無念の退場、チームは3回戦敗退。一生忘れられない出来事。帝京大可児の守護神は、強くなった自分を証明するために再び、全国の舞台へ
3−1で迎えた後半3分には、左からのクロスをファーで折り返され、中央で完全にフリーとなった美濃加茂のMF眞鍋永遠に強烈なハーフボレーを浴びるが、至近距離の弾丸ライナーに完璧に反応。左に飛んで伸ばした右手に当てると、ボールはコースが変わって右ポストを叩いた。同18分にはMF青山武尊に強烈な弾丸ミドルシュートを浴びるが、これも凄まじい反応でしっかりとボールの軌道を見極めてジャンプし、右手一本でゴールバーの上に弾き出した。
「試合中に足をつることは初めてでした。いつも緊張しないタイプなのですが、今日はどこか硬さがあるなかでプレーしているなとは感じていました。貴重な交代枠をこんな形で1つ使ってしまったことや、まだまだひっくり返される可能性もあった展開だったので、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、修汰は安心して任せられる存在なので、ベンチでは最後まで精一杯、声を出しました」
それだけ水野にとって選手権に戻ることは重要で、知らず知らずのうちに力が入ってしまったのだろう。想いの強さが表われていた出来事だった。
「いつでもあのシーンは思い出せるんですけど、そんなのでクヨクヨしていたら、チームとして目標にしている全国ベスト8の壁も越えられないし、日本一にもなれない。忘れるわけではないですが、引きずらずに成長した姿を見せられるように全国でも頑張りたい。今は勝ちたいという気持ちしかありません」
チームにとって正真正銘の守護神となるべく。水野は忘れ物を取りに行くだけではなく、1年間の想いをすべてぶつけるつもりで、強くなった自分を証明するリベンジの舞台に挑んでいく。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
記事:【出場校一覧】第104回選手権|全都道府県の予選決勝&代表校を一挙にチェック!
