19日、「海外蔵中国青銅器集録」を展示する北京大の朱鳳瀚・博雅講座教授。(上海=新華社記者/劉穎)

 【新華社上海4月30日】中国・北京大学の朱鳳瀚(しゅ・ほうかん)博雅講座教授が中心となり14年かけて編さんした「海外蔵中国青銅器集録」(全60巻)がこのほど、上海古籍出版社から出版された。

 海外に所蔵される中国青銅器を網羅的に記録、目録化し、初めて系統的に調査・整理した重要な学術成果となる。来歴を研究する土台になり、海外に流出した中国文化財の返還を後押しする。

 海外所蔵の中国青銅器の数は国内外のこれまでの研究で約3千点を把握していたが、同書は件数を数倍に拡大した。

19日、「海外蔵中国青銅器集録」の内容を見せる北京大の朱鳳瀚・博雅講座教授。(上海=新華社記者/劉穎)

 編さんチームによると、海外の中国青銅器は合法的な貿易や外交、輸出、売却が明確に記録されている割合が低く、多くは考古学的な発掘調査を経ずにさまざまな経路で海外へ流出したという。学術界は同書がこれまでの空白を一定程度埋めたことについて、中国が今後、流出文化財の来歴解明を進め、返還を求めていく上で有益との見方を示した。

 海外蔵中国青銅器集録は、国家文物局の委託を受けた北京大学が海外に流出した中国青銅器の全容把握を目的として2012年に編さんを開始した。編さんチームは14年間で十数カ国を訪れ、調査した機関は260カ所余りに上った。