豊かな自然を描く美しい風景描写、個性的なキャラクター設定、視聴者に訴えかける濃厚なストーリー。スタジオジブリの独特のタッチと世界観は、国境や世代を超えて人々の心を魅了してやみません。すでにジブリの作品はすべて視聴済み、という方も多いのではないでしょうか。今回はそんなジブリファンをもうならせる、スタジオジブリ以外が制作した名作アニメ20選をご紹介します!

1. おおかみこどもの雨と雪

東京の大学に通う女子大生の花(はな)は、ある日、教室に忍び込んでいる「おおかみおとこ」と出会った。2人は恋に落ち、狼に変身する能力を持つ「おおかみこども」を授かるも、その後、「おおかみおとこ」が死んでしまう。

花はシングルマザーとして2人を育てることを決め、人里離れた田舎町に移住する。里の人たちの力を借りながら生活、2人の子どもも無事に小学校生になったが…。

ファンタジックな設定を採用しつつも、主人公の花が恋愛し、子育てを通じて成長していく13年間をリアルに描いたアニメ映画。監督は『ポスト宮崎駿』とも評される細田守氏で、自然豊かな土地を舞台に繰り広げられる心温まるストーリーを楽しめます。

狼とも人間ともいいがたい存在として生まれてしまった「おおかみこども」たちのドラマティックな運命も必見。1人(もしくは1匹)の子どもであるにもかかわらず、勇気を持って人生の決断を下す姿には心を打たれるはず。

≪作品概要≫
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子、細田守
原作:細田守
製作:阿佐美弘恭、高田佳夫、齋藤佑佳、植木英則、井上伸一郎、弘中謙、平井文宏、藤本鈴子、市川南、岡田浩行
製作総指揮:城朋子
音楽:高木正勝
編集:西山茂
制作会社:スタジオ地図
配給:東宝
公開:2012年7月21日

2.時をかける少女

女子高生の紺野真琴(こんの・まこと)はある日、自転車の故障による踏切事故をきっかけに、記憶の確かな過去に飛ぶタイムリープができるようになり、些細な不満や欲望の解消のために日常的に使用していた。

真琴はクラスメイトである間宮千昭(まみや・ちあき)、津田功介(つだ・こうすけ)との友人関係が続けばいいと思っていたが、ある日、千昭に告白をされてしまう。いつものようにタイムリープで解決していくうちに、次第に状況はややこしくなってしまい…。

原作はこれまでにもドラマ、映画化されている筒井康隆氏のSF小説で、その約20年後の世界を描いています。原作のヒロイン・芳山和子も、真琴の叔母として登場。今作は超能力を題材に高校生たちの恋愛模様を描いた、甘酸っぱいストーリーになっています。キャッチコピーは「待ってられない 未来がある」。

公開当初は興行、宣伝規模が小さかったものの、口コミによって人気を獲得。製作されたテープが少なかったために9か月にもわたる興行が行われました。

≪作品概要≫
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
製作:渡邊隆史
齋藤優一郎
製作総指揮:角川歴彦
出演者:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、垣内彩未、関戸優希
音楽:吉田潔
配給:角川ヘラルド映画
公開:2006年7月15日

3.サマーウォーズ

舞台は自分のアバターを使って、ゲームやショッピング、行政手続ができるインターネット上の仮想世界「OZ(オズ)」が一般化した世界。高校2年生の小磯健二(こいそ・けんじ)は、先輩の篠原夏希(しのはら・なつき)から、あるアルバイトに誘われた。曽祖母である陣内栄(じんのうち・さかえ)の誕生日に実家で親族の集まりがあり、そこで婚約者のふりをしてほしいのだという。

2人で長野県の実家に滞在するが、ある日、健二を騙る何者かが世界を混乱に陥れてしまい、集まっていた一同は一致団結して世界の危機に立ち向かうこととなる…。

細田守氏、奥寺佐渡子氏、貞本義行氏らアニメ映画『時をかける少女』のスタッフにより製作されたアニメ映画。小磯健二、篠原夏希らが世界を救うために奮闘する青春感の強い作品です。

