@AUTOCAR

写真拡大 (全5枚)

現行モデルと並行して販売

ポルシェが待望の新型『カイエン・エレクトリック』を発表した。最高出力1156psを誇る、同社史上最強のモデルだ。

【画像】Cd値0.25! 空力特化の滑らかなデザイン【新型ポルシェ・カイエン・エレクトリックを詳しく見る】 全25枚

タイカン、マカン・エレクトリックに続くポルシェ3番目のEVで、「新時代の幕開け」と位置付けられている。カイエンとしては4代目に数えられるが、内燃機関を搭載しないという設定は2002年の初代モデルの発売以来初となる。


ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック    ポルシェ

これはEV専用プラットフォーム『PPE』を採用したためだ。当初、ポルシェは2030年までにラインナップの80%を電動化するという大胆な目標を掲げていた。しかし昨年、開発途中でEVへの需要が予想より低調なことを理由に、計画を見直した。そのため、新型カイエン・エレクトリックと並行して、現行の3代目カイエンの販売を継続する。3代目は来年、大幅な改良(2度目のマイナーチェンジ)が行われる予定だ。

つまり、ポルシェのフラッグシップSUVは、2030年代までガソリン、ハイブリッド、EVの3種類のパワートレインで販売されることになる。

ポルシェのマーケティング責任者マティアス・ベッカー氏は、「カイエンの電動化によって、ポルシェは将来の基準となる新たなレベルの性能に到達します。同時に、効率的な内燃エンジンとハイブリッドドライブを搭載したカイエンの開発を、次の10年に向けても続けていきます」と述べている。

ポルシェジャパン株式会社は、日本向けのカイエン・エレクトリックの予約受付を11月20日より開始している。税込み価格は、標準のカイエン・エレクトリックが1335万円から、上位のカイエン・ターボ・エレクトリックが2101万円からとなっている。

ハイパーカー並みの加速性能

4代目カイエンは、親会社フォルクスワーゲン・グループのMLBプラットフォームから、EV専用プラットフォームのPPEへ移行した。このプラットフォームはマカン・エレクトリックやアウディQ6 eトロンにも採用されている。

上位モデルのターボでは、デュアルモーターのパワートレインを搭載し、ローンチコントロール作動時で最高出力1156ps、最大トルク152.9kg-mを発揮する。これにより、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速7.4秒という驚異的な加速性能を実現。最高速度は260km/hに達する。


ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック    ポルシェ

出力はタイカン・ターボGT(1108ps)を上回り、ポルシェがこれまでに販売したロードカーの中で最もパワフルなモデルとなった。さらに、最新の911ターボSと並んで、0-100km/h加速タイムが3番目に速いモデルとなった。これを上回るのは、タイカン・ターボS(2.4秒)とタイカン・ターボGT(2.2秒)だけである。

この圧倒的なパワーの鍵となるのは、カイエン・ターボ・エレクトリックのリアモーターだ。モータースポーツから派生した革新的な直接油冷システムを採用しており、「高い連続出力と効率」を実現するという。

通常の走行モードでは、ターボモデルは最高出力857psを発生し、ステアリングホイール上の「プッシュ・トゥ・パス」ボタンを押すと、さらに176psの出力を10秒間追加で発生させることができる。

エントリーモデルもデュアルモーター駆動システムを搭載するが、出力は408psに抑えられ、マカン4エレクトリックと同等となる。ローンチコントロール作動時には442Ppsへと向上し、0-100km/h加速4.8秒、最高速度230km/hに達する。

航続距離は最大642km

113kWhバッテリーを搭載し、エントリーモデルは最大642km、ターボモデルは最大623km(複合WLTP)の航続距離を実現。BMW iXやロータス・エレトレといった競合車種の性能を上回った。

800V電気システムにより、適切なDC充電器を使用すれば最大390kWの急速充電が可能で、16分未満で10〜80%(約320km分)を充電できる。回生ブレーキによる電力回収は最大600kWに達する。

カイエン・エレクトリックの特徴の1つとして、ワイヤレス充電機能がある。ケーブルを必要とせずにフロアプレートの上に駐車するだけで最大11kWの誘導充電が可能だ。ただし、英国仕様の場合、水冷式充電レセプター(重量15kg、車体下部の保護クラッディング裏に装着)が2000ポンド(約40万円)、充電パッドが3000ポンド(約60万円)の有料オプションとなる。英国仕様のカイエン・エレクトリックには全車、レセプター取り付けに必要な配線とホースが標準装備される。

マカン・エレクトリックと同様に、カイエン・エレクトリックにもシングルモーター/後輪駆動モデルが追加されると予想されている。

ターボモデルには『ポルシェ・アクティブライド』と呼ばれる特殊サスペンションが装備され、ボディロールやピッチングをほぼ完全に補正するという。さらに、トルクベクタリング・システムとリアリミテッドスリップデフも搭載する。また両モデルとも、後輪を最大5度操舵するリアアクスルステアリングが用意される。

空力性能を重視したデザイン

新型カイエンは空力性能を可能な限り高めるため、3代目モデルから大きくデザインを変更した。特にフロント部分の違いが顕著で、従来のワイドグリルはソリッドなパネルと低いボンネットラインに置き換わっている。

効率性とドライビングダイナミクス向上のため、多数のアクティブエアロ機能も追加された。ノーズ部の冷却フラップ、エアカーテン、ルーフスポイラーといった可動部に加え、リアには下部ディフューザー、ターボ専用アクティブブレードが装備される。


ポルシェ・カイエン・エレクトリック    ポルシェ

これにより、カイエン・エレクトリックは空気抵抗係数Cd値0.25を達成。ロータス・エレトレを0.1上回る数値だ。

オプションとしてオフロード・パッケージも用意されている。アプローチアングルを拡大し、特にバッテリー周辺に追加の補強を施すことで、舗装路以外の走行に対応するものだ。

カイエン・エレクトリックのボディサイズは全長4985mm、全幅1980mm、全高1674mmで、3代目モデルより55mm長い。この延長分は主にホイールベース(3023mm)によるもので、後席の足元スペースが130mm拡大されている点が特徴だ。

先進的で高級感あるインテリア

キャビン中央にはポルシェ新開発のフローディスプレイだ。このOLEDパネルは、インストゥルメントクラスターと14.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーン(水平分割された2パネル構成)、オプションの14.9インチ助手席用タッチスクリーンを統合したもので、ポルシェ史上最大のディスプレイエリアを形成している。

フォルクスワーゲン・グループのほとんどの車両と同様に、車内の操作機能の大半はこのセンタースクリーンに集約されているが、オーディオやエアコン操作といった主要項目には物理的なボタンやスイッチが割り当てられている。


ポルシェ・カイエン・エレクトリック    ポルシェ

オプションで、フロントガラスに87インチの表示領域を持つARヘッドアップディスプレイが選択可能だ。

パネルヒーターと呼ばれる機能も装備されている。シートだけでなくアームレストやドアパネルなど、身体が触れる面を幅広く温める。後部座席は電動調節式だ。

トランク容量は781Lとされている。これはBMW iXより約200L、ロータス・エレトレより90L以上大きい。後部座席を倒せば1588Lまで拡大する。さらにボンネット下には90Lの収納スペースがある。

カスタマイズ性も豊富で、13種類のボディカラー、20インチから22インチまでの9種類のホイールデザイン、12種類のインテリアデザインから選択可能だ。オプションには5種類のインテリア・パッケージが含まれる。