ビジネスで生き残るためには、日々の勉強が欠かせない。しかし「資格を取得したい」「語学を習得したい」と思っても、仕事に追われて時間も体力もないという人も多いだろう。ならばグッズの力を借りて、効率よく勉強しよう。

■暗記マーカー、単語帳もIT化

終身雇用制度の崩壊、AI(人工知能)の進化……。時代はますます、ビジネスパーソンにとって過酷な状況へと変化していく一方だ。職場で少しでも長く生き延びるためには、資格取得や語学学習がこれまで以上に必要になってきた。だが、ただでさえ日中は(あるいは夜も)仕事で忙しいのだから、勉強をする時間もなければ、体力も残っていない。そんな悩みを抱えている人も多いはずだ。

写真=iStock.com/Neustockimages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Neustockimages

「受験生と違い、1日のうちわずかな時間しか勉強できないのが社会人のつらいところ。文房具や雑貨の力を借りて移動の合間やスキマ時間を活用し、いかに効率よく勉強するかが重要です。グッズを駆使すれば、時間管理や集中力アップ、モチベーションのキープだって可能になります」と解説するのは、サラリーマンとして企業で勤務するかたわら、文房具の魅力を紹介するウェブマガジン「毎日、文房具。」の編集長を務める高橋拓也氏だ。高橋氏自身の体験や感想を込めて、文房具やグッズを使って勉強の効率を上げる方法を教えてもらった。

■ITを活用した学習法

まずは、スマートフォン(スマホ)と連動した「IT文具」。「ぺんてるスマホ暗記文具シリーズ」の「アンキスナップ」と「スマ単」は、自分が覚えたい内容をピックアップして専用マーカーでなぞったり、専用ノートに書いたりした後に、アプリを使用して読み取って暗記に役立てる仕組みだ。

「アンキスナップ」は、テキストにマーカーを引いて色つきの透明下敷きで隠しながら暗記する従来の勉強法をデジタル化したもの。「スマ単」は、自分で書き出した単語や項目が、アプリによって自動的に単語帳になり、覚えたらチェックしていけるという優れものだ。どちらも専用の道具とアプリを用いて、スマホひとつで暗記学習ができるのだ。混雑した電車のなかでもスマートに勉強したい人や、勉強グッズを持ち歩きたくない、という人にオススメだ。

「スマホで勉強するために、まずは自分の手を使って作業することが面倒に感じる人もいるかもしれません。しかし、このひと手間が、学習内容の定着の鍵になる。準備の段階で暗記する対象に一生懸命向き合うことになるので、効率も上がる気がします」(高橋氏、以下同)

英単語暗記用の専用アプリなども多数存在するが、「アンキスナップ」や「スマ単」は、従来の手を使った学習法とITを活用した学習法のよいところを両取りできる文房具といえる。

移動中や外出先で、周囲の音が気になり集中して勉強や読書ができない。そんなときに役立つのが、「デジタル耳せん」やBOSEの「QuietControl 30wireless headphones」のように騒音をシャットアウトするグッズだ。電車の走行音やエアコンの送風音といった「環境騒音」だけをカット。人からの呼びかけの声や車内アナウンスなど、“聞きたい”音はきちんとキャッチできるのだ。

「BOSEのヘッドホンのノイズキャンセリングは桁違いに快適です。特に効果を発揮するのは電車や飛行機のなか。ヘッドホンを外したときに『外はこんなにうるさかったのか!』と驚くほどでした。ノイズキャンセリングのレベルをスマホで調節できる点も便利です」

■「強制力」は文房具で生み出せる

忙しい合間を縫って効率よく勉強するためには、自分で時間を管理しなくてはならない。そこで試してみたいのが、「時間を区切る」方法だ。時間割のように仕事や就寝、移動時間などのスケジュールを書き出し、それ以外のスキマの時間が何時から何時にあり、どのタイミングで何を学ぶかをあらかじめ決めておけば、なし崩し的に勉強が先延ばしになることもない。1日の学習内容をただリストアップしておくだけでは時間の管理がしにくいので、時計式ToDo管理ふせんの「ブルーダイヤル」のように初めから時間を意識したアイテムを使うのが便利だ。