インターネットの発達した近未来を舞台にしていますが、そのモデルは細田氏の妻の実家がある長野県上田市で、自然豊かな情景も。キャッチコピーは 「これは新しい戦争だ」「つながりこそが、ボクらの武器」。

≪作品概要≫
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
製作:高橋望、伊藤卓哉、渡辺隆史、齋藤優一郎
製作総指揮:奥田誠治
音楽:松本晃彦
編集:西山茂
制作会社:マッドハウス
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2009年8月1日

4.未来少年コナン

舞台は、強大な威力を持つ「超磁力兵器」を使った戦争により文明が崩壊してしまった地球。主人公のコナンは並外れた身体能力を持つ12歳の男の子。「のこされ島」で暮らしており、一緒に生活している「おじい」以外の人間を見たことがなかった。

ある日、「のこされ島」の海岸にラナが漂着した。彼女は「超磁力兵器」が誕生するきっかけとなった太陽エネルギーの開発者の1人である祖父とテレパシーで会話することができた。そのために拉致されてしまい、逃げ出してきたのだという…。

スタジオジブリの設立者である宮崎駿氏の初監督作品とされるTVアニメ。演出としてクレジットされていたものの、事実上の監督を務めたとされています。原作はアメリカの作家、アレクサンダー・ケイ氏の小説『残された人々(The Incredible Tide)』。本郷みつる氏や摩砂雪氏、井上俊之氏、田中達之氏など数多くのクリエイターに影響を与えたことでも有名。

≪作品概要≫
監督:宮崎駿
シリーズ構成:宮崎駿
脚本:中野顕彰、吉川惣司、胡桃哲
キャラクターデザイン:宮崎駿、大塚康生
メカニックデザイン:宮崎駿、大塚康生
製作:本橋浩一(日本アニメーション)
放送局:日本放送協会(NHK)
放送期間:1978年4月4日〜10月31日

5.ふしぎの海のナディア

時は1889年。世界各地の海で謎の巨大生物「海獣」が出没し、人々は恐怖していた。発明好きの少年・ジャンの父親も、「海獣」によって行方不明になっている。

ジャンは、万国博覧会のためにパリを訪れた際、サーカスで育った少女・ナディアに出会い、一目惚れしてしまう。ジャンは友達になろうと後を追うが、そこに彼女が持っている宝石「ブルーウォーター」を狙うグループが現れる。ジャンが自分の開発した飛行機でナディアを助けたことをきっかけに、2人の旅が始まった…。

宮崎駿氏が『未来少年コナン』の続編とした準備した企画『海底世界一周』をベースに、庵野秀明総監督のもと製作された作品。同企画はスタジオジブリでも『天空の城ラピュタ』として作品化されています。

フランスの小説家、ジュール・ヴェルヌの 『海底二万里』『神秘の島』を原案としており、作中には神話や伝説、オカルトに加えSF作品、映画、アニメなどのパロディーが多数取り入れられています。

≪作品概要≫
総監督:庵野秀明
監督:樋口真嗣
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:鷺巣詩郎
アニメーション制作:東宝・KORAD
製作:日本放送協会(NHK)
放送局:NHK放送センター
放送期間:1990年4月13日〜1991年4月12日

6. 山賊の娘ローニャ

マッティスは先祖代々、山賊稼業をしている男で、「マッティス山賊」の首領。森に囲まれた山の頂上にある、廃墟となった城を住処に、商人を襲って生活していた。そのひとり娘であるローニャは山賊の中で成長し、1人で森に行けるようになってからは、両親の助けを借りながら森のなかで生きる術を学んでいった。

ある日、ローニャはビルクと出会った。彼はマッティスと対立する山賊の首領ボルカの息子だったが、マッティス山賊の知らないあいだに、城に引っ越してきてしまったのだ…。

宮崎駿氏の息子である吾朗氏が、"武者修行"としてスタジオジブリ以外で監督を務めた作品。中世ヨーロッパのキリスト教を題材にした堀田善衛氏の小説『路上の人』のTVアニメ化を断念したのち、子ども向けのTVアニメとして制作されました。原作は『長くつ下のピッピ』『ロッタちゃん』シリーズなどで知られるスウェーデンの作家、アストリッド・リンドグレーンの同名の小説。

