スペイン女子サッカー選手への“キス問題”に広がる波紋 ルビアレス会長は「深刻なことだったか?」と開き直り

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エルモソ(11番)の唇を奪ったルビアレス会長(後ろ)。世界的な公衆の面前での行動は物議を醸し続けている。(C)Getty Images

 世界中の熱視線が注がれていた舞台での軽率な行動が波紋を広げている。

 物議を醸しているのは、今月20日にオーストラリアで行われた今月20日に行われた女子ワールドカップ(W杯)の決勝後の表彰式での騒動。優勝を飾ったスペインのサッカー連盟のルイス・ルビアレス会長が、チームのエースであるジェニファー・エルモソに対して半ば強引にキスをしたのだ。

【画像】世界で批判殺到!スペイン・サッカー連盟会長がセレモニーで女子選手にキス

 各国で視聴もされていた公衆の面前でのルビアレス会長の行動には批判が殺到。当人は「二人の人間が些細な愛情に包まれた瞬間だ」とあくまで自然な流れであった説明したが、事態は沈静化せず。国内でも辞任を要求される事態に至っていた。

 自身への風当たりが強まるなかで、ルビアレス会長は開き直るような行動を見せている。現地8月25日に行われたスペイン・サッカー連盟の臨時総会において「私は辞めない。私は辞めない。私は辞めない。私は辞めない。私は闘っていく」と強い口調でスピーチ。さらにエルモソへのキスを「あの瞬間、ああした行為をするべきではなかった」としたうえで、「しかし、スペインのフットボールが歴史的な偉業を成し遂げた直後だ。私がここを去らなければならないほど深刻なことだったのか?」と語った。

 会場で拍手喝采を受けたルビアレス会長はこうも続けた。

「これは偽りのフェミニズムであり、この国の大きな欠陥だ。あの瞬間、私たちにはお互いに同意していた。許可なく行なったものではなかった。同意があったんだよ。説明させてもらうが、あれは口先だけだった。キスというよりも口の先が触れただけなんだ。あの行為に求めていたことは、自分の娘に対しても求められることだった」

 そして「善良な人々は何が起こったかを理解しているはずだ」と続けるルビアレス会長は、問題となった場面におけるエルモソとのやり取りも告白。「ジェニはキスを求めた私に『ダメです』と言った。だから、私たちはハグした。そして、私は『少しもダメか?』と言った。すると彼女は『それなら大丈夫』といった」と、あくまでキスが合意の下での行為である主張し続けた。

 もっとも、当のエルモソはこれを真っ向から否定する。彼女はスペイン女子サッカー選手の労働組合を通じての声明において「私はルイス・ルビアレス氏からされたキスに決して同意していません」と断言。複雑な胸中と、ある決意を記している。

「あの時点でもそう語ったように、この出来事が私にとって好ましいことではなかったことも繰り返し強調させていただきます。私は傷つけられたと、一切許可などしていない攻撃的、衝動的、男尊女卑的、常軌を逸した行為の被害者になったと感じています。敬意の欠如、過ちを認める器量のなさ、事件の重大さを受け止めない姿勢を受けて、私はサッカー連盟の首脳陣が変わらない限りスペイン代表に戻らないことを決断しました」

 世界一はスペインの女子サッカー界にとって史上初の快挙。その喜ばしい話題が国内外で打ち消されてしまっている現状は何とも物悲しい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]