎えている。
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メンバーはそんな1年をどのように捉え、今、何を考えているのか。その率直な想いに迫るべく、リアルサウンドでは、グループのリーダーである段原瑠々へのインタビューを企画。2025年のさまざまなトピックを、リーダーとしての視点も交えながら振り返ってもらった。(編集部)
■リーダーとして大切にしている意識
――リーダーへの就任から約1年半ほど経ちましたが、グループの雰囲気はいかがですか?
段原瑠々(以下、段原):メンバーがどんどん成長しているのを肌で感じていて。「私が引っ張らなきゃ」とか「リーダーらしくまとめていこう」とか、そういう気持ちはどんどん薄れているかもしれないです。みんながすごく頼もしいし、のびのびやってくれているので。必要なタイミングでは引き締めていますけど、それぞれが考えて行動している今がすごく素敵なので、見守るスタイルでやっています。
――そのスタイルは、だんだんと確立していったものなんですか?
段原:最初は「自分がちゃんとしないと」っていう気持ちがすごく強くて。力の入れすぎで空回っていた部分もあったのかなと、今では思います。半年くらいしてから、メンバーのスキル、実力にすごく助けられていることに気づいたんです。ライブ中も「みんな歌上手いな、かっこいいな」って普通に思うので(笑)。そんなメンバーたちを見て、ちょっと肩の荷がおりたというか。「私ももっと自由にやっていいんだな」って思いました。今がいちばん気張っていない感じがします。
――これまでJuice=Juiceには3人のリーダーがいましたが、どなたとも違うスタイルに思えます。
段原:確かにそうですね。でも、先輩にやってもらって嬉しかったこととか、かけてもらって嬉しかった言葉とかは、自分もメンバーに与えられたらいいなと思っています。今まで先輩にしてもらった分を後輩に返していく、そんな感覚がありますね。
――先輩からもらった言葉で印象的なものはありますか?
段原:初代リーダーの宮崎由加さんが、「今のJuice=Juiceも最強だ」って言ってくれて。私がグループにとって初めての新メンバーだったので、リーダーがそう言ってくれたことがすごく嬉しかったんです。「私もJuice=Juiceの一員なんだ」ってちゃんと思えたというか。「今のJuice=Juiceも最強」ということを体現し続けられたらいいな、という思いはずっと根源にあります。
――段原さんは最年少からサブリーダー、リーダーまですべてを経験しているので、だからこそ見えるものもあると思います。
段原:あるかもしれないですね。私は“思ったときにすぐ伝える”ということを意識していて。言うべきことを決め込んで伝えるのではなく、その瞬間に伝えることが大切だと思っています。関連して、分からないことを分からないままにしないということもメンバーに伝えています。これができれば、メンバー同士のコミュニケーションも増えていくと思うんです。最近では、リーダーやサブリーダーではないメンバーも率先して後輩の面倒を見てくれたりとか。「ありがたいな」と思いながら、その様子を眺めています(笑)。
――何かを伝えるとき、“伝え方”も本当に大切ですよね。
段原:すごく気をつけていますね。私は褒めることを意識しています。何かを注意しなければいけないときでも、「でも、ここは素敵だったよ」というふうに良かったところを付け加えて提示してみたりとか。そうすると自信がついて、自分で考え出したり、「こう歌ったほうがいいですか?」って相談してくれたりするので。素敵だと思ったところは、伝えるようにしています。
――後輩が相談してくれたり、イジってくれたりするのって嬉しいですよね。
段原:最近、私の歌い方の“誇張モノマネ”をされるんですよ(笑)。でも、そういうことも全然やってほしいなって思います。
――昨年12月31日と翌日1月1日にブログを更新されていて、未来のことについて綴っている文章のなかで、どちらのブログにも「明確に」という言葉があったんです(※1、2)。なんとなくのイメージではなく、目標を具体的に定めるということを、リーダーとして意識されているのでしょうか?