≪作品概要≫
監督:宮崎吾朗
シリーズ構成:川崎ヒロユキ
脚本:川崎ヒロユキ
キャラクターデザイン:近藤勝也
音楽:武部聡志
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
製作:NHK、ドワンゴ
放送局:NHK BSプレミアム
放送期間:2014年10月11日〜2015年3月28日

7. ロミオの青い空

舞台は19世紀後半のヨーロッパ。11歳の少年・ロミオはイタリアとの国境に近くにあるスイスのソノーニョ村で、家族とともに貧しいながらも幸せな生活を送っていた。しかし、一家は悪人の陰謀により畑を失ってしまい、ロミオは煙突掃除夫としてミラノに行くことになった。

大変な煙突掃除の仕事や不良少年団との争いなど厳しい生活が続いたが、ロミオは煙突掃除の仲間や親方の娘アンジェレッタの支えでなんとか暮らしていく。そして、煙突掃除に従事する少年たちとともに、「黒い兄弟」という同盟を結成することとなる…。

「フランダースの犬」「赤毛のアン」などで知られる「世界名作劇場」シリーズのTVアニメ。人身売買や少年労働により過酷な境遇に置かれた少年たちの友情や成長を描き、名作揃いの同シリーズの中でも高く評価されている作品です。2002年には原作となった「黒い兄弟」(リザ・テツナー/ドイツ)の復刊も行われました。

≪作品概要≫
原作:リザ・テツナー
監督:楠葉宏三
脚本:島田満
キャラクターデザイン:佐藤好春
音楽:若草恵
製作:フジテレビ・日本アニメーション
放送局:フジテレビ系列
放送期間:1995年1月15日〜12月17日

8. 秒速5センチメートル

遠野貴樹(とおの・たかき)の初恋の相手は、クラスメイトの篠原明里(しのはら・あかり)。2人には親の仕事の都合で転校が多い、身体が弱い、図書館で本を読むのが好きなどの共通点があり、互いに思いを寄せていた。

しかし、小学校卒業後、明里は栃木県、貴樹が鹿児島県へと転校し、離れ離れになってしまう。高校、大学を経て社会人になっても、貴樹は明里のことを忘れられなかった…。

小学校のときに出会った2人の恋の行く末をテーマにした連作アニメ映画。『桜花抄』『コスモナウト』『秒速5センチメートル』の3編にわたって、自問自答しながら近づいていく遠回りの恋模様を描いています。タイトルになっている『秒速5センチメートル』とは、桜の花びらが落下する速度のことです。

監督は『雲のむこう、約束の場所』『星を追う子ども』などで知られる新海誠氏。同氏の作品の特徴である緻密な風景描写が今作でも活かされており、美しいアニメ映像が楽しめます。

≪作品概要≫
監督:新海誠
脚本:新海誠
製作総指揮:新海誠
音楽:天門
配給:コミックス・ウェーブ
公開:2007年3月3日

9.星を追う子ども

渡瀬明日菜は山間で、母と2人暮らしをしている少女。ある日、怪獣に襲われたところを「アガルタ」から来たという少年シュンに助けられる。2人は明日菜の作った秘密基地で再会することを約束するが、シュンは死んでしまう。

ある日、明日菜は森崎竜司(もりさき・りゅうじ)から、世界各地には莫大な富や死者を復活させる技術を持つ地下世界の伝承があり、「アガルタ」はそのひとつなのだと聞く。森崎は「アルカンジェリ」という組織に所属しており、亡くなった妻を生き返らせるために、アガルタへの入口を探しているという。その後、明日菜と森崎は地下世界へと旅を始めることになったが…。

新海誠監督によるアニメ映画で、地上の世界とは異なる文明、技術を持つ地下世界での冒険を描いています。同氏の作品のなかでもファンタジー、アクション要素が強いのが特徴。美しい映像や音楽を使って、繊細に表現した神話的な世界観が魅力の作品です。キャッチコピーは 「少年は憧れ、少女は旅立つ」「それは、“さよなら"を言うための旅」。

