サッカーでは上級レベルのテクニックと熱いハートを持つ、パンサー尾形

■サッカー芸人による新感覚サッカーランキング ?

 スポルティーバではこれまで、元選手らにより、ポジション別ランキングやドリブラーランキング、ヘディングランキングなどを紹介して楽しんでもらってきたが、サッカーの見方は玄人目線だけではないはず。サッカーファンになる人の間口はもっと広くていい、という考えから、サッカー好き芸人にオリジナリティー溢れる独自ランキングを作ってもらった。

 今回考案してくれたのが、パンサー尾形さん。名門、仙台育英高校ではボランチとしてエースナンバー10番をつけ、全国大会ベスト16の実績を持つ。また同級生でのちにジェフユナイテッド千葉、サンフレッチェ広島などで活躍した中島浩司選手に対しても激しく指示を出すなど、チームの統率役も担っていた。

 芸能界随一のうまさを誇る尾形さんに、日本で活躍したJリーガーの中から、彼自身が大好きだったという精神的支柱を5人選んでもらった。

5位 田中マルクス闘莉王(元浦和レッズ、元名古屋グランパスなど)

 味方に対して、「やれよー」と吠えるところが大好きでした。「闘莉王さんに言われたらもうしょうがないな」という雰囲気がチームにありましたよね。攻撃陣が点を獲らなかったら、センターバックの位置からどんどん上がっていって、自分で点を獲っちゃう。そうすると、周りも「やんなきゃっ」て思わされますよね。僕はそのタイプの選手がめちゃめちゃ好きなんです。

 トップレベルに行けば行くほど、技術力のある選手、うまい選手がたくさんいるわけで、チームのなかに闘莉王選手よりも技術力のある選手はたくさんいました。その選手たちに、臆せず激しく言えるというのは、すごい。僕も高校時代は中島浩司に対して、「何してんだおまえ!」「やれよ、おい!」とめちゃめちゃ言っていましたので、闘莉王選手にはとても共感するところがありましたね。

4位 小笠原満男(元鹿島アントラーズ)

 僕は宮城県出身で東北人なんですが、小笠原選手を見ていると、まさに「ミスター東北」だなと感じました。イケメンなので一見スマートなプレーをするように見えるんですけど、ゴリッと激しいプレーをする。相手がスター選手であったとしても、まったく臆することなく、チームのためにガツンといけちゃう。寡黙で背中で見せるプレーヤーですよね。

 小笠原選手のプレーを見ていると、周りの選手も「俺も戦ってやるぞ」という気持ちになったと思います。彼は本当に技術力が高いから、ゴリッといく必要はないと思うんですけど、鹿島を何とか勝たせたいというチーム愛から、激しいプレーもいとわなかったんだと思います。その思いが、彼の背中に表れていましたよね。

3位 遠藤航(シュツットガルト、元浦和レッズなど )

 本当にいい選手だと思います。U-24日本代表でのプレーを見ても、やはり格が違いますよね。ボールを取れるし、フィード力もある。さらに自分でもシュートを打てるし、走れる。ポジショニングもいい。僕もこんな選手になりたかったです。

 僕の経験から言うと、ボランチはトップ下やFWほど目立たないかもしれませんが、対戦してみるとその重要性がわかるんです。きっと対戦相手はみんな「遠藤航ってうまいな」と思っているはずです。僕は高校時代に、西武台高校と対戦したんですが、ボランチがすごくうまかったんですよ。「誰なんだろう」と思ったら、河合竜二選手(元横浜F・マリノスなど)でした。彼は当時まだ無名の存在でしたが、みんな、彼のうまさに気がつきましたね。

 遠藤選手は昨シーズンのブンデスリーガでデュエル勝利数1位になって、ボランチとしてすでに完成されているので、もう周りも認めざるを得ない存在ですよね。あえて僕の希望を言わせてもらえば、闘莉王選手みたいに、チームメイトに激しく要求してほしいなと思います。

2位 柱谷哲二(元ヴェルディ川崎など)

 闘将と言えば、この人です。チームが本当に締まりました。周りに対してガンガン要求していたラモス瑠偉選手とも、何度も言い争いをしていましたよね。おそらくあれは「俺がこのチームを引っ張っていく」「誰にでもストレートに意見を言っていくぞ」というアピールでもあったと思うんです。

 僕らはその様子を画面越しで見ていましたが、ピッチ上での言い合いを見ると、やっぱり心が揺さぶられました。燃えてくるものがありました。他人に対して激しく言うことは、自分へのプレッシャーでもあったと思うんです。だから体を投げ出してボールも奪いに行っていましたし、ゴリッと当たっていました。

 でも柱谷さん、最近は優しくなりました。先日、テレビ番組で一緒にeスポーツのサッカーゲームをしたんですけど、柱谷さんが不甲斐ないプレーをしたので、僕が柱谷さんに「何してんだー! あんた闘将だろう!」と言っても笑っていましたから。

1位 ドゥンガ(元ジュビロ磐田など)

 とにかく僕は大好きなんですよ。ドゥンガ選手はセレソン(ブラジル代表)のキャプテンとしてワールドカップで優勝していますし、ボランチとしては一番うまい選手だと思っています。彼で思い出すのはパスセンスですね。アウトサイドで長いスルーパスを出せる。その精度はすごく高かったです。

 でもやっぱり印象に残っているのは、ジュビロ磐田で吠えているシーン。僕がテレビで観ていて記憶に焼きついているのは、ドゥンガ選手のほうが明らかにボールの近くにいるのに、少し離れている味方に対して、「おまえだろ!」みたいなことを怒鳴っていたシーンです。普通だったら、チームが分裂して、弱くなるような気がしますが、逆に強かった。

 僕の高校時代のコーチはブラジル人で、ブラジルの留学生が2人いましたが、彼らも同じようなタイプでした。消極的なプレー、さぼっているようなプレーに対しては、本当に激しく怒っていました。ただポジティブなミス、勝負に行って取られたミスについては怒鳴ることはなかった。ドゥンガ選手もそんなタイプだったように見えました。

 当時のジュビロには、高原直泰選手、藤田俊哉選手、名波浩選手、奥大介選手、福西崇史選手、服部年宏選手など個性的な選手が多く在籍していて、そういうチームをまとめるのは難しいと思うんです。でも彼らのする消極的なプレー、さぼっているようなプレーに対して、激しく怒ることによって、いい緊張感が生まれて、強いチームに仕上げていた印象があります。もしかしたら、ドゥンガ選手が入れば、ジュビロでなくても強くなったかもしれません。チームを劇的に変えてしまう、それだけの選手だったと思います。

【Profile】
尾形貴弘(パンサー)
1977年4月27日生まれ、宮城県出身。小学2年でサッカーを始めると、すぐに頭角を現す。各カテゴリーで県選抜に選ばれるなど、サッカーエリートの道を歩む。仙台育英高校ではキャプテンを務め、全国高校サッカー選手権でベスト16入りを果たす。進学した中央大学でもサッカー部に所属した。お笑いトリオ「パンサー」の元気担当。YouTube「パンサー尾形の尾形軍団チャンネル」を毎週金曜更新中。
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