Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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”与党過半数割れ” 石破首相の今後は?20日の参議院選挙の結果を受けて、今後の政治情勢について、政治ジャーナリスト・青山和弘氏が詳しく解説します。

(伊藤薫平キャスター)
今回の参議院選挙で、与党は目標としていた50議席の獲得に至らず、参議院での過半数維持を達成できませんでした。これを受け、与党内では石破首相の責任論が浮上しています。

一夜明けた21日、石破総理は会見を開き、「我が国は今、トランプ関税や物価高など、国難とも言うべき厳しい状況に直面している。政治に一刻の停滞も許されない」と述べ、総理大臣および自民党総裁の続投の意向を示しました。

青山さんに伺います。石破総理は辞任する気が全くなかったのでしょうか?それとも揺れ動いたのでしょうか?

(政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
石破首相は「総理大臣にしがみついているようには見られたくない」と話していた。20日の段階で「とことんまでやる」と発言していました。8月1日に関税交渉の期限があり、国内外に物価高を含む大きな課題が山積している中で、「今投げ出すわけにはいかない」という強い思いがあるようです。ただ、自民党内には非常に厳しい声が多く、党内対立の状況になりつつあります。今後の展開によっては、進退問題が大きく発展する可能性も十分にあると思います。

(津川 祥吾 アンカー)
選挙結果として、与党は過半数割れしたものの47議席を確保しました。この結果を「踏みとどまった」「終盤で巻き返した」と見る向きもありますが、「石破おろし」は具体的に与党内で始まっているのでしょうか。永田町の空気感はどのようなものでしょうか?

(政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
まだ具体的な動きは始まっていないものの、自民党議員のほとんどが「石破首相は続けるべきではない」という意見だといいます。中には「この際、政権を手放して野党にやってもらった方がいい」とまで言う議員もいます。
一方で、総理大臣が続投の意思を示す場合、これを辞めさせる有効な手立ては、基本的に野党が不信任案を出すくらいしかありません。こうした中で、自民党内の意見の差が非常に大きくなってきていて、自民党そのものの存亡にかかわる大きな対立へと発展する気配を感じます

(伊藤薫平キャスター)
今回の参議院選挙の結果、衆議院も参議院も自民党と公明党は少数与党となりました。自公連立政権は、どこかの党と組まなければ政権運営ができない状況です。自民党・公明党はどこかの党と組むのか、それとも野党中心で何らかの動きがあるのでしょうか?

(政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
石破首相は少数与党の状況であるため、安定した政治運営には連立を組むことが不可欠です。しかし、昨日の参議院選挙の結果を受けて、国民民主党の榛葉幹事長も述べていたように、現在の野党は「石破首相と組もうという気は全くない」と考えているようです。つまり、石破首相である以上、連立の枠組みを拡大していくのは難しい情勢です。

連立を拡大するのであれば、自民党は新総裁を選出しなければならないでしょう。しかし、新しい総理大臣が誕生すれば、再度総理大臣指名選挙を行わなければならず、そこで野党側が結束すれば、野党から総理大臣が生まれる可能性も出てきます。

一方で、全ての野党が連立を組むのは考え方の違いから難しく、少数政権になる可能性もあります。現在の永田町には、多数の議席を獲得できるような政党が存在しないため、政治が”漂流していく”ことが懸念されます。

(津川 祥吾 アンカー)
議席数は国民の民意であり非常に重要ですが、有権者がどのような思いで投票したのかも重要です。今回の参議院選挙で多くの国民が求めたことの一つは、物価高対策だと考えられます。

石破首相は記者会見で、野党と協議しつつ給付金は実施したい意向を示しましたが、給付金は実施されるのでしょうか?

(政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
石破政権が続く限り、公約に掲げた給付金は実施しようとするでしょう。しかし、衆参ともに少数与党であるため、どこかの野党が法案に賛成しなければ可決されません。現在の石破首相の状況では、賛成してくれる野党を見つけるのは非常に困難だと言わざるを得ません。

逆に、野党が一致して消費税減税の法案を提出すれば、それが衆参両院を通過して成立する可能性も十分あります。つまり、総理大臣を擁する行政と、国会を構成する立法府が「ねじれる」という前代未聞の事態に陥っており、これにより国会や政府の運営が停滞する懸念が十分あると思います。

(津川 祥吾 アンカー)
野党が不信任案を提出する可能性はあるのでしょうか?

(政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
国会が始まれば、不信任案の提出はもちろんあるでしょう。特に今回の参議院選挙で「ノー」を突きつけられているわけですから、不信任案は提出しやすい状況です。ただし、不信任案がもし可決された場合、石破総理が総辞職するのか、あるいは衆議院を解散する可能性も考えられます。野党の中に解散を望まない勢力があるならば、慎重になる可能性もあり、このあたりは野党側の姿勢も問われることになります。

(津川 祥吾 アンカー)
若狭さんは、今後の政局についてどのように見ていますか?

(コメンテーター 若狭勝 氏)
少なくとも8月1日までのこの10日間が、日本の政局を占う上で非常に重要な時期だと指摘します。8月1日にトランプ氏が関税25%を宣言しているため、それまでに日本が交渉によってこれを減らせるのか、あるいは25%のままなのかが焦点となるためです。

もし25%の関税が固定化され執行されることになれば、そこから「石破おろし」がかなり表面化するだろうと見ています。それまでは日米交渉の推移を見守るため、水面下で様々な動きがあるものの、表立った「石破おろし」は起きないだろうと思われます。