≪作品概要≫
監督:新海誠
脚本:新海誠
音楽:天門
製作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:メディアファクトリー、コミックス・ウェーブ・フィルム
公開:2011年5月7日

10. 言の葉の庭

主人公は靴職人を目指す高校1年生、秋月孝雄(あきづき・たかお)。雨の日の午前中は学校をサボって、庭園で靴のデザインを考えるという習慣があり、ある雨の日、朝からチョコレートを片手にビールを飲んでいる雪野百香里(ゆきの・ゆかり)に出会った。

孝雄が声を掛けると、百香里は万葉集の短歌『雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』を言い残して去ってしまった。2人は雨の日の午前中だけの交流を重ねていく。梅雨が明けると、会う機会が無くなってしまったが…。

監督は新海誠氏。地雨や夕立、天気雨、豪雨など、さまざまな雨の様子をアニメーションで再現しており、同氏の美しい映像表現が際立つアニメ映画。

万葉集の研究者・倉住薫氏が制作に協力しており、作中には万葉集の作品がいくつも登場。短歌の世界を通じて、大人びた高校生とミステリアスな女性の恋模様を描いています。キャッチコピーは 「“愛"よりも昔、“孤悲(こい)"のものがたり」。

≪作品概要≫
監督:新海誠
脚本:新海誠
原作:新海誠
製作:川口典孝
音楽:KASHIWA Daisuke
撮影:新海誠
編集:新海誠
製作会社:新海クリエイティブ
コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝映像事業部
公開:2013年5月31日

11. ももへの手紙

舞台は、広島県呉市の大崎下島をモデルにした小さな島の港町。小学6年生の宮浦もも(みやうら・もも)は、父親が事故死したことをきっかけに、東京から引っ越してきた。父親は 「ももへ」と宛名だけ書いた手紙を残しており、ももは父親の突然の死が受け入れられずにいた。新しい生活にも馴染むことができなかった。

ある日、ももの元にイワ、カワ、マメという3匹の妖怪が現れ、家に住み着いてしまった。食いしんぼうでわがままな妖怪たちにももは困惑するが、彼らには大切な使命があった…。

ふとしたきっかけで妖怪が見えるようになってしまったももが、自然豊かな港町で3体の妖怪と交流する様子を描いたアニメ映画。家族愛をテーマにしており、ももが周囲に人との絆を取り戻して成長していくストーリーです。キャッチコピーは「気がつけば、私、ひとりじゃなかった」。

妖怪のキャラクターデザインはかわいい系ではありません(むしろリアル系)が、どこか抜けていたりマイペースだったりと人間味があり、見ているうちに愛着が湧いてくるはずです。

≪作品概要≫
監督:沖浦啓之
脚本:沖浦啓之
原案:沖浦啓之
音楽:窪田ミナ
撮影:田中宏待
編集:植松淳一
配給:角川映画
公開:2012年4月21日

12. 河童のクゥと夏休み

小学5年生の上原康一(うえはら・こういち)は、夏休み前のある日、300年ものあいだ石の中に閉じ込められ、仮死状態になっていたカッパの子どもを見つけた。家に連れて帰り、「クゥ」と名付けて共同生活を始めた。人間は怖い生き物だと教わってきたクゥは警戒心を抱いていたが、上原家の温かさに触れて次第に心を開くようになる。

クゥの古風な考え方に影響され、康一が成長していく一方で、クゥは現代の日本になじむことができず、次第に元気がなくなっていった。そんなある日、クゥの元に沖縄に住むキジムナーからある手紙が届いた…。

原作は木暮正夫による児童文学作品「かっぱ大さわぎ」「かっぱびっくり旅」。カッパの存在を通じて環境問題やいじめをはじめとした社会問題を取り上げたアニメ映画です。

新しい友だちと夏休みを満喫する小学生というほのぼのしたテーマを採用しているものの、現代日本の問題点を風刺しており、大人も楽しめる作品になっています。

≪作品概要≫
監督:原恵一
脚本:原恵一
原作:木暮正夫
音楽:若草恵
撮影:箭内光一
編集:小島俊彦
制作会社:シンエイ動画
配給:松竹
公開:2007年7月28日

