吉川ひなの(41)のエッセイ本『わたしが幸せになるまで』(幻冬舎)が話題だ。ネットを中心に注目を集め、5月13日の発売日前から、すでに重版が決定していた。

「発売日に開かれたオンライン記者会見で、居住地のハワイから吉川は『これまで曖昧にしてきた家族構成や生い立ちについても、全部聞いてもらいたいと思った』と発言していますが、今回のエッセイが注目されているのは、『稼いだお金を両親に無心されていた』など、自らの壮絶な過去を告白しているからなんです」(芸能ライター)

 だが現在、彼女は “ある裁判” を抱えているという。くだんのオンライン会見では、彼女がプロデュースするナチュラルコスメを扱う「株式会社アマラ」の社長に吉川が就任することも発表されたのだが、この社長就任の前から、彼女はアマラ社にまつわる法廷闘争を進めているのだ。裁判ウオッチャーが話す。

「吉川さんとアマラ社が、業界関連団体である『一般社団法人日本化粧品協会』を相手取って、東京地裁に提訴したのです。第1回口頭弁論が4月27日に開かれました。

 トラブルの発端は、吉川さんがプロデュースした化粧品『ティアレアーラ メディケア CBDロールオン リフレッシュ 5.5mL』に含まれているとされる『CBD』という成分が、実際には含まれていないと化粧品協会が指摘したことです。

 協会はこれを『景品表示法違反にあたる可能性がある』として、2020年5月22日からホームページに注意喚起の記事を掲載し続けています。これに対し、吉川さん側が『きちんと成分が含まれている』として提訴に至ったわけです」

 裁判の中で吉川側は「記事によって名誉、信用が毀損された」「記事に掲載された吉川の写真、インスタグラム投稿などの使用は著作権、肖像権の侵害だ」と主張。商品回収に対する損害賠償など、総額約3000万円(アマラ社に約1879万円、吉川に約1023万円)の支払いを求めている。

 日本化粧品協会は2012年に設立。理事に、元消防庁長官や弁護士も名を連ねている。ホームページを確認すると、「厚生労働省の情報収集活動に協力しています」と大きく書かれ、美容健康商品について、監視や消費者からの相談活動をおこなっている団体だという。

 今回の訴訟の詳細な経緯を、吉川とアマラ社の代理人である三宅坂総合法律事務所・野間自子弁護士が話す。

「CBDについては生産工場の成分証明書もあり、記事が掲載されて以降、化粧品協会には何度も証明書を添えた内容証明を送って、『記事は虚偽だ』と警告していました。

 しかし、協会は『信頼できる海外の検査機関に依頼して検査したので間違いない』と主張するばかり。やむなく訴訟を提起したのです。仮に一度の検査で検出されなかったからといって、CBDが含まれていないとも限りません。

 また、商品をプロデュースした吉川さんの写真を、問題の記事と一緒に掲載しているのは、(芸能人である)彼女の知名度を利用して、耳目を集めるためでしょう。

 記事内容のCBDの含有量そのものと吉川さんに直接の関係はなく、写真を掲載する必要性が認められないということから、名誉毀損や著作権侵害なども主張しています」

 野間弁護士は、こう続ける。

「CBDが含有されていることは証明書に基づいた事実です。裁判所には事実に即した判断をしていただきたいです」

 アマラ社を通じて、吉川本人にも取材を申し込んだが、「弊社の商品について、誤った情報の掲載があり、たいへん困惑しております。法的措置を取り、掲載の削除を求めている段階ですので、詳しい内容などについてはお答えいたしかねます」と、取材は受けられない旨、回答があった。

 日本化粧品協会からは以下のような回答を受けた。

「裁判の詳細に関しては係争中の案件ですので、お答えは差し控えさせていただきます」

 吉川は2021年1月2日、約30年所属した事務所からの独立をインスタグラムで発表していた。今回、吉川側が出した訴状の日付は独立発表から約2週間後となる、1月15日だ。

「彼女はいま、第3子を妊娠中です。過去を清算する自著を出し、社長就任も発表して、現在はこれから新しい人生に踏み出そうとしているタイミング。そこに心血を注いでプロデュースした商品について、一方的に法律違反の可能性があると公表され、腹に据えかねて提訴に至ったということでしょう」(吉川の知人)

 吉川は冒頭でふれたオンライン会見で、「職業柄、波風を立てないように本当のことは伏せておく癖がついていましたが、いまなら本当の自分を優先させられます」と話した。

 波風を立ててでも――。“覚悟と決意” を示す訴訟なのかもしれない。

(週刊FLASH 2021年6月1日号)