夫や恋人の疑惑で…法的責任はなくても、イメージは傷つく 韓国芸能界で続く“パートナーリスク”の現実

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問題を起こした、あるいは疑惑を受けたのは本人ではない。

それでも、夫や恋人の名前が不祥事とともに報じられた途端、女性スターの名前まで一緒に表舞台へ引きずり出されることがある。

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韓国芸能界で繰り返されている、いわば“パートナーリスク”だ。

最近、その渦中に立たされたのが、ピラティス講師兼タレントとして知られるヤン・ジョンウォンだ。

ヤン・ジョンウォンは4月29日、詐欺および加盟事業法違反の疑いでソウル江南(カンナム)警察署に出頭し、約7時間にわたって取り調べを受けた。彼女は、かつて広告モデルを務めていたフランチャイズのピラティススクールをめぐり、2024年7月に加盟店主らから告訴されていた。

加盟店主らは、ヤン・ジョンウォンが加盟事業の予想収益を虚偽・誇張して宣伝し、器具レンタル代金などを不正に受け取ったと主張しているとされる。当時、警察はヤン・ジョンウォンを「嫌疑なし」として不送致にしていた。

(写真提供=OSEN)ヤン・ジョンウォン

ところがその後、夫による捜査“もみ消し”疑惑が浮上。報道によると、夫のイ氏が警察関係者に事件処理を請託し、その見返りとして接待や金品を提供した疑いがあるという。ソウル南部地検は、夫の株価操作疑惑を調べる過程で、こうした情況を把握したとされる。

ヤン・ジョンウォンは出頭時、「調査に誠実に臨む。悔しい部分を必ず明らかにし、真実が明らかになってほしい」と話した。一方、夫やスクール運営への関与を問う質問には答えなかった。最近のインタビューでは、スクールとはモデル契約を結んでいただけで運営には関与しておらず、夫の事案についてもほとんど知らされていないと否定している。

ここで重要なのは、ヤン・ジョンウォン本人の関与が現時点で確定したわけではないという点だ。

ただ、彼女自身が事業関連の疑惑で調査を受けている以上、まったく無関係とは言い切れない部分もある。一方で、夫が捜査過程で何をしたのか、本人がどこまで把握していたのかは現時点で断定できない。

それでも世間の視線は、簡単には切り分けてくれない。

「本人はどこまで関わっていたのか」「夫の行動を本当に知らなかったのか」「最も近い関係なのに、なぜわからなかったのか」。そうした問いのなかで、法的責任とイメージ上の責任が混ざり始める。

夫の疑惑で止まる時間、復帰しても問われる私生活

こうした構図は、ヤン・ジョンウォンだけのものではない。

Fin.K.L.出身の女優ソン・ユリも、夫アン・ソンヒョンをめぐる司法リスクによって長く名前が取り沙汰されてきた。

(写真提供=OSEN)ソン・ユリ

アン・ソンヒョンは、仮想通貨の上場あっせん疑惑をめぐり、1審で懲役4年6カ月の実刑を宣告され、法廷拘束された。その後、2審では無罪判決を受けたが、検察が上告したことで、事件は最高裁の判断を待つことになった。つまり現時点で、最終的な司法判断が確定しているわけではない。

それでも、夫の事件が表面化した後、ソン・ユリの活動には影響があった。長くテレビでの活動が目立たなくなり、復帰しても以前のような注目を取り戻すことは簡単ではなかった。問題を起こしたとされたのは夫であっても、夫の疑惑が彼女の名前にまとわりつくようになった。

ここに“パートナーリスク”の厄介さがある。

本人が罪に問われたわけではない。それでも夫の疑惑が、本人のイメージにまで影を落とす。法廷で争われている事実関係とは別に、世間の印象だけが先に動いてしまう。

女優パク・ハンビョルのケースも象徴的だ。

(写真提供=OSEN)パク・ハンビョル

パク・ハンビョルは2017年にユ・インソク元ユリホールディングス代表と結婚した。しかし2019年、ユ元代表がいわゆる「バーニングサン事件」に関与した疑惑が浮上し、彼女は同年放送のドラマを最後に、5年以上テレビ活動を中断することになった。

近年、バラエティ番組で近況を公開した際、パク・ハンビョルは復帰について「壁が高すぎた」と語っている。女優という仕事は、自分が「出演したい」と思えばすぐに戻れるものではなかったという。

彼女本人が問題を起こしたわけではない。それでも、テレビに復帰する際には説明を求められ、過去の夫の事件とともに名前が呼び戻される。

女優チャン・シニョンもまた、夫の不倫騒動の余波を受けた一人だ。

(写真提供=OSEN)チャン・シニョン

夫で俳優のカン・ギョンジュンは、不倫疑惑をめぐり損害賠償請求を受けた。2024年7月、初公判でカン・ギョンジュン側が原告の請求を認諾し、訴訟は終結したと報じられている。

その後、チャン・シニョンはドラマ復帰の制作発表会で、私生活の騒動が視聴者の没入を妨げないかという質問を受けた。

彼女は、演技への渇望があったこと、この機会を大切にしたいと思ったことを語り、「私個人のことよりも、ドラマのキャラクターや物語として見ていただけたらうれしい」という趣旨の言葉を残している。