13. カラフル

死んでしまった"ぼく"は、突然現れた天使により人生を再挑戦する機会を与えられ、自殺した中学3年生、小林真(こばやし・まこと)の体に入り込んだ。彼は家族の不仲や密かに想いを寄せている桑原ひろか(くわばら・ひろか)が、援助交際をしていることから自ら命を絶ったのだという。

生前の真は勉強も運動も苦手でコンプレックスが強かったが、"ぼく" になった真はそれまでとは違う振る舞いをする。真の人間関係が変わっていくうちに、"ぼく" にも変化が起きていく…。

『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』『河童のクゥと夏休み』などを手掛けた原恵一監督によるアニメ映画。東京都世田谷区の等々力、二子玉川を舞台にしており、さまざまな地名が実名で登場します。

学生の自殺や援助交際を取り上げた、思わず考えさせられてしまうストーリーが魅力の作品です。海外でも高く評価されており、「第35回アヌシー国際アニメーション映画祭」「第4回ソウル国際家族映像祝祭」などで受賞。

≪作品概要≫
監督:原恵一
脚本:丸尾みほ
原作:森絵都
製作:瀬田裕幸、河口佳高、杉山豊、岩上敦宏、佐野弘明、山内章弘
音楽:大谷幸
撮影:箭内光一
編集:小島俊彦
制作会社:サンライズ、アセンション(アニメーション)
製作会社:フジテレビジョン、サンライズ、電通、アニプレックス、ソニー・ミュージックエンタテインメント、東宝
配給:東宝
公開:2010年8月21日

14.かみちゅ!

広島県尾道市をモデルにした港町・日の出町を舞台に、ひょんなことから神様になってしまった中学生2年生、一橋ゆりえ(ひとつばし・ゆりえ)の生活を描いたTVアニメ。台風を発生させたり、雨雲を室内に出現させたりするほどの神通力を持っています。タイトルの『かみちゅ!』は「神様で中学生!」を略したもの。

作中には付喪神、貧乏神、死神をはじめとした八百万の神が登場し、人間には見えない神々の存在が当たり前になっているという設定。ゆりえは人々の願い事を叶えたり、神社の行事に参加したりして神様としての役割を果たしながら、普通の中学生としての生活を送っています。クラスメイトの二宮健児が好きなのに、告白できない思春期の女の子らしい一面も。

現実世界とはかけ離れたファンタジーな世界観ですが、いわゆる"日常系"に近い雰囲気を持っており、ほのぼのとしたストーリーが魅力。ピュアなキャラクターたちに、心が洗われる作品です。

≪作品概要≫
原作:ベサメムーチョ
監督:舛成孝二
脚本:倉田英之
キャラクターデザイン:羽音たらく(原案)、千葉崇洋
アニメーション制作:ブレインズ・ベース
製作:アニプレックス
放送期間:2005年6月29日〜9月28日

15.ブレイブ ストーリー

三谷亘(みたに・わたる)は、ロールプレイングゲームが好きなごく普通の小学5年生だった。しかしある日、父親が離婚を宣言して家からいなくなり、母親も倒れてしまう。幸せな家族の絆を取り戻すという願いを叶えるために、転校生の芦川美鶴(あしかわ・みつる)に教えてもらった「運命を変える扉」を開き、幻界(ヴィジョン)へと旅立つ。

"見習い勇者"となった亘は「運命の女神」がいる「運命の塔」を目指す。しかし、冒険を続けているうちに幻界について知るようになり、次第に自身の運命だけでなく、世界の行く末についても考えるようになっていき…。

宮部みゆき氏のファンタジー冒険小説を原作としたアニメ映画。ふとしたきっかけから異世界で戦うことになった少年が、旅先で出会った人物や仲間たちとの交流を通じて成長していく、ファンタジー作品としては王道なストーリー展開。映画版にはカットしているシーンも多く、もっと作品の世界を深めたい場合は原作を読むのもおすすめです。

