進化が止まらないKEENの「UNEEK」シリーズ。新作は2本のコードだけでパーツを固定
環境配慮を謳うプロダクトは、いまや珍しくない。でもKEEN(キーン)が、自らのブランドの象徴でもある「UNEEK」から接着剤をいっさい使わない新作「UNEEK 360(ユニーク スリーシックスティー)」(税込24,200円)を打ち出してきたとなれば話は変わる。
2本のコードデザインからなる、世界的にもアイコニックなモデルが、その個性をさらにアップデートさせて新登場。
ブランドアイコンを使ったKEENの構造改革
2014年に登場した「UNEEK」は、2本のコードと1枚のソールで構成されたオープンエアスニーカー。サンダルの軽快さとスニーカーの安定感を兼ね備えた、ブランドを象徴するモデルだ。あの「2本コード」は、単なるデザインではなく、構造そのものを語るアイコンでもあった。
その最新作「UNEEK 360」は、アイコニックな意匠を継承しながら中身を刷新。パーツをコードで固定するモジュラー設計を採用し、ブランド初の接着剤不使用を実現した。つまり溶剤ゼロ。分解可能な循環型設計である。
接着剤を使わない試みは、たとえばナイキの実験的なプロジェクトや、環境負荷低減を前面に出すオールバーズなどのブランドでも見られる。だが、それらが実験的ラインや思想主導のプロダクトであるのに対し、KEENはブランドの顔とも言える「UNEEK」でそれをやった。ここに今回の意味がある。
使用される素材は4アイテムのみ
「UNEEK 360」の構造は、驚くほどシンプルだ。
アッパーには、リサイクルP.E.T.を用いたエンジニアードニットを採用。軽量かつ柔軟で、足を包み込むようなフィット感を生み、脱着も可能という設計だ。だからこそ、使用後の分別までを視野に入れた構造になっている。
そしてホールドを担うのが、360°可動するコード。足の動きにしなやかに追従し、従来の「UNEEK」らしい自由度と快適性をそのまま引き継ぐ。
足元を支えるのは、クッション性に優れたEVAソールユニット。軽さと衝撃吸収性を両立したインソールを採用している。
そして何より重要なのが接合方法。パーツ同士の固定はミシン縫製。物理的に縫い上げることで構造を成立させている。
とはいえ、環境配慮をアピールするようなサステナブルモデルという空気はない。
「UNEEK」というワールドセラーを生み出したKEENらしく、しっかりとファッションとして成立しているのも事実。環境配慮はあくまで背景にあり、最終的に選ばれる理由はきっと、そのルックスとのバランス感覚にあるのだろう。
