ドラゴン作れず政府機関が謝罪、7歳少女の「作って」手紙に答える。

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昨年末、オーストラリアのある夫婦は、7歳の娘からの、クリスマスプレゼントの“無茶ぶり”に悩んでしまった。彼女が欲しがったのは、映画を見て魅せられてしまった空想上の生物・ドラゴン。夫婦は「さすがにドラゴンは難しい」と答えたが、彼女は父親と話しているうちに「科学者ならできるかも」と考え、「火を吐くドラゴンを開発して欲しい」と同国の政府研究機関へ手紙を送ってみたそうだ。すると先日、研究機関の公式サイト上に彼女の手紙が紹介された上で、「ドラゴンは不可能」とする謝罪コメントが掲載され、夫婦を大いに驚かせたという。

豪紙シドニー・モーニングヘラルドや豪放送局ABCなどによると、手紙を送ったのはクイーンズランド州ブリスベンに住む7歳の女の子、ソフィー・レスターちゃん。「とても想像力のある女の子」だというソフィーちゃんは、2010年公開の米映画「ヒックとドラゴン」を見て以来、恐竜やドラゴンが大好きになっていたという。そして昨年11月、「クリスマスプレゼントに欲しいもの」を聞かれた彼女は、「ペットに欲しい」とドラゴンを熱望。困った父親は「それは手に入れられないかなぁ」と正直に彼女へ伝えるしかなかった。

しかし、現実にはいない生物と理解はしながらも、やっぱりどうしてもドラゴンが欲しくて仕方なくなってしまったソフィーちゃん。すると父親が「誰か手に入れられそうな人に手紙を書いてみたら?」と提案をしたそうだ。

そこでサンタクロースへ書くのかと思いきや、彼女は「科学者ならどうだろう」と少しだけ現実的な相手を選択。自分がドラゴンをどれだけ欲しいか、気持ちを込めた手紙を書き上げると、オーストラリア政府が管轄する同国最大の研究機関CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)へと送った。

とはいえ彼女が送った相手は、国が抱える課題の解決方法を見出すべく、多くの優秀な科学者たちが日々様々な分野の研究に勤しんでいる巨大組織。夫婦は当初、あわよくば「ちょっとした手紙」で“無理”と回答してもらえれば程度に考えていたそうだが、「広い芝生の上で飼いたい」「エサには生魚をあげる」「メスならトゥースレス、オスならスチュワート」と、すでにドラゴンへの思いを膨らませていた少女の手紙を受け取ったCSIROの関係者には、夫婦の期待以上に彼女の熱意が伝わっていた。

そしてソフィーちゃんが手紙を送って2か月ほど経った今年1月6日、CSIROは公式サイト上のブログにコメントを掲載。その中でソフィーちゃんから届いた手紙を紹介したCSIROは、設立から87年経ってもなお「私たちはドラゴンやドラゴンの卵を作る能力を持っていない」と説明し、「ドラゴンに関する十分な研究をしてこなかった。ごめんなさい」と公式に謝罪の意を示した。

夫婦は、友人の連絡で初めて娘の手紙に対する反応があったと知ったそうで、広く注目される出来事となって「驚いた」という。

また、自分の手紙にCSIROが対応してくれたと分かって「大喜びしていた」というソフィーちゃん。現実を認識できたのは彼女にとって悪いことではなかったようで、今の優秀な科学者でも開発は無理だと知った今、彼女は「大人になる頃にはドラゴンを作れるようになるかもしれない」と、CSIROで科学者として働く夢を抱き始めたそうだ。

なお、CSIROは後日、3Dプリンターでチタン製のドラゴンを制作。ソフィーちゃんのもとへと届けられたという。