≪作品概要≫
監督:千明孝一
脚本:大河内一楼
製作総指揮:亀山千広
音楽:ジュノ・リアクター
撮影:吉岡宏夫
編集:瀬山武司
製作会社:フジテレビジョン、GONZO、ワーナー・ブラザース映画、電通、スカパー・ウェルシンク
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2006年7月8日

16. マインド・ゲーム

漫画家になる夢を持ちながら漫然と日々を過ごしているフリーターの西(にし)はある日、偶然にも初恋の人である「みょん」と再会した。みょんは姉のヤンとともに経営している焼鳥屋に招待。しかし、そこに借金取りが現れ、西はお尻の穴に銃弾を撃ち込まれて死んでしまった。

黄泉の世界で自分のかっこわるい死に様を見て後悔した西は、神の意志に逆らう。幸いにも現世に戻るチャンスを与えられ、みょん、ヤンを救出して借金取りからの逃走を企てるが…。

「となりのトトロ」のラインプロデューサー田中栄子氏、「魔女の宅急便」の制作に参加した森本晃司氏らが設立したSTUDIO 4℃が制作を行ったアニメ映画。

実写や2D、3Dによる独創的な映像表現を採用しており、エキセントリックな世界観が楽しめます。声優には今田耕司氏、藤井隆氏、山口智充氏、坂田利夫氏など吉本興業所属の芸人を多数起用。

ちなみに、監督の湯浅政明氏には『ホーホケキョ となりの山田くん』の原画を担当していた過去があるそうです。

≪作品概要≫
監督:湯浅政明
アニメーション制
作:STUDIO4℃
プロデューサー:田中栄子
原作:ロビン西
脚本:湯浅政明
総作画監督:末吉裕一郎
CGI監督:笹川恵介
美術監督:ひしやまとおる
音楽:山本精一
音楽プロデューサー:渡辺信一

17. 亡念のザムド

舞台は大陸の北半分を「北政府」が、南半分を「南大陸自由圏」が統治し、長年にわたって戦争を続けている世界。竹原アキユキ(たけはら・あきゆき)は、70年前の戦いで南大陸自由圏に加わった尖端島で、母親と2人暮らしをしている高校生。

ある朝、アキユキは通学バスを待つ列に並ぶ白髪の少女、ナズナを見つけた。難民だと思い込んだアキユキはバスに乗る手助けをしたが、ナズナは自爆テロを敢行。アキユキは壊れたバスに駆け寄る。ナズナに「亡念のザムド」と言われた直後、アキユキは異形の怪物「ザムド」になってしまう…。

スタジオジブリ出身で、『千と千尋の神隠し』の監督助手を務めた宮地昌幸監督によるWebアニメ。作中の設定や登場人物に、『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『もののけ姫』などの原作へのオマージュが多数見られます。ストーリーは、異形の怪物と化し、戦争に巻き込まれてしまった主人公の数奇な運命を辿る展開になっています。

≪作品概要≫
原作:BONES
監督:宮地昌幸
シリーズディレクター:奥村正志
脚本:清水恵、野村祐一、大野木寛
キャラクターデザイン:倉島亜由美
メカニックデザイン:橋本誠一、山根公利
音楽:大島ミチル
アニメーション制作:ボンズ
製作:ソニー・コンピュータエンタテインメント、アニプレックス、ボンズ
配信サイト: PlayStation Store
配信期間:2008年9月24日〜2009年2月4日

18. 獣の奏者

エリンは10歳の少女で、戦に使われる「闘蛇」を育てる村で「獣ノ医術師」をしている母親ソヨンと一緒に暮らしていた。ソヨンは腕を買われて、闘蛇の中でも強い「牙」の世話を任せられており、エリンはそのような獣ノ医術師になりたいと思っていた。

しかし、ある日、村の「牙」がすべて死亡する事件が起こる。その責任としてソヨンは処刑され、エリンは天涯孤独の身になってしまう。それからエリンは人間と心が通じないと思われていた「王獣」を操る才能を持つために、王国の命運を背負うことに…。

