「夫が育てているのは不倫相手との子供です(笑)」”托卵妻”が語るイクメン夫&本命彼氏との二重生活
10年の妊活の末、授かったのは他人の子
「托卵」という言葉をご存じだろうか。
もともとは、カッコウなどの鳥が自分の卵を他の巣に産み、別の親に育てさせる習性を指す言葉だ。そこから転じて、“愛する相手の子を宿し、経済力のある夫のもとで育てる”という文脈で語られてきた。
しかし、今回、話を聞いた女性はその枠から外れた理由で子供を授かっていた。
先日、第1子を出産し、幸福なムードで溢れているはずの長谷麗子さん(37歳・仮名)は、我が子を抱きながら「実はこの子、彼の子供じゃないんですよ」と微笑んだ。
「今風に表現すると“托卵妻” って言うのかな。旦那は自分の子だと思っていますが、彼の子では100%ありません。この子は“彼氏”の子です」
麗子さん夫婦は結婚して10年、1度も避妊をしていない。
「入籍当初から『子供が欲しいね』と話していましたが、一向にできず。旦那は子供が欲しいくせに本格的な不妊治療を拒むので、何故妊娠しないのかは判明しないままなんです。このまま子なし夫婦で一生を終えることも考えていました」
どこかで腑に落ちない気持ちを抱えながら、麗子さんはマッチングアプリや女性専用風俗にハマった。「“不純異性行為”しかしていません」と笑う。
「旦那とセックスしても子供ができない。欲しいのに、できない原因究明はしない。離婚もしない。ただただ働き、旦那と日々を過ごし、一向に陽性にならない妊娠検査薬を毎月見るのがつらくて、現実逃避をしていたんだと思います」
「誰ともリピートはしない」ことで旦那への操(みさお)を立てていたが、唯一リピートした人物がいた。
「私の職場の取引先の社長です。社長って言っても小さな会社なんですけどね。仕事関係の飲み会で何回も会ったことがある人だったんですが、ある日飲みすぎてそういう関係になりました。人間関係的にお互いバレたらまずいので、逆に安心できるといえば安心できましたけど……」
ホテルで密会するようになって1ヵ月が過ぎた頃、彼からある提案をされた。
「私が既婚だと知っているので、避妊はしていました。でも、彼のがすっごく大きくて……3Lのコンドームをつけても“擦れて痛い”と言うんです。“ゴムはつけずナマでしたい、ピルを飲んでほしい”とお願いされました。彼とのセックスが好きだったし、旦那とセックスしても子供はできないし、『まぁいいか』と服用を始めました」
定期的に体の関係を結ぶようになって半年が経った頃、彼から「話がある」と切り出された。
「彼も既婚者で子供がいたんです。取引先だったけど、個人的な接点も関心もなかったから気づきませんでした(苦笑)。『遊びのつもりが本気になっちゃった。既婚者でもいいなら真剣に付き合ってほしい』ということでした。奥様とは完全な友情結婚で、子供ができてからはレス。婚外恋愛ウェルカムで、奥様にも恋人がいるそうです」
麗子さんは「立場がフェアになる」とこの提案を受け入れた。晴れて恋人同士になった二人だが、ピルの副作用でけんかが増えたという。
「体質的にピルが合わなくて精神的に不安定な時間が増えたのと、彼にも鬱っぽいところがあって、調子が悪いと私のメンタルを揺さぶるような発言をするんですよ。頭にくるのが、彼はけんかを仕事に持ち込むこと。うちの会社との打ち合わせをドタキャンしたり、小さな嫌がらせをして私を支配してくる。最悪ですよ」
勝手にピルの服用を中断
だが、彼女は「それでも好きだから離れられない」と予想外の行動に出る。ピルの服用を中止したのだ。
「彼の子供が欲しい、親になってみたい、仕事も疲れた……いろいろな感情がありましたが、一番は“妊娠して彼を困らせてやりたい”でした。旦那ともたまにセックスはしていたから、万が一、子供ができても困らない。子供ができたら彼がどんな反応するんだろう? という好奇心もありました」
