車の「盗難ワーストランキング」発表! 2025年上半期は「ランドクルーザー」で多発! 一体なぜ狙われる? 近年は“悪質な手口”で被害に遭うことも… どう対策する?

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2025年上半期で「盗まれたクルマワーストランキング」発表

 警察庁は2025年7月16日、令和7年(2025年)上半期(1月〜6月)の車名別盗難台数を発表しました。

 どのようなクルマが盗難にあっているのでしょうか。また、どういった対策を講じればいいのでしょうか。

画像はイメージです(写真:PIXTA)

【画像】「えっ…!」 これが盗難にあった「ランドクルーザー」です! 画像で見る(20枚以上)

 今回発表された「車名別盗難台数」とは、盗難の車両手配がなされた車両で、盗難未遂などは含まれていません。また、盗難の認知件数とも異なります。

 盗難台数のワーストは以下のとおりです。

・トヨタ「ランドクルーザー」:765台
・トヨタ「プリウス」:289台
・トヨタ「アルファード」:191台
・レクサス「RX」:141台
・レクサス「LX」:120台
・トヨタ「クラウン」:107台
・トヨタ「ハイエース」:97台
・レクサス「LS」:55台
・トヨタ「ハリアー」:50台
・スズキ「キャリイ」:43台

 2025年の上半期では、トヨタの高級大型SUV「ランドクルーザー」が最多の盗難となりました。同車は2024年(令和6年)でも最も盗まれやすいクルマとなっており、盗難に特に注意が必要です。

 ランドクルーザーは国内でも高い人気を持ちますが、海外でも根強く支持されており、特に大型高級SUVが人気の中東諸国では、日本から輸出された中古車のランドクルーザーも高値で取引されています。

 窃盗団はこうした需要に目をつけ、国外輸出して高く売れるクルマを狙う傾向にあり、各地でランドクルーザーの盗難が相次いでいるほか、過去には税関でもコンテナに詰められた盗難車のランドクルーザーを輸出直前で発見した事例もあります。

 ランドクルーザーの兄弟車となるレクサス「LX」も同様に盗難が多発。

 ランドクルーザーよりも高額な車両で、販売台数が少なく、1000台あたりの盗難率とした場合、昨年のデータでは「23.3台」となっており、ほかのクルマと比較し10倍以上となるなど、割合は非常に高くなっています。

 また、トヨタの高級ミニバン「アルファード」は国内でミニバンとしてトップクラスの販売台数を誇るなど人気車種となっていますが、タイなどの東南アジア地域でも支持され、こうした国への不正輸出も多発しています。

 このほかレクサスの各モデルや、「クラウン」「ハリアー」などトヨタの高級車も国内外問わず人気で、盗難台数の上位を占めるかたちとなりました。

 いっぽう、高級車だけではなく、実用的な車種も盗まれています。

 トヨタの商用バン「ハイエース」は、実用の道具として長年支持されている定番車ですが、アジアやアフリカにおいても中古車として高い人気を維持しており、輸出を前提にした盗難が相次いでいます。

 特にハイエースは台数も多く、また仕事で使うクルマとして工具や資材などを積んでいることもあり、こういった積載物ごと盗まれることもあるようです。

 トヨタ「プリウス」はハイブリッド車であり静かで燃費もよく、こちらも東南アジアなどの地域で支持されています。また、対外輸出のほか、国内の犯罪組織が犯行に使う移動手段として盗まれるケースもあるようです。

 また、スズキ「キャリイ」は日本固有の軽トラックであり、海外需要は少ないですが、近年はアメリカで年式が経過した中古の軽トラックが人気を博しています。

 軽トラックは主に農業などで使われており、農作業時にはロックをしないで路上駐車しておいたり、保管もひと気のない納屋で鍵付きのまま駐車しているケースがあるなど、比較的容易に盗めてしまうことがあります。

 このほか、25年以上が経過した2000年以前のクルマが盗まれることもあります。

 これは主にアメリカの「25年ルール」が関連しており、通常は登録不可能なクルマが、製造から25年を経過すると旧車として登録が容易になる制度があり、映画やマンガ、アニメなどの影響から1980年代から1990年代のスポーツカーが人気を博しています。

 しかし、こうした年式が経過したクルマはセキュリティ装置が備わっていなかったり、簡易的なものが装備されているため、容易に盗難することが可能です。

どうやって対策すればいい?

 では、どういった対策を取ればいいのでしょうか。

 盗難が多発している茨城県警では、盗難防止策をSNSなどで発信しています。

盗難には複数の対策が有効(画像はイメージ)

 具体的には、堅牢な装置でクルマを物理的に動かなくする「タイヤロック」「ステアリングロック」、バッテリーを外しても動く「独立型の警報装置」や、特定の操作をしなければエンジン始動ができない「電子制御システムの追加」、盗まれても場所を特定できる「GPS機器等の搭載」、怪しい人物を録画する「ドライブレコーダーの設置」などを提案しています。

 また、これらの対策は「いずれかひとつ」ではなく、複合的に組み合わせることで効果を発揮するとしています。

※ ※ ※

 近年は新車にセキュリティ装置や盗難防止装置が標準で備わっていますが、窃盗団はこれを熟知しており、さまざまな手段で回避してクルマを盗んでいます。

 今の主流の手口は「リレーアタック」や「CANインベーダー」というものがあります。

 リレーアタックは、キーを持っているだけでロック解除ができる「スマートキー」の仕組みを悪用したもので、キーから発せられる微弱電波を違法な電波増幅器で「中継(リレー)」。

 家屋内などにある離れたキーを、クルマの至近にあるように認識させ、ロック解除とエンジン始動を行います。

 CANインベーダーは、ライトやセンサーなど、近年のクルマに多数のコンピュータが組み込まれていることを悪用したものです。

 車体をバールなどでこじ開け、ライトやバンパー裏にあるセンサー、レーダーなどの配線に「CANインベーダー」という機器を接続し、ハッキングしてロック解除とエンジン始動を行うものです。

 こうした巧妙かつ悪質な手口には、先出の通り「物理的にクルマを出せないようにする」のが一番です。

 またクルマを停める場所も、機械式立体駐車場などオーナーしか出せない場所にしたり、駐車場に人感センサーライトや防犯カメラを設置することも有効です。

 さらに、部品ねらいも発生しているため、高価なアルミホイールやナンバープレートには防犯ネジなどを使用することも対策になります。

 クルマによっては商業施設などの出先の駐車場で狙われたケースもあり、いちど目をつけられると車体にGPSを仕込まれ、保管場所や行動パターンを特定する悪質な窃盗団もいます。

 そういった機器がないか、保管場所に怪しい人物やクルマが近づいていないかもチェックするとよいでしょう。