NHK教育テレビ放送開始50周年記念番組として制作されたTVアニメ。上橋菜穂子氏による同名のファンタジー小説の「闘蛇編」「王獣編」を原作としています。「アルプスの少女ハイジ」のような名作アニメを目指して、主人公・エリンの過酷な運命をたどるストーリーを子どもの視点から描いており、子どもから大人まで楽しめる作品です。

≪作品概要≫
原作:上橋菜穂子
監督:浜名孝行
シリーズ構成:藤咲淳一
キャラクターデザイン:後藤隆幸
音楽:坂本昌之
アニメーション制作:Production I.G、トランス・アーツ
製作:NHKエンタープライズ
放送局:NHK教育テレビ
放送期間:2009年1月10日〜2009年12月26日

19.雲のように風のように

人々が古代中国のような暮らしを送っている帝国「素乾国」では皇帝が急死し、宮廷内には陰謀が渦巻いた。自分の利益のために、亡くなった先帝の后・琴皇太后は皇太子の暗殺を図り、宦官は新皇帝の花嫁候補を探すため、全国各地に赴いた。

銀河(ぎんが)は田舎に住む庶民の1人だったが、皇帝の后候補になれば三食昼寝付きで、学問もできるという話を聞き、都に行くことを決意する。銀河は見事、皇帝の妃「銀正妃」となるが、それによって国内の混乱に巻き込まれることとなる…。

原作は「第1回日本ファンタジーノベル大賞」を受賞した酒見賢一氏による小説『後宮小説』。いくつものスタジオジブリ作品の制作に関わっている近藤勝也氏を作画監督、キャラクターデザインに起用しています。

古代中国を連想させる壮大なスケールの世界観を持っており、日本でいうところの大奥のような設定を採用していますが、女同士のドロドロした展開はほぼなし。一人の男性を愛したことで、女の子から女性へと力強く成長していく銀河の姿に心奪われます。

≪作品概要≫
総監督:鳥海永行
脚本:宮崎晃
演出:玉野陽美
撮影監督:小山信夫
美術:池田祐二(スタジオワイエス)
編集:瀬山武司
音楽:丸谷晴彦
キャラクターデザイン・作画監督:近藤勝也
制作:布川ゆうじ
企画制作:日本テレビ
製作:読売広告社、スタジオぴえろ
公開:1990年3月21日

20. ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜

遥(はるか)は幼い頃に母親と死別し、父親と2人暮らししている16歳の高校生。ある日、父親と些細なことでけんかしてしまい、気分転換に祖母の家がある町を訪れた。亡くなった母親からもらった手鏡をなくしてしまったことにふと気付き、神社にお参りして手鏡を返してほしいと祈った。

そこに現れたきつねの姿を追った遥は、神社の裏側に「ホッタラケの島」に通じる穴を発見する。それはいつしか放置されるようになった子どもの頃の宝物を集めてできた島だった。遥は、ここに手鏡があるかもしれない、とホッタラケの島の冒険を始める…。

フジテレビ開局50周年記念作品として製作されたアニメ映画。「ハタヤの稲荷」という神社にお参りして卵を供えると探していたものが見つかる、という埼玉県入間郡に伝わる民話がストーリーのベースになっています。クセのないモーションに仕上がっているため、CGアニメが苦手という人にも見やすい作品となっています。

≪作品概要≫
監督:佐藤信介
脚本:安達寛高、佐藤信介
製作:関口大輔
製作総指揮:亀山千広
音楽:上田禎
編集:今井剛
制作会社:Production I.G、ポリゴン・ピクチュアズ(CG製作)
製作会社:フジテレビジョン、Production I.G
電通、ポニーキャニオン
配給:東宝
公開:2009年8月22日

いかがでしたか? ジブリ関係者が手掛けた作品から定評のある監督によるものまでさまざまでしたが、いずれも良作として高い評価を得ている作品です。好みに合う作品が見つかった方は、視聴してアニメの世界を広げてみてはいかがでしょうか。

ライター:島田 昌樹(サイドランチ)