ピルをやめてから2ヵ月で妊娠が発覚。旦那は狂喜乱舞したが、彼氏は即座に「堕ろせ」と凄んできた。
「『堕胎費用は全て出すから』と言って、彼の目の前で何件もの産婦人科に電話をかけさせられました。『費用が高すぎる』『予約がいっぱいらしい』などとごまかして『ちゃんとするから』と嘘の堕胎日を彼に告げました。妊娠15週目のことでした」
「これが二人のためだから」と彼は泣いて謝り、愛のメッセージが詰まった手紙を送りつけるなどフォローはしてきたようだが、架空の堕胎予定日の前日に当時流行っていた人形を買うために、麗子さんを何時間もオモチャ屋に並ばせたというからとんでもない……。
「サイコパスですよね(笑)。あまりにつわりがキツかったときに“このつらさを味わわせてやりたい”と思い立って『実は堕ろしてないよ』と言ったら、ブチギレられましたね。『もう二度と会わない』『お前なんて知らない』と怒鳴られました。心のどこかで『嬉しい』という一言を待っていたから、ちょっと悲しかったですね。
その一方で、旦那は『早く会いたい』と生まれる前から子煩悩。旦那に救われました。こんなに長い期間、子供ができなかったのに疑いもしないんだ? と不思議に思うくらいの喜びようでした」
そのまま自然消滅かと思いきや、「彼からは3日に1度ペースでLINEが来て、脅された」と苦笑する。
「『曲がりなりにも社長だから多少の資産を持っている。いくら友情結婚とはいえ、ヨソに子供ができたら話は別だ』と。私たちの関係が嫁にバレて、子供の存在を知られたら『慰謝料を請求してくると思うからちゃんと払ってくれ』、みたいな。それ、お前が払えよって話ですよね」
だが、この状況も「想定内でした」と麗子さんは彼の脅しを受け流し、産休に入って旦那と穏やかに過ごしていた。予定日に生まれた我が子の写真をInstagramに載せると「お見舞いに行きたい」と彼からLINEが届いた。
「どういう風の吹き回し? と思いましたが、旦那が仕事で絶対に来られない日を指定すると、私の好きなケーキを持ってやってきました。子供の顔を見てなんとも言えない表情をしながらも『俺の子か……』と頬を触っていました」
この日、特別何か言葉をかけられたわけでもないが、二人の関係は自然に復活。出産後も旦那に子供を預け、たまの逢瀬を楽しんでいるという。
「旦那は驚くほど育児に協力的で、1週間に1回は『リフレッシュしてきな』『美容院行けば?』などと私を外に出してくれます。有能な在宅のベビーシッターさん状態(笑)。外出時に彼とラブホで会っています。
彼とInstagramの裏アカウントを作り、そこでダイレクトメールのやり取りをしてはすぐに削除してます。よほどのことがないとバレないと思います」
子供の沐浴後、急に旦那が「○会社のAさんって知ってる?」と問いかけてきた。Aさんは麗子さんの彼氏の名前だ。
「一瞬、目の前の景色が歪みましたね。なんでバレたんだろう? と。ただ冷静に『取引先だよ』と答えたら、今後、旦那の会社も彼と仕事をするかも……という話でした。世間は狭いなぁと改めて思いました」
旦那にバレることが怖くないのか? と聞くと、キョトンとした顔で麗子さんはこう答えた。
「人生はゲーム。トラブルに直面しても“どうやったらクリアできるか” を考えるだけです。バレたらバレたで『旦那がどんな顔するのかな?』という興味はありますが、離婚されても当面の貯蓄はあるし、資格も持ってるから、転職して引っ越せばいいかなってくらい」
取材中、筆者に子供の写真を見せながら「ほら、私にそっくりでしょ? 彼と旦那は血液型も同じだから、DNA鑑定でもされなきゃバレませんよ」と、麗子さんは謎の余裕を見せるのだった。
撮影・文:吉沢さりぃ