段原:言われてみれば、確かにそうかもしれないです。昨年3月ごろに私の発案で、メンバーみんなで今後のJuice=Juiceについて話し合う時間を設けたんです。ちゃんと話し合うのは、現体制になってからは初めてのことで、「こういうことをやりたい」とか「このステージに立ちたい」とか大きな目標についてだけじゃなく、「挨拶をちゃんとする」みたいな初歩的な礼儀の部分まで、確認もかねていろいろと意見を出し合ったんです。「あのステージに立ちたいなら、今こういうことをしなければいけない」という今後のステップをみんなで共有して、今一度みんなの意識を統一しておきたいなと思って。すごくいい時間になりました。
実際に2025年の後半には、目標が叶っていく瞬間もたくさんあったので、メンバーで目標を決めたからこそ、それを全員で喜べることが嬉しかったです。「みんなで叶えたね」っていう実感がありました。ちゃんと目標を決める、目標を明確にすることの良さはすごく感じたので、今年も継続してやっていけたらなって思います。
――グループにとって大切な時間になったんですね。
段原:後輩メンバーは、普段ちょっと「ん?」と思っても言い出しづらいこともあると思うんです。でも、この会を機に言いやすい雰囲気を作ることができて、普段からもそんな話ができるようになりました。
――メンバーが変わっていくことで、時代ごとにグループの雰囲気も変わっていくと思いますが、それでも変わらない“Juice=Juiceらしさ”のようなものもある気がします。
段原:やっぱり歴代のメンバーさんに学んでここまで来たと思っているので。基盤というか、Juice=Juiceのいちばん中心にあるものというのは、これからも大切にしたいと思います。なんか、どの時代のJuice=Juiceとも繋がっている感覚があるんですよね。長く在籍している身だと、それがすごく嬉しいんです。今そう思えるのはメンバーたちのおかげだし、本当に感謝しています。
――“今のJuice=Juiceらしさ”を具体的に言葉にすることってできますか?
段原:今のJuice=Juiceは、“情熱”がすごく似合うグループだなと思っていて。昨年秋のコンサートツアーの日本武道館公演(『Juice=Juice Concert 2025 Queen of Hearts Special Flush』)では、炎を使った演出が多くて、スタッフさんから見ても炎が似合う、情熱的なパフォーマンスをするグループだと思ってくださっているんだろうなと感じました。まさに「盛れ!ミ・アモーレ」もそんな楽曲なので、今のメンバーにすごくフィットしたからこそ、いろんな方に届いたんだろうなと思っています。
■「盛れ!ミ・アモーレ」に宿るJuice=Juiceらしさ
――やはり昨年いちばんのトピックといえば、「盛れ!ミ・アモーレ」のヒットですよね。多くの人に届いていることを実感したのは、どんなタイミングだったんですか?
段原:TikTokにあげたリレー形式で撮った映像が一晩で100万回再生されていたときに「なんか違うぞ」って感じましたね。「桁を数え間違えたかな?」ってくらいびっくりしました。後輩グループが歌ってくれたり、最初はハロプロ(ハロー!プロジェクト)ファンの方のあいだでの盛り上がりだったのが、どんどん外に広がっていきました。
――本作収録のシングルは、2019年リリースの12thシングル『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?/25歳永遠説』以来のゴールドディスク獲得にもなりました。
段原:「ひとそれ」(「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」)も「盛れミ」(「盛れ!ミ・アモーレ」)も山崎あおいさんの曲(作詞曲を担当)なので、やっぱりあおいさんはすごいなって思いました。あおいさんに見えているJuice=Juiceが曲として表現されている気がするし、その時のメンバーに合う曲を書いてくださっているんだなって。だからあおいさん、これからもよろしくお願いします(笑)。
――(笑)。パフォーマンスをされていても、今のグループの魅力が最大限に発揮されていると感じますか?
