photo by Melinda Sue Gordon (C) Universal Studios. All Rights Reserved.

写真拡大

クリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』では、『オッペンハイマー』(2023)『TENET テネット』(2020)に続き、作曲家ルドウィグ・ゴランソンが劇伴音楽を手がける。アカデミー賞の作曲賞に3度輝くゴランソンは、本作でも新しいチャレンジに挑んだようだ。

本国で公開された音楽のメイキング映像では、「オーケストラなし、これまで聴いたことのあるようなサウンドはなし」という“禁じ手”つきの作曲秘話が語られている。また、グラミー賞に輝くシンガーソングライターのジェイムス・ブレイクも楽曲制作に参加していることがわかった。

映像のなかで、ゴランソンは「映画音楽を作るのが大好きです。毎回まったく違うことをすることになるから」と話した。監督・脚本のノーランからは、最初に「完全に唯一無二なものが欲しい」という要求があったという。

「僕も安全地帯を飛び出し、過去に扱ったことのない音を見つけなければいけないと思いました」とゴランソンは言う。ノーランとゴランソンがともに興味を持ったのは、古代ギリシャの木管楽器・アウロスと、弦楽器・リラだ。

ゴランソンいわく「千年にわたり、最も人気のある楽器だった」というアウロスの演奏に携わったのは、イギリスの音楽家・楽器研究者であるカラム・アームストロング。また、リラの演奏にはギリシャの音楽家・音楽学者であるロサ・フラゴラプティが起用された。ふたりは資料をもとに楽器を再現し、当時と同じように演奏する方法を模索した。

また、劇中で描かれるのが青銅器時代であることから、ノーランは楽器にも青銅を使うよう望んだという。ゴランソンは「聞いたことのない鳴り方をする」といい、ほかにも音を奏でるため、壁や手すり、金属のスクラップや空調設備まで叩いて音を聴いたと語った。

さらに本作には、『罪人たち』(2025)の劇中歌「Séance」をゴランソンと共作したジェイムス・ブレイクがボーカルとして参加した。ノーランは『オデュッセイア』を、たとえ古代ギリシャが舞台であっても「古典的な世界を扱った過去の映画のように感じられたくなかった」という。時代を超える映画を完成させるため、ゴランソンの音楽が必要だったのだ。

「クリス(ノーラン)は、観客たちを映画の世界に引き込む方法を知っている」とゴランソンは言う。「間違いなく、音楽はとてもユニークな世界になりました。みなさんがそこに加わり、この世界にしっかりと没入してもらえることを願っています」

映画『オデュッセイア』は2026年9月11日(金)日本公開。