ソニー開発者がこだわった音楽と会話を同時に楽しめ、周囲の音に自動で音量調整する革新的イヤホン「Xperia Ear Duo」
「Xperia Ear Duo XEA20」の最大の特徴は、音楽を聴きながら周囲の音も聞くことができるイヤホンだということ。
カナル型イヤホンのように耳を完全にふさぐ構造でないため、音を聞きながら周囲の音を聞くことができる「デュアルリスニング」という、ソニーらしい新しいリスニング方法を提案しているのだ。
また「Xperia Ear Duo XEA20」は、 「下掛け」スタイルという外見的なオリジナリティも、もう1つの特徴だ。
このデザインは、耳への負担が少ないうえに、さまざまな耳の形にフィットでき、快適な装着感を得られる。
「Xperia Ear Duo XEA20」は、これまでのイヤホンとは発想の異なる思考から開発、生み出されたイヤホンだ。
今回、
「Xperia Ear Duo XEA20」の企画担当である
ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 スマートプロダクト部門 商品企画課 八木泉氏
開発担当である
同社 スマートプロダクト部門 システム2課 統括課長 平則顕氏、同社 ソフトウェア部門 SW開発5部 Companion課 石田明寛氏
両氏に、お話をうかがった。
■デュアルリスニングの体験を提供したい
ソニーモバイル八木氏は「Xperia Ear Duo XEA20」の特徴について、
「一番の特徴は、周囲の音を聞きながら、音楽やアシスタントの音声を聞ける“デュアルリスニング”が楽しめるところです。」と語る。
初めて商品コンセプトを発表したのは2017年のモバイルワールドコングレス。
「Xperia Ear Duo XEA20」には、ソニーの技術・研究開発のプログラム“Future Experience Program™”で開発が進められていたソニー独自の音導管設計を搭載している。
“Future Experience Program™”のコンセプト「N」の付属品として、ソニー独自の音導管設計を採用した耳を塞がないオープンイヤホンが研究開発されており、その技術がソニーモバイルの新商品のコンセプトにマッチし、良い商品ができると感じていたそう。
さらに片耳で聞く「Xperia Ear XEA10」のユーザーからも、「常に耳に付けているからには音楽も楽しみたい」との要望が多くあったことも「Xperia Ear Duo XEA20」の製品の開発を後押しした。
カナルイヤホンのように完全にまわりの音を遮断してしまうと、フェイストゥフェイスのコミュニケーション、つまり周囲とのコミュニケーションを妨げてしまうことになる。
このため「Xperia Ear Duo XEA20」はオープンタイプのイヤホンとなっている。
周囲の音が聞こえるイヤホンといえば、骨伝導イヤホンがある。
八木氏によれば、「Xperia Ear Duo XEA20」は、
・音質が良い
・音漏れがしづらい
という2点が、骨伝導イヤホンとの大きな違いだという。
確かに「Xperia Ear Duo XEA20」で音楽を聴くと、頭の中で響いているような視聴感がある。
筆者が所有している骨伝導イヤホンに比べて音質の良さを感じる。さらにボリュームを上げても、音漏れしないので、周囲を気にする必要がない。
八木氏は、
「骨伝導イヤホンはスポーツシーンなどでは良いですが、近づくと音漏れが気になることもあります。Xperia Ear Duoは満員電車など日常生活でも使っていただきたい商品なので、周りに不快感を与えないために音漏れの低減にもこだわっています。」と太鼓判を押した。
デュアルリスニングは、音楽と周囲の音、この2つを一緒に聞くことができる。
・通勤通学時でも、音楽と同時に駅のアナウンスが聞きとれる
・仕事中に音楽を聴きながらでも、同僚と会話ができる
・アウトドアでも音楽を聴きながら、自然の音も楽しめる

「Xperia Ear Duo XEA20」の開発経緯について語る、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 スマートプロダクト部門 商品企画課 八木泉氏
■ユーザービリティを考えたデザイン
「Xperia Ear Duo XEA20」のデザイン的な特徴は、
・下掛けスタイル
・完全ケーブルレス
・安定した装着性
この3つ。
特に下掛けスタイルは、今までのイヤホンに無かったオリジナリティのあるスタイルである。
どのようにして「Xperia Ear Duo XEA20」のデザインは生まれたのだろうか?
ソニーモバイル平氏は、
「ソニーのオーディオ部門の技術者といくつも試作品を起こして、音漏れや音の聞こえ方などを評価しながら開発を進めました。そこにソニーモバイルとしてのコミュニケーション部分をミックスして商品を完成させました。」
人の耳の形状は、人によって違う。
ソニーは数多くの実耳の型(耳型)を持っており、人間工学に基づき、最終的な提案として下掛けスタイルを導きだしたという。

いくつも試作品を起こして、音漏れや音の聞こえ方などを評価しながら開発を進めた
八木氏は、
「上掛けですと、人によって耳のサイズのバラつきが大きく、サイズの調整が必要となります。下掛けですとワンサイズで多くの方にお使いいただけますし、メガネと干渉しません。女性の中にはイヤリングを付けている方もいますが、そういった日常のスタイルにもマッチさせることができます。」
確かにメガネやマスクをしていても、下掛けスタイルの「Xperia Ear Duo XEA20」であれば干渉することは少ない。
「Xperia Ear Duo XEA20」の本体は「大きい」と見えるが、実際に耳に装着すれと見える部分は「管」のみと少なく、目立たない。
また、ほかの人から見ると、耳が塞がれていないことが見てわかるため、気軽に話しかけやすい効果もある。
「Xperia Ear Duo XEA20」は、そういった見られる印象から本体カラーにも気を配っている。
・ブラック
・ゴールド
という2色での展開は、髪や肌に馴染むカラーを意識しているためなのだ。