段原:感じますね。歌い出しが、(工藤)由愛ちゃんと(有澤)一華から始まるんですけど、あの高音がインパクトがあっていいなって思います。情熱的でかっこいい歌声のメンバーが多いなかで、(川嶋)美楓のパートのキラッとしたかわいらしさもすごく映えるし。メンバーそれぞれの声の力が活かされるパートをいただけているなって思いますね。
――YouTubeのコメント欄でも「『盛れミ』から来ました」というような声がいろいろな動画についています。
段原:以前は“「ひとそれ」新規”っていう言葉があって。当時も「新しい方に届いているな」っていう雰囲気があったんですけど、今はもっとたくさんの人に届いている実感がありますね。昔ファンだった方が「今のJuice=Juiceも見てみたい」って出戻りしてくれていたりもするみたいで、嬉しいですね。
――「そのままの自分でいいんだよ」というような時代の空気があるなかで、〈ありのままなんて/愛させたげない〉というフレーズは強烈で、Juice=Juiceらしさ、ひいてはハロプロらしさを感じました。
段原:確かにそうですね。Juice=Juiceは、“女性らしさのなかの強さ”を表現することが得意だと思っていて。歌詞にも共感していただくことが多いんですが、それは歌詞を届けられるような歌が歌えているってことなんですよね。これからも女性が憧れる強い女性という面は、パフォーマンスを通しても表現していきたいと考えています。ファンの方たちってライブに戦いに来ているというか、私たちが戦(いくさ)を挑まれているように感じるんですよね。「Juice=Juiceのファンは声がでかい」ってよく言っていただくんですけど、魂のぶつかり合いみたいなことができるのが、グループの魅力だと思っています。
――昨年は『THE FIRST TAKE』にも出演しましたね。
段原:ずっと出たかったですし、Juice=Juiceに向いていると思っていました。先ほどお話しした話し合いの会でも目標に挙がっていたので、本当に嬉しかったです。メンバー全員がいるときに出演決定のお知らせを受けたんですが、こういう嬉しい発表ごとがあったときって、後輩たちが私の顔を見るんですよ。「段原さんが言っていたことが叶いますね」みたいな(笑)。もちろんみんなで叶えた夢なんですけど、後輩たちの「段原さんのおかげで」みたいな嬉しい目線が感じられて、かわいいなって思います。
Juice=Juice - 盛れ!ミ・アモーレ / THE FIRST TAKE
――当日はどんな意気込みで臨みましたか?
段原:ハモリを新しく考えたり、普段のパフォーマンスとは違う部分もあったんですけど、事前練習がほとんどできなかったので、まさにファーストテイクっていう雰囲気でしたね。すごい緊張感でしたけど、集中力も研ぎ澄まされていて、みんなもう「やるぞ!」っていうヒリヒリした感覚がありました。
――パフォーマンス中のことも覚えていますか?
段原:「楽しいな」って思いながら、メンバーを眺めていました。みんなで『THE FIRST TAKE』に出ているっていう実感がとんでもなく嬉しくて、緊張よりも嬉しさが勝っていましたね。スタッフの方々のプロの仕事もたくさん見させていただいて、それでビシッと引き締まる感じもありました。反響もたくさんいただいたので、また出演したいです。
■激動のアイドルシーン――Juice=Juiceの立ち位置とは
――新たな代表曲ができたことはとても大きいですよね。
段原:『COUNTDOWN JAPAN 25/26』で披露させていただいたんですが、すごく盛り上がりましたね。(昨年の)10月に初めてバンド編成でライブ(『Juice=Juiceスペシャルライブ2025 ~10月10日はJuice=Juiceの日~』)をさせていただいたんですけど、『COUNTDOWN JAPAN 25/26』でもそのバンドを引き連れてパフォーマンスをしたんです。
――もしかして、バンド編成でのライブも……。
段原:目標のひとつにありました。2025年後半は、すごい勢いで目標が叶っていきましたね(笑)。
――バンド編成を目標にしていたということは、そうすることでJuice=Juiceの良さがもっと出るという予感があったんですか?
