救急搬送中に受け入れ先が見つからない。大手術中に血流を止めている間にも臓器は傷んでいく。もし体を"省エネモード"に切り替え時間を稼ぐことができたら、助かる命は確実に増える。そんな医療の壁を、生物が持つ"特殊能力"から乗り越えようとする研究がある。冬眠だ。冬眠中の動物は代謝を極限まで落とし、最小限のエネルギーで命を繋ぐ。この仕組みを人為的に再現し、医療に応用する──「人工冬眠」と呼ばれる分野である。理化