皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。

さて、J2同士の対戦となった天皇杯決勝が終わり、冬の風物詩と言える高校サッカーがいよいよ佳境となってきている。僕もいくつか解説者として試合を見させてもらっているけど、率直に言って今年の高校選手権には物足りなさを感じるね。

どのチームも、決め事はしっかり遂行している。ところが決められた戦術の範疇から逸脱する問題が起きたときに、解決できないチームが多いように思える。いい意味での荒削り感、戦術を超える個のアイデア、閃きというものが、あまり見えてこないんだ。

それも関係してか、守りから入るチームが多く、引き分け、つまりPK戦での決着も目立つ。一発勝負のトーナメント戦だから、当然守りから、という考え方もあるけど、それとは違う理由でそうしたサッカーになってしまっているように感じるね。
 
今季の高校選手権のうち、Jリーグ入りが内定している選手は多くない。当然ながらそれと反比例するように大学へ進む選手が増えている。これはここ数年の兆候であり、その理由の一端には有力な選手がJユースに流れているというのも確かだ。けれど現在はJユースよりも私立高校のほうが潤沢な資金を持っているし、人材流出が理由のすべてではないと思っている。大学を選ぶ背景には、やはりJリーグに入ることのリスクの大きさ、魅力の乏しさがあるんじゃないかな。
  
部活スポーツというシステムは、日本独特のものだよ。部活とは文部科学省管轄下の教育の一環であり、全国大会もいわば学校行事の延長だ。部活、つまり高体連に登録された選手は日本サッカー協会下のユースチームの試合には出られないし、逆もそうだ。

つまり部活スポーツはアマチュアリズムを地で行くものであるが、その存在が、世界に打って出ようとする昨今のサッカー界のあり方と、乖離しているように思える。
 
青春のすべてをかけた選手権が織り成すドラマ、汗と涙の物語は、観る人の胸を打つのは間違いない。しかしその存在がマンネリ化しているのも否定できない事実だと思う。何のための高校サッカーなのか。日本サッカーの抱えるジレンマが、高校生たちが戦うフィールドに透けて見える気がするよ。