せっかく時間を決めても、ついついスマホをいじってムダな時間を過ごしてしまっては意味がない。自分に甘い人は、強制的にスマホを触れないようにしてくれる「タイムロッキングコンテナ」を活用してみてはいかがだろうか。箱のなかにスマホやゲーム機のコントローラーなど勉強の妨げになるものを入れてロックすれば、自分が指定した時間までフタが開かなくなるのである。

学習計画や目標を立てることも、効率アップのひとつの方法だ。

「ビジネスパーソンは、日頃の仕事のなかで“いつまでに・何を・どこまで”作業すると計画を立てているはずです。勉強も、仕事と同じようにやるべきことを細分化し、期限を設定して計画を立てることが、目標達成への近道です。これは勉強以外に自分が使える時間を有効活用することにもつながります。学習計画を立てることを目的として作られた専用手帳『スタディプランナー』、計画を実行した日をマーキングしていく『ハビットトラッカー』は、日々の努力が可視化され達成感を得やすくなるので、モチベーション管理に役立ちます。逆に継続できていないときには、それが自分へのプレッシャーになります」

■大事な部分は赤、おもしろい部分は緑

集中力を高めたいと考えるときに、見落としがちなのが筆記用具の書き味だ。集中力を削がれる原因をグッズの力で回避することも大切、と高橋氏は指摘する。

「書き味が悪い筆記具や操作音がうるさい文房具は、集中力を削ぐ原因となります。書き心地がなめらかな筆記具を選ぶなど、ちょっとした不満を解消することが、集中力を高めることにつながります」

さらに高橋氏が注目しているのが、色だ。

「ここ数年、青い色が心を落ち着かせる鎮静効果と、集中力を高める効果があるといわれ、注目を集めています。もうひとつ注目している色が、緑色。大事な部分は赤、というのは基本中の基本ですが、緑色も上手に使うと、勉強の効率がさらに上がります。緑は『主観的に見て、自分がおもしろいと感じたり、興味を抱いたりしたことに線を引いたり、メモをしたりする』のに向いている色。ポイントは、自分がどう感じたかを書き残して記憶に定着させる、ということです。私自身もこの方法を実践してみたところ、暗記効率がグッと上がりました」

高橋氏がもうひとつ実践している勉強法がある。

「反復学習をするうえで大事なのが、間違った記録を残して振り返ることです。私は間違った問題と解説だけを小さなノートにまとめて空き時間に見ていました。通勤時間などでも確認できる小さくて薄いサイズがオススメです。理想のミニノートがほしくて、とうとう自分で『ダイアログノート』というオリジナル製品を作ってしまいました(笑)」

勉強するための時間を管理し、集中力を上げることができたら、次に鍵になるのが、集中力の維持だ。

「私は、眠たくなるとミントの香りでリフレッシュします。使いやすいスティック状のアロマ製品も増えて、手軽に香りで気分を切り替えられるようになりました」

高橋氏が愛用するのは、「ハーブオイル33+7 ロールオン」と「ノーズミント」。あともうひと頑張り、というときに心強いアイテムだ。

「みんなで一緒に勉強する学生時代と違い、社会人の勉強は案外孤独な自分との戦いです。甘えが出ても、叱ってくれる先生はいません。自分を律するためにも文房具の力を借りてみてください」

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盒饗麑
ウェブマガジン「毎日、文房具。」編集長
サラリーマンとして企業に勤めながら、文房具の素晴らしさを世界に発信。簿記2級、貸金業務取扱主任者などの資格を保有。

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■▼暗記系/IT文具の力を借りて、スマホひとつでいつでも暗記

■▼時間・目標管理系/「可視化」して自分を追い込む

■▼リフレッシュ系/香りの力でオン・オフを上手に切り替え

(ライター 吉田 彩乃 撮影=向井 渉)