福井の鯖寿司が進化中! しっとり仕上げの味噌焼き鯖寿司、「サバの宿」の絶品鯖寿司【究極の旅館朝食もあり】

福井らしさあふれる唯一無二の「焼き鯖寿司」
福井といえば「焼き鯖寿司」。お土産にぜひともおすすめしたいのが『四季食彩 萩』の「味噌焼き鯖寿司」。
お取り寄せ専門サイトで大賞の受賞歴をもち、福井市のふるさと納税返礼品としても好評を博する「生さば寿司」のことは以前ご紹介したが、こちらも根強いファンの多い逸品だ。

たんなる「焼いたサバを使った寿司」を想像してもらっては困る。店主の白崎健司さんが、とことん極めた「唯一無二」の焼き鯖寿司だ

かつて空弁で焼き鯖寿司がブームになったころ、萩でも提供できないかと考えた白崎さん。「醤油や塩、タレでは代わり映えがしなくて面白くないなあとも思って、どうすればいいか思案していました」。
そこで思い立ったのが「味噌」。福井市はじつは、歴史ある醤油、麹、味噌などの蔵を有する発酵の街。老舗味噌蔵が手掛ける、大本山永平寺の味噌蔵の味を再現した味噌を使用することにした。
「焼きサバをおいしく仕上げるには、なんといってもサバの脂のりが重要です」と白崎さん。生さば寿司は福井あるいは国産のサバだが、こちらは「脂のかたまり」ともいえる、厳選したノルウェーサバの大型サイズを使用。程よく脂を落とし、身をふっくらと仕上げるために、強火の遠火でじっくりと焼く。

その後、味噌を塗って焼き、こんがりと香ばしく仕上げる。

シャリは福井県発祥のコシヒカリを100パーセント使用。米の旨みを引き立てるために、玄米で仕入れて炊き上げる直前に精米している。
酢は、創業1710年の小浜市『とば屋酢』の酸味がまろやかな米酢、塩は越前海岸の海水をそのまま鍋で濃縮・乾燥させて仕上げた、甘みがあり丸い味わいの「越前塩」。
極力「福井らしさのあるサバ寿司を」と、具にもひと工夫している。なんと、福井の郷土料理「たくあんの煮たの」が使われているのだ。
たくあんの煮たのとは、古漬けのたくあんを塩ぬきして、醤油やみりん、唐辛子などとコトコト甘辛く煮漬けたもの。素朴な味わいでご飯の供、お酒のつまみとして愛される一品だ。「焼きサバのパサつきを防ぎ、味のアクセントになるのではと考えました」と白崎さん。
さらに食感と風味をアップするべく、刻んだみょうがをプラス。
「福井らしさあふれる焼さば寿司」が完成した。
「味噌焼き鯖寿司の製造、販売にあたって苦労はありましたか?」と白崎さんに尋ねると意外な返事が。
「まったく売れなかったことですね……」
販売当初、味噌焼き鯖寿司の味わいがイメージできなかったこと、当時焼き鯖寿司の価格の主流が1000円以下という時代に、2000円という価格が原因だったのでは……と振り返る白崎さん。
しかし、白崎さんの自信作は意外なところで大ブレイクした。
ブレイクのきっかけは「2ちゃんねる」
まさかの「2ちゃんねる」である。
「なぜか2ちゃんねるに『鯖寿司』のスレがあったんです。味噌焼き鯖寿司を食べたお客様がそこに『これはもう、鯖寿司というより、料理だね』と書き込んでくださって。ブログでもおいしいと紹介してくださり、そこから注文が一気に増えました」と白崎さんが笑顔で語る。
2ちゃんねるで「好意的に」バズるという奇跡を果たした「味噌焼き鯖寿司」。
いざ、いただきます!
サバの香ばしさが、焼けた味噌の風味でなんとも華やか。続いてジューシーな脂が口の中いっぱいに押し寄せるものの、そこにシャリの酸味が寄り添い、軽やかに。みょうがのシャキシャキ感で、いったんすがすがしいリセット。その後にたくあんの煮たのが、みずみずしく程よいコリコリ感でサバの旨みと脂にベストマッチ!

