関連画像

写真拡大

「内定取り消しについてお電話させていただいたところ、販売職の方全員取り消しだそうです…。」

アパレル大手「イッセイミヤケ」が2021年入社予定の学生の内定を取り消したとして、インターネットでは複数の報告がなされている。同社は7月17日、取材に対して内定取り消し通知を「事実」と認めた。学生の内定取り消しは、同社として初めてだという。

新型コロナによる大幅な売り上げ減を理由とするもので、社内でも並行してリストラ策を進めているという。

●「内定通知取り消し」悲痛な報告

「イッセイミ○ケがこの時期に販売職の内定を全員取り消したみたい」として、学生向け就職情報口コミサイト「みん就」の投稿を紹介するツイート(7月15日)が注目されている。

みん就の「イッセイミヤケ」に関する掲示板を実際に確認してみたところ、取り消しを通知されたという複数の学生の投稿を確認した。

「販売職の内定取り消されました これからまた就活やり直しって、、、」

「4月末に販売職で内定をいただきました。内定取り消しについてお電話させていただいたところ、販売職の方全員取り消しだそうです…。」

「時期的にももっと早く通知して欲しかったです。」●イッセイミヤケは事実と認める

内定取り消しは事実なのだろうか。イッセイミヤケ本社の総務人事部門長は取材に「内定の取り消しに関しては事実です」と認めた。

同社の採用情報によると、「総合職」「販売職」「専門職」の募集を行っていた。内定者数、および内定取り消しの人数は顧問弁護士と相談の上で公表できないとしたものの、「全員の取り消しをしたわけではない」という。

「今後の事業継続もあり、専門性の高い職種に関しては内定を継続している学生さんもおります。一律、どの職種という形ではなく、今後に関してこちらで必要であるという人材に関して内定は継続させていただいております」

発送した取り消し通知書面は、先週末には学生に届いているという。

「それ以降、いろいろとネット上に書き込まれている現状で、書面では説明しきれなかった取り消しに至る事情を学生さんにご説明させていただいている段階です」●内定取り消しの理由

学生には3〜4月にかけて内定通知書を出していたが、緊急事態宣言が出された4〜5月の約2カ月、直営路面店(全店舗)や、百貨店の店舗の休業によって、売上が全くたたない状況が続いたという。

「6月以降、順次営業短縮して再開されましたが、弊社の売上構成では、海外からのツーリストのお客様の売り上げ(インバウンド)が非常に高い。国際線が飛んでいないのと、日本への入国者数が激減しているため、その売上が全くたっていない状況です。

国内のお客様への販売努力を継続すれば、ある程度の回復は見込めるかと思いましたが、このところ東京都でも感染者数が増えて、今後の見通しが立たないということで、来年4月の大多数の内定を出している学生さんをお迎えすることが難しい。それで内定取り消しの通知を出させていただいております」●痛みは学生だけではない。社内ではリストラ策

しかし、学生の内定取り消しを優先したわけではないという。

「社内でも削減をしつつも、最後の判断として内定者のかたにもという形になっております。

宣言のころからリストラの検討をしていましたが、第1四半期が終わり、6月に入ってから徐々に数字の状況も見えてきたので、6月から並行して社内リストラ策を実施している最中です」

内定者だけに「痛み」を負わせるものではないと会社は説明するが、内定者からは「納得できない」という問い合わせが寄せられている。

「いただいているお声で一番多いのは『もっと早く言ってもらえれば、まだ他の企業にエントリーできたのに、遅すぎる』というものです。我々としては、少しでも大学4年生としてまた活動できる時期にと思って、この時期にしました。我々の事情によって学生さまにご迷惑をおかけしておりますが、少しでも早くという思いはございました」●内定取り消しは決定事項なのか

学生には内定取り消しへの「同意書」が送られているそうだ。

「送付した内定取り消しの通知書面には、ただ取り消すだけではなく、ある程度の支援策を盛り込んであります。そちらにご同意いただける場合、同意書をお戻ししていただきます。

双方同意の形を取りたいということで、学生のみなさまには、事情を説明しながら同意書の返送をお願いしている状況になります」

支援策の中身について「賃金補償や慰謝料か」と聞いたところ、「内容は公表できません」とのことだった。

学生の書いた同意書は13日から同社に届いているという。なお、同意書にサインをしなければ、内定は有効として入社となるのだろうか。

「基本的には同意していただくのを前提で、今後、学生さまとお話を継続させていただきます。もし、今後ずっと同意書をいただけないということですと、顧問弁護士に相談させていただいて、どのような対応を取れるのかという形になると思います」

2022年4月卒の採用活動も「現状見送りで、募集しておりません」とのこと。新型コロナは、日本を代表するアパレルブランドにも深刻な影響を与えている。