ユーザービリティについて語る、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 スマートプロダクト部門 システム2課 統括課長 平則顕氏
デザイン的なこだわりについてソニーモバイル平氏は、
「装着性や安定性でかなりこだわったところがあります。ソニーのオーディオ部門とかなりデザインを突き詰めて開発を進めてきました。リングサポーターも2種類のシリコン素材を使っていて、根元は硬いですが、耳に触れる部分は柔らかくしています」
「Xperia Ear Duo XEA20」の装着方法は、
・耳たぶを横に引っ張ってから、装着する
・耳の穴にはめてから、耳を入れる
など、実は、人によって装着しやすい方法が異なる。
耳の形によっては、片手でも簡単に装着できる人もいるという。
筆者も最初の装着には苦労したが、自分の耳の装着方法を一度覚えれば、さほど難しくはない。
最初は戸惑うかもしれないが、慣れると快適になるから不思議だ。
「Xperia Ear Duo XEA20」の操作は、タッチ方式が採用されている。
タッチするだけでボリュームを調整したり、アシスタントに話しかけたりすることができる。

ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 ソフトウェア部門 SW開発5部 Companion課 石田明寛氏
■スマートな操作性を実現するための技術とは
「Xperia Ear Duo XEA20」は、スマートな操作性を実現するために様々な技術が組み込まれている。
そのひとつが4つのマイクだ。
ソニーモバイル平氏は、
「マイクがそれぞれ左右に2個ずつ搭載されています。騒音下でも、自分の声をクリアに拾え、音声コマンドの認識率も高める効果があります。」
この2個ずつ搭載されているマイクは「クアッドビームフォーミングマイク」と言われるものだ。
これら4つのマイクで音声を拾い、ノイズを分離し、ユーザーの声をクリアにするのだ。
「Xperia Ear Duo XEA20」では、確かにささやくような小声でも、音声アシスタントは反応してくれるし、クリアな音声で通話もできる。またAndroidではAssistant for XperiaやClova、Google™など、そしてiPhoneではSiriに音声コマンドで操作もできるため使い勝手が向上する。
意外に便利なのが「アダプティブボリュームコントロール」の機能だ。
この機能はデフォルトではオフだが、オンにすれば、
周囲の音量が大きかったり、うるさかったりする場所では、ボリュームが上がるのだ。
そして周囲が静かになると、ボリュームを下げてくれる。
つまり、周囲の環境に合わせて音量を自動調整してくれるというわけだ。
ソニーモバイル石田氏は、
「これはスマートな操作性を実現するひとつの技術ですが、一瞬だけうるさいところでボリュームを上げたり下げたりするのを手動で行うのは手間です。面白い機能なので、ぜひ、試して欲しいと思います。」
これほど便利なのに、なぜデフォルトでオフなのだろうか?
ソニーモバイル石田氏によれば、同機能を知らない人の場合、機器の故障と勘違いするからだそうだ。
さらにユーザー自身でオンにすることで、「アダプティブボリュームコントロール」の便利さを意識して欲しいのだという。
「アダプティブボリュームコントロール」は、日常生活の中で、かなり役に立ちそうだ。
たとえば、キッチンで洗い物をするシーンでは、
・水を出したときにはボリュームがあがる
・水を止めるとボリュームが下がる
洗い物をした手で操作することなく、音量調整できるので、家事を妨げずに音楽も聴けるというわけだ。
またAndroid端末であれば、問いかけに答えるだけでなく、自らユーザーに語りかける「デイリーアシスト」機能も搭載する。
例えば朝はニュースや天気などの情報を届け、職場に到着すると次の会議の予定を読み上げるなど、ユーザーの状況を認識して最適な情報を自ら届けてくれるのだ。
ソニーモバイル石田氏は、
「場所や時間などに応じてデイリーアシストの言葉1つ1つに様々な仕掛けを入れています。声は生声と機械音を織り交ぜていますが、お客様にはそれが分からないように工夫しているほか、喋る尺にも気を付けています。お客様が聞いていて心地いいように細部までこだわっています。」
専用アプリに誕生日を入力する項目がある理由は、その日を迎えるとデイリーアシストが「今日のひとこと」で様々なシークレットメッセージを言ってくれるからだ。
最後に「Xperia Ear Duo XEA20」の今後について、うかがってみた。
ソニーモバイル八木氏は、
「いろんなことをアップデートしていけたらと思います。八芳園とのコラボレーションや、JALでの実証実験のようなコラボレーションを今後も増やしていきたいです。楽しみにしていてください。」

「Xperia Ear」では、
・アシスタントの音声として「劇場版ソードアート・オンライン」のアスナ
・「冴えない彼女の育て方」の加藤恵のプラグイン
などといったコラボがあった。
個人的には、こうしたプラグインを実現して欲しいところだ。
これまでのイヤホンの常識を覆した「Xperia Ear Duo XEA20」には、新しい可能性が秘めている。
今後の展開に注目したい。
ITライフハック 関口哲司