なんでしょう、この見事な「口内味変」。
ともするとくどく、単調になってしまうこともある焼き鯖寿司が、まるで万華鏡のように多彩な味のハーモニーを奏でる。
そして、特筆すべきは「ありえないほどしっとり仕上げ」なこと。おそらくジェンヌ人生のなかでもっとも「潤い系焼き鯖寿司」。みじんもパサつき感がない。
そしてそして! 「味噌」は言われなければ、あまりわからないのも驚きポイント。
白崎さんによれば味噌は「たっぷり塗っている」にも関らず、味が濃くて「味噌風味」なわけではなく、焼いた味噌の香ばしさだけが残り、サバの旨みを引き出し、身をしっとり仕上げるといういわば「味噌のいいところ」だけが余すことなく使用されている。
いわば「味噌は至高の焼き鯖寿司」の立役者!
ミラクルな焼き鯖寿司、ぜひ味わってみて!
■『四季食彩 萩』
[住所]福井県福井市下馬3-1507-1
[営業時間]12時〜15時(寿司の引き取りのみ)
[休み]月、第1・3・5日
[交通]JR北陸本線越前花堂駅から徒歩15分
[URL]https://www.sabazushi.co.jp/
朝から夜までサバらしい1日が過ごせる宿
福井へ来たならば、「おはようからおやすみまで」サバ。そうです「サバナイスデイ」な1日を過ごしたいもの。
そんなサバらしい1日を過ごせる宿が『宝永旅館』。福井ならではの食材を使った料理が自慢の宿だ。

なんといってもいま、話題になっているのが福井の幸をふんだんに使い、郷土料理も盛りだくさん、なんと約15品がズラリと並ぶ豪華な朝食。しかも宿泊客以外も楽しめる。なのにコーヒー付きで1000円ポッキリ!

「福井にいらっしゃった観光客の方も、地元の方も集うプラットホームになればと思い、スタートしました」と語るのは、3代目の女将である国広桂子さん。

野菜ソムリエの資格をもつ国広さんが監修し、京都で修業後、皇室も訪れる宿で腕を振るった前川治料理長による朝食は、郷土料理であるにもかかわらず目にも美しい。
大野市のブランド里芋「上庄さといも」の煮物、その茎の部分を酢漬けにした「すこ」、「たくあんの煮たの」、福井が消費量日本一を誇り、そのおいしさは格別という「油揚げ」………。朝から「福井パラダイス」!!!

そして、焼き魚は「サバ」!! それだけではない。しっかりと鎮座するのは福井ならではのサバ珍味「へしこ」(サバのぬか漬け)。へしこ作りが盛んな若狭地方から厳選したものを、炙りで楽しめる。

へしこはそのまま刺身でもおいしいけれど、香ばしく炙るとまたまたウマし。さらに、炙りはお茶漬けにすると最高! うれしいことにご飯はお代わり自由(涙)。

心ゆくまでへしこまつり! そしてへしこをチラッとかじりつつの油揚げ、たくあんの煮たの、といった「福井口内マリアージュ」も楽しいのでお試しを。
そして、「夜もサバ」。福井を代表する郷土料理「浜焼き鯖」が楽しめる。丸ごと1尾を串に刺して焼いた豪快な料理は、お土産として販売されていたりするけれど、できれば現地で味わいたいもの。

もちろんこちらも前川さんの手によるもの。厳選した脂のりバツグンのサバを串に刺して、照りを出し、旨みを増すためにみりんと水を塗って振り塩してから表3分、裏7分で焼き上げる。
約30分じっくり焼き上げたサバは、皮目はパリッ、身はホクホク。脂と旨みが堪能できる。

福井ではしょうが醤油で食べることが多いけれど、添えられた鯖江市河和田地区に伝わる調味料「山うに」と一緒に食べるのもおすすめ。山うには、柚子、赤なんば、鷹の爪、塩で作られたピリ辛の調味料。サバに柚子の香りと辛みが加わるとご飯が猛烈にすすむ!
もちろんお酒のつまみにもよし。サバの全身の各パーツをホグホグしながら、福井の銘酒とともに味わってみていただきたい。
また、宝永旅館の新たな名物も登場した。前川さん渾身の「鯖の宝寿司」だ。

京都での修業時代、親方から教わった味を前川さんなりの工夫を重ねて仕上げたもの。脂のりバツグンのサバに塩をして24時間。塩分を抜いてから、昆布、隠し味の調味料を加えた酢で20〜30分しめる。「サバの甘みと旨みを引き出すように工夫しています」と前川さん。
シャリには、サバとのバランスをとるために、ガリをプラス。しかも米粒よりも細かく刻んで加えるという「隠し技」だ。
さらに旨みを増すために、求肥昆布で巻いて仕上げている。
いただくと、なめらかな脂を放つサバ、シャープで軽やかなシャリを、肉厚でもまろやかな求肥昆布が見事にしっかりとした旨みを添えて、とろけるような味わい。サバを奥深く、鮮やかに味わえる鯖寿司だ。

うーん、サバらしい宿!
そうそう、女将の国広さんはアマチュア女流落語家。「上方落語協会 上方笑女隊北陸支部」を運営している「落語の宿」でもある。
底抜けに明るい国広さんのトークも宝永旅館の魅力。ジェンヌの希望により「サバ落語」お披露目の日も近し!
■『宝永旅館』
[住所]福井県福井市宝永3-7-16
[電話番号]0776-22-5204
[交通]福井鉄道福武線仁愛女子高校駅から徒歩7分
[URL]http://www.houei-ryokan.jp/
■池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント
サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!〜旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/
取材・撮影/池田陽子
