メガネを掛けたメイドさん

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秋葉原は、メイド喫茶をはじめ、メイド美容室、メイドさんのマッサージ店など、メイドビジネスがひしめく激戦区。街全体が、メイドのテーマパーク化しているかのような印象さえ受けるほどだ。そんなメイドビジネスの中で、最近、注目度が高いのが高級メイド服ブランド「キャンディフルーツ」のメガネ店「キャンディーフルーツ オプティカル」だ。

同店は、メイドさんが店員のメガネ屋さんだが、そこには驚くべきビジネス戦略があった。

■メイドさんのメガネ屋さんが誕生するまで

メイドさんのメガネ屋さん「キャンディフルーツ オプティカル」はJR秋葉原駅電気街口徒歩7分、地下鉄末広町駅より徒歩3分、ガチャポン会館すぐそばに店を構える。

同店のオプティカルマイスター 山下 修 氏は、横浜で創業50年を迎えるメガネ屋「山下メガネ」の三代目。別の会社の仕事関係から高級メイド服ブランド「キャンディフルーツ」のデザイナーさん経由で「キャンディフルーツ」の社長と出会ったという。当時、メイド服は、インターネットのみで販売されていたが、購入者の大半は女性客だったそうだ。ところが、メイド服を見ているお客さんには男性客も意外と多く、何とか男性客にも売る方法はないかと、相談をうけたそうだ。
「キャンディフルーツ オプティカル」の店頭さまざまな種類のメガネが陳列されている
「キャンディフルーツ オプティカル」の店頭さまざまな種類のメガネが陳列されている

メガネ店を出店するには、立地条件や豪華な内装など、よほどの条件が揃わなければ成功はしないが、当時はまだメイド服を着た店員さんがいるメガネ屋さんなどという店はなかったことから「どうせなら一番最初にやってしまえ!」ということで、意見が一致し、メイドさんのメガネ屋さん「キャンディフルーツ オプティカル」が誕生したという。

「キャンディフルーツ オプティカル」は、2006年4月22日より営業を開始。まだ開店から1年ちょっとの店だが、すでに千人以上のお客さんにメガネを買っていただいているという。
2階は、視力を測る部屋3階は、メイド服を販売
2階は、視力を測る部屋3階は、メイド服を販売

■人気のメガネはどれ?

メガネの取り扱い点数は、1階の店舗に常時200本ぐらい、上の階のストックに約700本。お客さんは、1に素材、2に機能性、3にデザインと、この3点を重視して購入されているというそうだ。人気のメガネには、柄が竹製のメガネもあるそうで、通常のメガネ屋さんでは、それほど人気のメガネではないが、メイドさんに勧められて購入するお客さんが意外と多いという。竹は、天然素材であり、金属とは違った柔らかさがある。素材へのこだわりは、竹だけに留まらず、軽い金属のジュラルミン、丈夫で軽いカーボン、軽くて堅いチタンなどのメガネも取りそろえている。

今は、機能性を重視した顔を挟みこむようなパラサイト、耳の中に掛けるメガネに人気があるという。普通のメガネを掛けてスポーツをすると、メガネがずり落ちてしまうが、耳の中に掛けるメガネは、首を縦に振ろうが、横に振ろうが、絶対にずれ落ちることがない。

デザインは、レトロ調の「丸メガネ」や、ナイロン製の糸で釣っている「逆ナイロール」も人気があるという。現在、お店に陳列しているメガネの大部分は、お客さんからの要望を反映させたものだそうだ。
顔を挟み込むタイプ耳の中に入れるタイプ
顔を挟み込むタイプ耳の中に入れるタイプ

お客さんの年齢層としては、男性は30代から40代、女性は年配の人までいるそうで、比率としては、男性が8割、女性が2割。男性はメガネを見に来たついでにメイド服を購入し、逆に女性はメイド服を見に来た帰りにメガネも見に来るという。お客さんのタイプとしては、興味本位の人、メガネ屋さんよりも詳しいほどのメガネ好きの人、メイドさんに選んで欲しい人の3タイプに大別できるという。

山下氏によると、一般にはメガネという商品は回転率が悪く、通常は2〜3年、景気が悪くなると5年経たないと、買い換えないという。業種は違うが、車の買い換えサイクルとよく似ているのだそうだ。ところがメイドさんのメガネ屋さんでは、リピーターの数が多く、1年で10本以上もメガネを購入するお客さんが何人もいるという。

これほどまでに同店が人気の秘密は、どこにあるのだろうか?

■メイドさんによるマーケティング戦略

メイドさんのメガネ屋さんには、お客さんを引きつける仕掛けがいくつも用意されている。まず同店でメガネを注文すると、メガネの受け渡し方法として、次の3つのコースが選べる。

Aコース わくわくフォン
当日にメガネを渡せるお客さんで、お渡し時間まで待っていただける場合には、ショップの携帯電話を貸して、メガネが出来上がり次第、担当のメイドさんから電話が入る。

Bコース メイドさんからのお便り
即日でメガネを渡せない場合には、メイドさんの直筆による手紙で、お客さんにメガネの出来上がりをお知らせする。

Cコース 通常お引き渡し
即日メガネを渡せない場合、または、急ぎで帰宅された場合、引換券を持参して来店するか、メイドさんがお客さんの指定する連絡先に連絡する。

山下氏によると、Bコースのお客さんが圧倒的に多く、「手紙は、思い出に残る」という点がお客さんに受けているのではないかという。さらに、メガネを購入したお客さんの中から、抽選でメイドさんと行けるツアーを計画したこともあるという。ツアー内容は、ハトバスを貸し切りにしたメイドさんと一緒に行く観光ツアーや、浅草の人力車をチャーターしてメイドさんとアキバの街を巡回、または神田明神にお参りをするツアーなど、豪華な企画だ。
メイドさんからのお便りお店のシステムと価格表
メイドさんからのお便りお店のシステムと価格表

今年も7月14日からの夏のキャンペーンとして2つの企画を準備中とのこと。ひとつは「大人の社会科見学」で、小学校の社会科見学のように、メイドさんと工場を見学するツアー。もうひとつは、リリー・フランキーの長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」からヒントを得た「ボクとメイドと、ドキドキ、マイスター」で、メイドさんと東京タワーに行くツアーだという。

企画をめあてに同店に寄って、メイドさんに勧められてメガネを買うという、お客さんも楽しめるなかにも緻密な計算がそこにはあるようだ。

■メイドさんは究極の接客業

本来のメイドとは、19世紀後半のヴィクトリア女王時代は、メイドさんを雇うことがステータスシンボルとなっていたほど、由緒正しき職業でもある。

現在のメイドビジネスをオタク産業のひとつと見る人もいるが、山下氏は、ご主人様のために誠心誠意尽くすメイドさんは、究極の接客業だという。そんなメイドさんサービスを向上させるために、2007年12月に秋葉原で、メイドへの理解力を試す「メイド検定」を実施するそうだ。受験者の制限は設けていないが、メイドさんのサービス向上を目的としているので、原則的には女性が対象になる。

メイドビジネスからメイド文化が生まれる日も、そう遠くはないのかもしれない。

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キャンディーフルーツ オプティカル

編集部:関口 哲司
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