KDDI、「UQモバイル」事業を統合 auのサブブランドに

KDDIは、格安スマホの「UQモバイル」事業を統合します。10月1日より、子会社のUQコミュニケーションズが手掛けるUQ モバイル事業を会社分割により継承します。

統合の理由についてKDDIは下記理由を挙げています。

グループ経営資源の集約による営業体制やサービス競争力の強化、事業構造の効率化

(「au」と「UQ mobile」の全国営業拠点を再編、統合し、地域に根付いた営業体制を構築)

5G本格化に向けた経営資源の効率化

「UQ mobile」において、KDDIが提供する金融・コマース・決済(au PAY)などのライフデザインサービス群とのシナジーを創出し、新たな顧客体験価値を提供

UQモバイル事業を手放す格好のUQコミュニケーションズは、WiMAX 2+によるブロードバンド事業を継続します。KDDIの高橋誠社長によると、WiMAX 2+に用いている周波数帯のBand 41は利用効率が高く、5G対応を進めることで、ユーザーの高速通信ニーズに応えられ、安定した収益化を図れるといいます。

この事業統合により、KDDI本体が「au」そして「UQモバイル」という2つの通信サービスを直接提供します。ソフトバンクの「ソフトバンク」と「ワイモバイル」と同じ、大容量をメインに据えるメインブランド(au)と、低価格を重視するサブブランド(UQ)の展開となります。

この決断の背景について高橋誠社長は『お客様の多様化が進んでいる。これまで一律のターゲット層に向けた1ブランドという時代が続いていたが、多様化された市場には1ブランドで対応するより、複数のブランドで対応するのが自然。大容量のフルサービスを望まれる層にauを、低料金で安定したサービスを望まれる層にUQモバイルを提供する』と述べました。

ユーザーから見た変化『あまりない』

統合のユーザー側のメリットについては『これまでもauとUQモバイルでブランドをわけていたので、基本的には変わらない』(高橋社長)とコメント。一方で『いろんな意味で効率化が図れるので、中長期的には多様性を持ったターゲットにわかりやすい料金を提供できるようになる』と述べました。

なお、4月に商用MNOサービスを開始した楽天が、サービス開始初日にauローミング無料枠を月2GBから5GBに引き上げた件については『寝耳に水だった。これによって我々のローミングも使われる。設備の対応もあるので、容量の引き上げは事前に協議してほしいと楽天側に申し上げた』とコメント。なお『ローミング5GBは競争の観点から警戒しなければならない。UQのダブルブランド化も準備が整ったのでしっかり楽天に対抗していく』とも述べました。