一度に多くの荷物を運びたいがために起こる「過積載」

 最近減ってはいるが、大型トラックの問題に過積載がある。読んで字のごとく、「積み過ぎ」のことで、弊害としては道路への影響や車両の破損、事故の誘発などがある。

 ただ、運送業界を取り巻く環境は厳しく、1度にたくさん荷物を運べたほうが効率がいいので(結果的に車両の寿命が短くなるが)、撲滅ではきないのもまた事実だ。

 では、全国を走っているトラックに対して、どうやって量るのか?

なんとトラックごと量りに乗せている!

 荷物の量や重さはその都度異なるので、単純になにを積んでいるから何トンのようなことは無理。実際に量って取り締まっているのだ。主要高速道路の大きな料金所の横にスペースがあって、パイロンなどで囲まれていたりするのを見たことがないだろうか。路面には四角い板のようなものが埋め込まれているが、これが台貫と呼ばれる量りだ。料金所のブースのところにいる警察官や道路会社の職員が怪しい車両に声をかけ、誘導して量っている。

 実際にトラックを乗せて測った重量が、車検証上の車両総重量を超えていれば過積載として取り締まられる。積める量、つまり積載量は装備品や燃料、乗員などの重さを車両総重量から引いたものとなるので、トラックを丸ごと量ってしまえば、すぐに違反かどうかわかるわけだ。

 過積載と判明した場合は反則金や点数が課せられるが、積んでいる量によって内容は異なっており、10割以上の過積載量の場合は裁判にもなる。

 ちなみにアメリカではもっと厳しくて、1ポンド(454グラム)でも超えるとダメだ。また社会に与える影響が大きいことから、ドライバーだけでなく、運行者、つまり運送会社にも罰則が課せられる。過積載をするたびに点数が累積され、車両の運行停止や社名の公表までされるうえに、荷主についても何度も行なっていると裁判となる。つまり、すべての関係者が罰せられるということになる。