段原:ありましたね。ライブでもちょっとアレンジを入れる子がいたり、本番で120%の力を出せるメンバーが多いなって思っていたんです。音源だけの場合と違って、バンドだとライブの雰囲気で音も乗ってくるので、その熱が相乗効果でどんどん盛り上がっていくんじゃないかなって。当日もメンバーが遊び出すと、バンドさんたちもちょっと遊び出したり。ライブの楽しさが更新されたし、あらためて「ライブってこうだよな」って思いました。
――それを観てまたファンの方もヒートアップして。
段原:そうですそうです。戦いを仕掛けてくるので(笑)。
――(笑)。変化といえば、昨年は林仁愛さんの加入もありました。
段原:仁愛は、年齢でいうと私の10個下なんですよ。もう積んでるエンジンが違うなって(笑)。休まないし、ずっと喋ってるんですよ。先日、仁愛の地元の愛知県でハロプロ全体のコンサートがあったんですけど、メンバーに会うのが1週間ぶりくらいだったんですね。もうすっごく嬉しそうで、いろんなメンバーに絡みにいって、ほかのグループの先輩にも全然物怖じしないんです。背も高いしスラッとしているので、ステージにいるときは大人っぽく見えるんですけど、もう無邪気な子どもみたいな感じ(笑)。そんな後輩は今までいなかったので、それぐらいグイグイ来てくれると逆にありがたいんですよね。これからも遠慮せずに来てほしいです。
――そんな強力な新メンバーも加わり、グループの雰囲気はどんな感じですか。
段原:パフォーマンスについて、すごく話すようになったなと思いますね。リハーサル中も気になったところは言うし、なかなか言い出せなくて一人でモヤモヤする人もあんまりいなくて。みんなで話しながら、先輩/後輩関係なく注意し合えたりとか、そういう関係はすごく素敵だなって。もちろん、それぞれにリスペクトはあるので、すごくバランスが取れている印象ですね。
――とてもいいモチベーションで活動できているのが伝わってきます。アイドルシーンや音楽シーンにおける今のJuice=Juiceの立ち位置は、どう考えていますか?
段原:ほかにはあまりいないグループだと思いますね。キラキラとしたかわいいアイドルらしさも持っていながら、女性の強さや弱さを繊細に表現できるグループってなかなかいないんじゃないかなって。「盛れミ」のような情熱的な楽曲が注目されがちなんですけど、そうじゃない素敵な曲もいっぱいあるので。
――FRUITS ZIPPERなどが所属するKAWAII LAB.であったり、K-POPシーンも日本国内に進出したりして、多くのアイドルグループが台頭していますが、焦りのようなものを感じることはあったりしますか?
段原:今は全然ないですね。すごく楽しくやってます。
――素晴らしいですね。それでは、グループとして掲げている今後の具体的な目標を教えてください。
段原:『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』のいちばん大きいステージに立つことです。あと、私が個人的に立ってみたい会場がKアリーナ横浜で。音楽用に作られたアリーナというのがすごく魅力的だと思っています。やっぱり私たちは音楽を届けたいので、みんなが観やすくて、聴きやすい会場でパフォーマンスをしてみたいです。まずはすでに決まっているぴあアリーナMM公演(5月27日開催『Juice=Juice LIVE TOUR 2026 UP TO 11』ファイナル公演)を成功させて、次に繋げたいですね。
――より大きなステージに繋げていくには、さらにファンを増やしていく必要がありますが、いよいよハロプロ楽曲のサブスク解禁が始まりました。
段原:私もハロプロが大好きで入っているので、本当に嬉しいです。先に℃-uteさんやBerryz工房さんの楽曲は配信されていて、自分でオリジナルのハロプロプレイリストを作っているんですけど、新しい曲たちも入れられるのが楽しみです。
――最後に春ツアー『Juice=Juice LIVE TOUR 2026 UP TO 11』への意気込みを教えてください。
段原:今回は『UP TO 11』というツアータイトルなんですけど、“10”までしかないメモリが“11”までいくように、11人で限界を超えるという意味になっています。今回もいろいろと練って演出を考えてくださっているので、私たちも準備をするのがすごく楽しみです。さまざまな規模の会場に行くので、いろんな距離感でその時々の楽しみ方ができたらいいなと思っています。私たちのライブに初めて来てくださる方もたくさんいらっしゃるかなと思うので、「これが今のJuice=Juiceですよ」というのを伝える、自己紹介的なライブにできたらいいですよね。初めての方に分かりやすく伝えつつ、いつも応援してくださっているJuice=Juiceファミリーももちろん楽しめるようなセットリストを作っていますので、お待ちしております!
※1:https://ameblo.jp/juicejuice-official/entry-12951905382.html※2:https://ameblo.jp/juicejuice-official/entry-12952027175.html
(文・取材=伊藤聡志)
