高校を卒業する、ということ。それは、3年間の思い出に別れを告げ、“大人”への第一歩を踏み出すこと。期待と不安が入り交じるなか、沢口愛華はその一歩をこの春に踏み出す。

彼女は高校を卒業することで、“何か”を卒業するのだろうか。それとも、“何も”卒業しないのだろうか。

─3月で、いよいよ高校を卒業することになります。

なんか、もう3年たったんだなっていう感じです。早かったけど、3年生になってからようやく高校生らしいことができたので、それはよかったなって思います。

─どんな高校生らしいことを?

凧あげです。

─凧あげが高校生らしいとは、あまり思えないですけど(笑)。

今年のお正月に、小学1年生からの友達と一緒にしました。家からいちばん近い商業施設に朝早くから行って材料を買って、凧を作って、近所であげました。

─ちゃんとあがったんですか?

あがってないです(笑)。

─それにしても、どうして高校最後の冬に凧あげをしようと?

友達がやりたいって言うから、やりました(笑)。

─ほかに高校生らしい思い出はありますか? たとえば、放課後とか。

ありますよ。友達と一緒に、最寄り駅まで帰りました。お仕事があるときはダッシュで下校しなくちゃいけないので、3年生になってそういうことができたのはよかったです。楽しかったし!

─じゃあ、心残りはあまりない?

心残りは、たこ焼きかな。じつは、教室でたこ焼きを焼きたかったんですよ。でも、結果的にはできなくて。

─どうして教室でたこ焼きを焼きたかったんでしょうか?

別のクラスが、教室でお菓子パーティをしてたんですよ。だから、だったらうちらはたこ焼きパーティがしたいなって。お菓子パーティがオッケーなんだったら、たこ焼きもありだと思ったんです。

でも、先生に聞いたら、「そういうのは違うんじゃないですか。お菓子とたこ焼きはまた別問題でしょ」って。

─残念でしたね。

すごく残念です。

─それにしても、凧あげにたこ焼きと、めちゃくちゃのどかなJKライフを送っていたんですね(笑)。

だって、田舎ですもん。都会のJKみたいにきらびやかじゃないです。

─卒業は、やっぱり寂しいですか?

仲のいい先生や友達に会えなくなるのは寂しいけど、早く卒業はしたいかなぁ。昼間から、家にひきこもっていたいです(笑)。あと、学校に行かなくてよくなるのは嬉しい!

─どうしてそんなに学校に行きたくないんですか?

寒いから!だって、暖房をつけてくれないんですよ!

朝、先生が「寒い人はいますか?」って聞いて、誰かが手を挙げないと暖房をつけられないんです。そんなの、無条件でつけてくれればいいじゃないですか!

─でも、先生も寒いかどうか聞いてくれているんだから、寒ければ手を挙げればいいだけなのでは?

そんな、クラス全員の前で手を挙げるなんてできないですよ!

─ほかのクラスメイトは、一緒に手を挙げたりしないんですか?

みんな、先生の話なんて聞かずに、ずっとスマホを見てるから。だから、「寒い人はいますか?」っていう先生の質問も聞いてない(笑)。

─じゃあ、仕方ないですね。

しかも、その先生は体育教師で何事もきっちりしてるから、すごく寒いのに、教室の窓をしっかり10センチ開けるんです。

─換気のためですよね。

それはそうですけど…。しかも、教室は寒いのに、職員室は学校の中でいちばんあったかいんですよ!それってズルいでしょ!

だから私は、たまに保健室に行くようになりました。一日のうち1時間だけなら、保健室に行ってもいいんですよ。3年生になってからそれを学んで、なんとか寒さをしのいできました。

─高校卒業後は、お仕事一本に?

そうですね。ずっと不安ですよ。でも、もう人に甘えて生きていけないから、頑張ってお仕事をしていこうっていう気持ちが芽生えています。

今後、いつまでも名古屋に住んでいていいのかなとも思うし、大事な決断をする日がいつか来るかもしれない…。ただ、上京するにしても東京は家賃が高い!チラッと調べてみたんですけど、とてもじゃないけど払えません〜(笑)。

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