マグニチュード7.6の大地震は輪島市などで震度7、金沢市内でも震度5強を記録し、その揺れは1〜2分に渡って続いた(福田氏談)。火災警報器や非常ボタンに対して、地震に対する警報器は設置していない建物や家屋も多く、能登地域では特に設置例が少ないという。加えて、火災警報器が発報しても、建物自体が倒壊してしまっては逃げ出すことすらできない。一般的な建物内設備で対応できる範囲を、はるかに超える地震だったのだ。

「取引先の会社も、3階建ての本社ビルが基礎から根こそぎ倒れて、横にあった居酒屋を押し潰してしまったんです。そこで2人が亡くなられましたし、私の知り合いや友人にも何人か亡くなった人がいます」

能登半島地震では地震以外に津波の被害も深刻だったほか、2024年9月には豪雨による水害も発生した。福田氏はその後も七尾市・和倉温泉の復興など、能登地域での様々なボランティアや支援活動に携わっている。

「長い時間がかかっていますけども、これからが復興に向けた勝負かな、と感じています。まだ5年から10年は必要でしょうね。今後の防災に向けては、例えば非常時の町内スピーカーを増やしたりラジオを有効活用するなど、年齢や住居を問わず全ての人がすぐに災害警報を認識できる環境が必要です。非常ボタンなどによる建物単位の防災と、地域単位での防災が上手に組み合わさった、安全で新しい街を創っていきたいですね」

地震にせよ火災にせよ、私たちはいつ、どこで非常ボタンや安全装置の助けを借りることになるか分からない。建物や地域を訪れる側も、作る側も、今後いっそうの安全意識強化が欠かせないのだ。

<取材・文/デヤブロウ>

【デヤブロウ】
東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2〜3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草〜上野近辺、池袋周辺、中野〜高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw