第2世代AirPodsのレビューとハウツーなどをご紹介!

今年3月に発売されたAppleの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」の第2世代(以下、「第2世代AirPods」と表記)ですが、購入して以来フィールドテストを兼ねてさまざまに使い倒していたにもかかわらず、レビュー記事を書き忘れるという大失態を犯した筆者です。すみません。

ま、まぁ、あれですよ、3ヶ月間のロングテストを踏まえたレビューということで……。

笑えない笑い話はさておき、恥ずかしげもなく公然と“AirPods信者”を自称し、第1世代となるAirPodsから数えて3台もAirPodsを購入し続けている筆者にとって、第2世代AirPodsは見た目こそまったく同じであるのに、その使用感の圧倒的な違いに立ちくらむほどの衝撃を覚えました。なにしろ第2世代AirPodsは、語弊を気にせず表すなら「普通に使える」のです。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回は第2世代AirPodsの魅力やあまり知られていない小技、そして便利に使いこなすためのHow Toをお教えします。


未だに「うどん」や「チンアナゴ」と呼ばれてしまうAirPodsが市民権を得る日は来るのか


■「普通に使える」嬉しさ
第2世代AirPodsを使い始め、最初に驚いたのは遅延の少なさです。はじめに「普通に使える」と書いたのはまさにこの点のことで、ゲームなどのアプリの音声出力を第2世代AirPodsで聴いていても、遅延がほとんど気にならないのです。

初期型となる第1世代AirPodsでも不自然さを感じるほどの遅延はありませんでしたが、それでも音楽ゲームなどは少々厳しそうな印象がありました。しかし第2世代AirPodsでは圧倒的に遅延が減り、音楽ゲームも普通に遊べてしまうほどです。一般的なゲームアプリなどであれば、音の遅延は言われなければ気が付かないでしょう。

公式には第1世代AirPodsよりも30%遅延を低減したとのことですが、体感ではさらに短くなっているような印象すらあります。明らかにズレを感じる遅延量とズレを感じさせない遅延量の境界線が、丁度第1世代と第2世代の間にあるような感覚です。


試しに「アイドルマスター・シンデレラガールズ」をプレイしてみたが違和感はほぼない


音質に関しても第1世代から若干改良された印象です。

絶対値としての音質では、Bluetooth接続によるAACコーデック圧縮を行っているため改善にも限界がありますが、第1世代AirPodsよりも音圧が若干高く、同じ音量設定だと第2世代AirPodsのほうが少し大きめに聴こえます。

特に高音部の伸びと低音部の張りを僅かに強調するチューニングが施されており、良くも悪くもフラットな音質だった第1世代AirPodsよりも街中や電車の中など、高周波と低周波のノイズ(騒音)の多い場所でのリスニングに合わせた良調整だと感じられました。


静かな場所で聴くと、高音部と低音部が若干騒がしく感じることもある


■歩きながらでもバッテリー残量が分かる。そう、AirPodsならね
ではAirPodsの便利な使い方や小技などをお教えしましょう。まずはバッテリー容量の確認です。

基本的にはiPhoneとの接続時にホーム画面やロック画面で右にスワイプして表示できる「ウィジェット画面」にバッテリー残量が表示されますが、iPhoneを操作しなくてもAirPodsの充電ケースをロック解除したiPhoneに近づけ、ケース蓋を開けるだけでバッテリー残量は確認できます。


バッテリー残量表示はAirPods本体と充電ケースの状態によって表示が変化する


また、第2世代AirPodsからはSiriの音声呼び出しにも対応しているため、街中を歩いている際などiPhoneの画面を見られない場面では、「Hey, Siri」と呼びかけてSiriを起動し「AirPodsのバッテリー残量は?」と尋ねるだけで、音声で教えてくれます。

充電ケースのバッテリー残量も一緒に知りたいときは、「AirPodsのバッテリー容量は?」と尋ねると、AirPods本体のバッテリー残量と共に教えてくれます。

なお第1世代AirPodsの場合は、後述するダブルタップ操作の変更でSiriの呼び出し操作を設定すれば、iPhoneなどの親機の操作をせずに音声でバッテリー残量を知ることができます。


音声コマンドの微妙な使い分けも覚えると便利だ


このほかSiriを使った音声のみのアシスタント活用例としては、天気予報やメモの作成、目的地までのナビゲーションなどがあります。

街中などでの音声操作は若干恥ずかしさを感じる方もいますが、慣れれば非常に便利な機能です。iPhone本体を取り出さずに行える操作を覚えておくと良いでしょう。


外出時に限らず、iPhoneを手に持たずにできることは意外と多い


■ダブルタップ操作を使いこなそう!
もう1つ、意外と知られていないのがAirPodsのタップコマンドの変更です。

AirPodsは本体の軸の部分をダブルタップすることで音楽を再生したり音声着信を受けたりすることができますが、このダブルタップで起動する動作を好みの動作へ変更することができます。

やり方は、AirPodsをiPhoneなどに接続した状態で「設定画面」から「Bluetooth」を選択し、「自分のデバイス」一覧に出ているAirPodsの右側にあるインフォメーションアイコン(「i」マーク)をタップすると「AIRPODをダブルタップ」という項目があるので、そこから選択します。

ダブルタップに設定できる操作は「Siri(の音声呼び出し)」、「再生/一時停止」、「次のトラック」、「前のトラック」、「オフ(何も操作しない)」の5つです。電話の音声着信時などは、設定に関係なくダブルタップで通話開始・通話終了が可能です。

左右のAirPods本体に、それぞれ別のダブルタップ操作を設定できるため、左ではSiriの呼び出し、右では音楽の再生および一時停止といったように、自分の使いやすい操作を設定しましょう。


個人的にはダブルタップ操作に「音量を上げる/下げる」が欲しいところ


■さらなる小技や今後のアップデートも
さらには、左右のAirPodsを交互に使ってバッテリー持続時間を大幅に伸ばす、という超小技もあります。

第2世代AirPodsは音楽聴取で連続最大5時間、通話では連続最大3時間利用可能となっており、充電ケースを併用した場合は24時間利用可能としています。

しかしAirPodsは左右どちらか片方だけでも音楽聴取や通話が可能なので、一般的なBluetoothヘッドセットのように片耳のみで使用しつつ、バッテリー容量が減ってきたところで左右を交換すれば、圧倒的に長時間利用することができます。

音楽聴取ではなく通話などのBluetoothヘッドセットとしての利用が多いのであれば、こういった使い方も悪くありません。


流石に2倍の48時間使えるようになるわけではないが、それでもかなり節電できる


実は第2世代AirPodsはまだ機能を2つ隠し持っています。……と言っても、それは今年秋に公開が予定されているiPhone用OS「iOS 13」で追加される機能のことです。

1つは「オーディオ共有」です。1つのiPhoneに2組のAirPodsを接続できるというもので、音楽聴取や動画の音声などを2人で共有することができます。音量調整もそれぞれのAirPodsごとに可能で、家族や友人と音楽を楽しむシーンが広がりそうです。


家族や友人にAirPodsを持っている人がほとんどいない筆者には無縁の機能であった(哀)


もう1つはSiriによるメッセージの読み上げ機能です。公式では、

メッセージアプリケーションやSiriKitに対応したほかのメッセージアプリケーションで受信した時にSiriにメッセージを読ませることができます。

とアナウンスしており、LINEのようなSNSアプリからメールまで、幅広く対応することが期待されます。またアプリによっては音声認識によってそのまま返信することも可能とのことなので、AirPodsを便利に使える代表的な機能の1つとなりそうです。


iOS 13は今秋提供予定だが、評価用の一般向けβ版が6月26日に公開されている


AirPodsはファッションアクセサリーである
「ワイヤレスヘッドフォンの再発明」を謳い、完全ワイヤレスイヤホン市場を一気に開花させたAirPodsは、第2世代で大きく進化しました。

デザインは第1世代から全く変えずに充電ケースなどの互換性を保ち、第1世代から非常に安定して全く途切れることがなかったBluetoothの接続性もそのままに、僅かに違和感を残していた音声遅延が軽減され、さらに接続時のシームレスさにも磨きをかけたことで、「デバイスを使う」という動作への気負いを全く感じさせない完成度に仕上げてきました。

通常「イヤホン」と言えば、「カバンを開き、丸くまとめたケーブルを引っ張り出し、ケーブルをほどき、スマートフォン(スマホ)へつなぎ、ケーブルを引っ掛けないように注意しつつ耳に装着し、スマホを操作して音楽を再生する」という長く面倒な動作が必要です。

しかしAirPodsの場合、「ポケットからAirPodsの充電ケースを取り出し、AirPodsを耳に装着してダブルタップする」だけで終わります。

その動作&操作に微塵の滞りも待ち時間もありません。嘘偽りなく僅か7〜8秒で全てが完了します。物理的に電源スイッチを入れる必要もなく、iPhone本体に触れる必要もなく、それは服を着る動作よりも簡単です。

眼鏡を着けるのと何も変わりません。デバイスと言うよりはファッションアクセサリーに近いものです。

筆者は以前より「AirPodsはファッションの一部である」という持論を持っていますが、デバイスであることを意識させているうちはファッションアクセサリーではないとも考えます。例えば腕時計はウェアラブルデバイスですが、そのように意識する人は居ないでしょう。だからこそ腕時計はファッションアクセサリー足り得ると考えるのです。

その点において、第2世代AirPodsは見事にファッションアクセサリーとしての条件をクリアしていると感じています。


デバイスとファッションアクセサリーの境界線とは


第2世代AirPodsの発売は第1世代AirPodsから2年以上も経っており、1台目に購入したAirPodsのバッテリーが寿命を迎えてしまった筆者は「ええい次期AirPodsはまだか!」と憤慨しつつも2台目を購入し、その僅か2ヶ月後に第2世代AirPodsが発表されたために急遽追加購入したという経緯があります。

しかしその素晴らしい完成度から、この3ヶ月間に「無駄な出費であった」などと後悔することは一度もありませんでした。

むしろあまりの使いやすさに家にいるときでさえも使用していたり、仕事に集中する際には極小さな音量で作業用BGMを流しつつ、周囲の音を適度に遮音して効率化を図るために使用することもしばしばです。外を歩くとき、AirPodsを着けていないと逆に耳元に違和感を覚えるほどです。

これにメッセージの読み上げ機能まで付いてしまったら、もはや耳から外せなくなるかもしれません。iOS 13の正式な登場が待ち遠しいです。


AirPodsはファッションアクセサリーだが、筆者に似合うとは一言も言っていない


Apple AirPods with Wireless Charging Case (最新モデル) [エレクトロニクス]
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2019-03-27



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記事執筆:秋吉 健


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