『維新』吉村洋文代表がアノ手この手で実現したい「大阪都構想」 頼みの綱は“高市旋風”

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維新議員の“国保逃れ”

高市旋風吹き荒れた衆院選から2週間あまりが経過した。

衆院で316議席まで膨れ上がった自民党の影響力は絶大で、もはや“自民か、それ以外か”という状況だ。

そんななか、フワッと浮いたようなポジションにいるのが、自民と連立を組む日本維新の会だ。

先の衆院選では公示前の34議席から36議席にアップ。及第点といったところだが、自民党が衆院で単独過半数をゆうに超えている以上、“女房役”である維新の発信力には限界がある。

一部では衆院選を機に

「維新は用済み。切られるのではないか?」

といった憶測も駆け巡ったが、幸い、高市早苗首相(64)は維新と今後も連立維持していくことを表明している。

「さすがに選挙で勝ったからといって維新を切るような無粋なマネはできませんよ。ただ、自民の大勝で維新の存在感が薄まってしまったのはたしかだろう」

とは政界関係者だ。

維新には宿願がある。3たびブチ上げた「大阪都構想」だ。

過去に2度、住民投票で信を問うたが、どちらも否決された。当時、吉村洋文氏(50)は会見で

「政治家として大阪都構想に挑戦することは二度とない」

と宣言。にもかかわらず、今回“三度目の正直”とばかりに実現に動いている。

大阪では衆院選投開票日に「大阪都構想」の再々チャレンジを掲げ、出直しダブル選が行われた。出馬したのは吉村氏と横山英幸大阪市長(44)。だが野党は

「茶番には付き合わない」

と候補者擁立を見送り、自民党も舞台には上がらなかった。結果、吉村氏と横山氏は再選を果たしたものの、白紙投票が1割超にのぼる異常な選挙結果にもなった。

「白紙投票は有権者の無言の抗議と考えていいでしょう。衆院選でも維新候補の演説会場で『都構想やめろ!』といったヤジが多く飛んでいました。維新議員の“国保逃れ”もあって、いつもの選挙戦とは違った。ある維新議員の秘書は『今まで街頭に立ってこんなに文句を言われたことはない』とショックを受けていました」(在阪テレビ局関係者)

衆院選後、維新では代表選を実施するかどうかの全議員投票が行われた。それに先立ち、吉村氏は代表選実施が多数となれば、自身への事実上の不信任だとして、辞任する考えを示していた。

大阪19区は自民党の谷川とむ氏に奪われ

結果は代表選に賛成が102票、反対619票で、吉村氏の“続投”が決まったが……。

「賛成票102票が吉村氏ら執行部への反対票という意味。独断で大阪都構想をぶち上げた執行部に対する怒りや、都構想自体に否定的な意見と見るのが妥当でしょうね」(同・在阪テレビ局関係者)

それでも都構想を前に進めるしかない維新。先日、吉村氏をめぐっては、大阪都構想が成立した暁には、それを手土産に国政挑戦を視野に入れていると報じられた。

これに同党創設者の一人である橋下徹氏(56)は1月29日放送の『旬感LIVE とれたてっ!』(フジテレビ系)に出演し

〈すべてはシナリオどおりらしい〉

とニヤリ。吉村氏を支える「大阪組」の維新議員は

〈まずは自民党を少数与党に追い込む。少数与党に追い込めば維新の価値が上がるから、そのときに『連立』をやる。連立をやって大臣を出す。(大阪都構想の)住民投票が終わった後に吉村さんが国政に行って、大臣を経験した維新をさらに広げていく〉

という青写真を描いていたと明かした。

これに対し政治評論家の有馬晴海氏は本サイトの取材に対し、

「吉村さんとしては、橋下さんや松井一郎(62)さんができなかった大阪都構想を、レガシーとして実現させたいという思いが強いのでしょう。ですが、大阪の空気感は必ずしも“GO”ではない。『2回否決したのにまだやるのか』という声が聞こえてくる。現時点で都構想実現は厳しいという見方がある」

と指摘する。

そこで登場するのが、高市首相だ。

衆院選の一大旋風は前述のとおり。大阪では自民党と維新で競合する選挙区もあり、今回維新は全19選挙区中18選挙区をかろうじてモノにした。しかし、それは高市首相が維新側に配慮し、自民党候補の応援のため大阪入りしなかったことも大きい。本サイトが取材した維新関係者によれば、

「大阪19区は自民党の谷川とむ氏に奪われ、9年ぶりに全勝神話が途切れた。大阪に高市首相が来ていたら……と考えるとゾッとしますよ。逆に言えば、高市首相が大阪都構想に乗っかってくれたら、流れが変わる可能性がある。維新の執行部は高市首相の担ぎ出しに必死になっている」

と明かす。

かねて高市首相は都構想に一定の理解があるという情報もある。維新の悲願は再びの“高市旋風”にかかっているのかもしれない――。