【衆院選2026】高市支持率vs公明党組織力の戦い。中道は組織瓦解の懸念も/倉山満
過去に本誌連載で何度も指摘してきたが、創価学会・公明党は日本最強の圧力団体である。自分の選挙を必死に戦うのは当たり前。他人の選挙をサボるどころか真剣に戦う、手伝い戦こそが彼らの本領だ。
少なくとも私が得ている情報では、幹部の意思は中堅には徹底されている。あとは、末端の会員(党員)が、どれほど動くかだ。
SNSでは、「中道の支持率は合併前の立憲と公明の支持率の合計より低い」「創価学会の若い人は、野田佳彦や立憲になど投票しない」などと揶揄する動画が拡散されている。
油断しない方が良いと思うが。今回の選挙、高市首相の支持率と公明党の組織力の戦いだ。ネトウヨと創価学会、いずれが勝利するか。
◆増税を押し付けられた安倍晋三元首相の二の舞に
選挙とその後の展望である。
第一のケース。高市大勝。
与党で三分の二の議席を確保する。この数字があれば、参議院の過半数割れを無視できる。今でも高市“信者”のネトウヨどもがSNSで大はしゃぎしているが、連中の増長は手が付けられなくなるだろう。
それでもマトモな政策を推進してくれるなら我慢もできるが、だったら、もっと早く解散して、防衛増税くらい潰してほしかったが。
安倍晋三元首相は長期政権を築いたが、財務省に増税を押し付けられて、景気回復すらマトモに成し遂げられず、「何一つ歴史に残る偉業を残せなかった」と批判されている。
二の舞にならないよう、心の底から祈る。
第二のケース。与党で過半数。
高市首相が掲げる勝利条件である。どの程度の数を取るにもよるが、自民と維新の二党で過半数を超えねばならない。首相が「連立政権の是非を問う」と解散理由を明言した以上、両党で過半数割れの際、高市首相が他の党を入れる訳にはいかない。それでも自民党は、高市首相を退陣させてでも、権力にしがみつくだろう。
◆与党が三分の二を獲れなければ、政局は大荒れ
いずれにしても、三分の二を取れない場合、参議院をどうするのか。これが、「なぜこの時期に解散?」と疑念を呈される理由である。
第三のケース。与党で過半数割れ。
中道は候補者が202人と足りていないから自身で過半数は獲れないが、善戦の可能性はある。
いずれにしても、与党が三分の二の多数を獲れない場合、政局は大荒れになる見込みだ。
ところで立憲民主党は、原発・安保・消費減税と主要政策で公明党の主張を呑んだ。現実政策に転換したのだが。ここで野田共同代表が「一つくらい聞いてほしい」と女系天皇論を打ち出したら、公明党は止めてくれるのだろうか。斉藤鉄夫共同代表は、皇室に関しては立派な識見を有していると聞いているが……。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本中世史』(扶桑社新書)が発売後即重版に
