チョコザップ「女性専用ルームから男性が…」無人ジム“会員の良識頼り”限界か 運営会社「真摯に反省し、対策を迅速に強化」
コンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」を利用していたユーザーが、「女性専用ルームから男性が出てきた」とSNSに投稿し、物議をかもした。
コロナ禍を経て利便性の高い無人サービスが広がる一方で、運営の難しさや利用者のマナーが問われる場面は少なくない。運営会社への取材から、無人ジムが抱える課題と、女性の安全確保に向けた取り組みの実情が見えてきた。
きっかけは、X(旧Twitter)へのあるユーザーの投稿だった。その内容は、チョコザップに通っていたが、予約していた「女性専用ルーム」から男性が出てきたため退会したというもの。
チョコザップには、会員ならいつでも利用できるトレーニングエリアの他に、別途予約が必要な個室のセルフエステ ・セルフ脱毛ルームなどが複数あり、店舗によってはこの一部が女性専用ルームとして運用されている。
女性専用ルームへの男性の立ち入りが指摘された投稿には、女性視点で「ホラー過ぎる」「無人だから男性も入り放題?」と不安や困惑の声が多く上がった。
また、チョコザップ以外のジムでも女性専用スペースに男性が入室することはあるようで、「チョコザップじゃないけど、女子トイレから男性出てきた時は凄くびっくりした」「男性がプールの女性更衣室に堂々と入ってきました」と自身に起きた“恐怖”体験を綴る人もいた。
チョコザップを運営するRIZAPグループの広報担当者は取材に対し、当該SNS投稿については把握しているとした上で、「投稿したお客様が望む形でサービスを提供できなかったこと、不安な思いをさせてしまったことは申し訳ありません」と謝罪。
また、過去にも同様の事案が報告されているとして、現状のシステムにおける課題を次のように説明した。
「現在のチョコザップの女性専用ルームは、予約画面上で『女性専用』と明示していますが、システムの仕様上、性別にかかわらず全ての会員様が予約操作を行える状態にあります。
また、各部屋に認証キーなどがあるわけではなく、ルームへの入退室も予約の有無を問わず物理的に可能になっており、会員様の自主性、良識に頼ってしまっている部分があります」
ただし、利用者から女性専用ルームへの男性の入室といったトラブル報告が直接あった場合には、データの保存期間内であれば、防犯カメラの記録を確認して、入室者を特定。予約アプリ等を通じて厳重注意や注意喚起を行っているという。
広報担当者は「常習性などがない限り『故意』かどうかは当社では判断できず、あくまで不注意や勘違いを前提に伝える形」だとするが、窃盗など刑法に触れるような悪質な事案については、これまで会員資格の取り消しといった厳格な措置も取られてきたと話す。
今回の事案についても、同種事案への対策を急いでいるという。具体的な対策としては、以下を挙げた。
女性会員のみが当該ブースを予約できるよう、システム仕様の変更に向けた開発を検討する。 将来的にはルーム入口に「会員を識別するシステム」などの導入も検討する。 店内掲示やアプリ内通知を通じて、利用ルールの再徹底を促す注意喚起を強化する。「この度、一部店舗のご利用においてお客様に不安な思いをさせてしまったことを真摯に反省し、今後はハード・ソフト両面での対策を迅速に強化し、全ての会員様が心地よく、安心して過ごせる環境づくりに向け、サービスの改善を止めることなく取り組んでまいる所存です」(広報担当者)
「女性専用店舗」も拡大へ一方でチョコザップでは、検証を行っていた「女性専用店舗」を拡大展開する方針だ。今後、最大300店舗の規模を見据えているという。
既存店舗内に設置した「女性専用ルーム」とは異なり、そもそも女性会員しか入店できない。入店時に必要なQRコードで会員情報を読み取り、男性会員に対しては解錠されない仕組みだ。
5月14日に行われたRIZAPグループの決算説明会でこの計画が明らかになると、女性から好意的な声が相次いだ。
広報担当者は、女性専用店舗が拡大されることになった背景をこう語る。
「RIZAPグループでは、運動不足という社会課題の解決を目指しています。厚生労働省の調査によれば、運動習慣のある日本人の割合は目標の40%に対し実態は30%にとどまります。
中でも20代から40代の女性は、仕事、妊娠・出産・子育てなど多忙なこともあって16.4%と特に低い水準にあります。若い女性が運動するハードルを、とことん下げていきたいと考えていました」
これまで一部の店舗では利用者が多いにもかかわらず女性の利用率が極端に低いケースがあったという。
そこには「運動中の姿を異性に見られたくない」「周囲に男性が多いと不安を感じる」といった女性ならではの心理的障壁が存在すると分析。こうしたハードルを下げ、より多くの女性にジムに行く習慣や運動習慣を身につけてもらいたいと、女性専用ルームや店舗の展開が始まったと説明する。
女性専用店舗の拡大に対しては、一部の男性から「不公平だ」との声もあったというが、広報担当者は「女性専用店舗の近隣には男性ニーズの高いマシンを揃えた店舗を構えるなどして、男性会員の方にもこれまでと変わらない利便性を提供できるよう配慮している」と強調する。
「従来、女性特有の不安や心理的ハードルがあり、男女間には『機会損失の非対称性』が構造として存在していました。それを解消し、すべての女性が安心して運動を楽しめる空間を提供したいと考えています」
会員の自主性に頼るのみでなく、誰もが安心して使える「仕組み」や環境をどう作っていくのか、今後のチョコザップのアップデートに注目していきたい。