この言葉には、復帰する女性スターが置かれる微妙な立場がにじむ。

騒動の当事者は夫だ。だが、制作発表会の場で私生活について問われたのは妻だった。ドラマの役を演じるために立った場所で、夫の騒動をどう受け止めているのかを説明しなければならない。

もちろん、芸能人である以上、私生活が関心の対象になることは避けにくい。結婚や出産、家族との日常を番組やSNSで公開してきた場合、その関係性がイメージの一部になることもある。

だが、そのことと、夫の不祥事について本人が代わりに責められることは別問題だろう。

恋人でも逃れられない“パートナーリスク”

このリスクは、結婚した夫に限らない。公開恋愛の相手が不祥事を起こした場合にも、その余波は交際していた芸能人にも及ぶ。

KARAのパク・ギュリは、その代表的な例だろう。

(写真提供=OSEN)パク・ギュリ

パク・ギュリは2019年、財閥3世で「PICAプロジェクト」のソン・ジャホ代表との熱愛を認めた。2人は2021年、ソン代表の飲酒運転をきっかけに破局したとされる。

その後、ソン代表は仮想通貨「PICAコイン」の相場操作などをめぐり、約339億ウォンをだまし取った容疑で2024年7月に起訴された。パク・ギュリはその裁判に証人として出廷し、違法なコイン事業や相場操作には加担していないと強調している。

ここで注目すべきは、2人の関係がすでに終わっていたにもかかわらず、過去の公開恋愛が後から再び彼女の名前を引き戻したことだ。かつて恋人だったという事実があるだけで、彼女は事件の文脈に置かれた。

公開恋愛は、当時は誠実さや堂々とした姿勢として受け止められることもある。しかし関係が終わった後、相手が否定的な事件に巻き込まれると、その記録は消えずに残る。SNS、記事、過去の写真、当時の発言が、数年後に再び掘り返される。

Wonder Girls出身のユビンも、恋人の行動によって批判の矛先が向いた。

ユビンは2023年5月、9歳年下のテニス選手クォン・スンウとの公開恋愛を認めた。SNSにはデートを楽しむ様子を投稿し、いわゆる“ラブスタグラム”として応援する声もあった。

(写真提供=OSEN)ユビン(左)とクォン・スンウ

しかし同年9月、クォン・スンウが杭州アジア大会で敗戦後にラケットを破壊し、相手選手との握手を拒否したことで大きな批判を浴びた。クォン・スンウはその後、相手選手に謝罪し、謝罪文も公開したが、その余波はユビンにも向かった。

「なぜそんな人と付き合っていたのか」「見る目がなかったのではないか」「SNSであれだけ見せていたのに」。そうした反応が出るなか、最終的にユビンは同年10月に破局を認め、SNS上の恋人との痕跡も削除したと報じられている。

このケースは、法的事件ではない。だが、パートナーの振る舞いが世間の批判を浴びた瞬間、公開恋愛をしていた女性スターにも視線が向けられることを示している。

では、なぜパートナーの不祥事は、本人ではない芸能人の名前まで傷つけるのか。

理由のひとつは、韓国芸能界における交際や結婚が、本人のイメージと強く結びついているからだ。

誰と結婚したのか。どんな恋人と交際しているのか。どんな家庭を築いているのか。それらはしばしば、本人の価値観や判断力と結びつけて語られる。

相手が“財力のある事業家”と紹介されれば、羨望の対象になる。一方で、その相手が疑惑や事件に巻き込まれれば、今度は「なぜ見抜けなかったのか」という批判に変わる。

特に相手が芸能人でない場合、実態が見えにくい。名前や顔が大きく公開されないまま、「財力のある事業家」「有望な実業家」「名家の出身」などの言葉で紹介される。ところが不祥事が起きると、その人物は一気に「女性スターの夫」「女性スターの恋人」として語られ始める。

問題の中心にいるのはパートナーなのに、見出しに出るのは知名度の高い芸能人の名前。そこに、このリスクの本質がある。

(写真提供=OSEN)ヤン・ジョンウォン

もちろん、すべてを「女性スターは被害者だ」と単純化することはできない。事業や金銭の流れに本人が関わっていたのか。夫婦として利益を共有していたのか。恋人の事業に名前やイメージを貸していたのか。ケースごとに確認すべき点はある。

ヤン・ジョンウォンの件も、今後の調査を通じて事実関係が明らかになる必要がある。現時点で彼女を被害者とも加害者とも断定することはできない。

それでも、夫や恋人の不祥事が報じられたとき、より知名度の高い芸能人の名前が一緒に語られやすいのは確かだ。今回取り上げたのは女性スターの例だが、この構図自体は性別に限らない。問題の当事者よりも、名前を出せば読者に伝わる芸能人のほうが見出しになりやすい。

夫の問題でも、恋人の問題でも、関係が公になった瞬間、芸能人はその相手の人生のリスクまで背負わされる。法的な連座制はない。それでも、大衆の視線の中には、今も“イメージの連座制”が残っている。

本当に問われるべきことは、その人自身が何をしたのかであって、誰と人生をともにしたかだけではないはずだ。