被爆者の思いを胸に広島の高校生が渡米 4月27日からNYでNPT再検討会議
核軍縮などを巡り、世界各国の政府代表が議論するNPT再検討会議がアメリカ・ニューヨークの国連本部で開幕します。被爆者から託された思いを胸に、広島から現地へ向かう高校生を取材しました。
広島なぎさ高校の曽根川裕子さんと山本かの子さん。4月27日から始まるNPT=核拡散防止条約再検討会議にあわせて国連本部のあるアメリカ・ニューヨークへ派遣されます。
191の国と地域が加盟するNPTはアメリカやロシアなど5つの核保有国以外に核兵器を広げないことを目的としています。原則5年に一度開かれる会議は、過去2回続けて決裂しました。
高校生の2人は、会議を傍聴するほか、海外の若者に向けて平和への思いを伝えます。そして、被爆者のメッセージを届けるという大きな目標があります。
Q .NPTに向けて絶対に持っていくものって何かあるんですか?
■山本かの子さん
「森下さんの本。いろいろ載っているものがあるんですけど、これは私の中で宝物なので持っていこうと思っています」
95歳の被爆者・森下弘さん。高校教師を務め、長年平和教育にも力を注ぎました。被爆者が海外を巡り原爆の実相を伝える「平和巡礼」にも参加。原爆に関する資料も集め、今は次の世代に残そうとしています。
■森下弘さん(95)
「もし(資料が)なかったらいろんな事実がなかったことになってしまいますからね。それはやっぱり怖いし、歴史の闇に消えてしまうから、 それはあってはならない。」
森下さんの活動を知り、山本さんたちは手紙を送りました。
■手紙
「森下様。突然のご連絡失礼いたします。森下様がどのような思いで語り続けてこられたのか、そして意見の異なる人々とどのように対話されてこられたのかをぜひ直接お伺いしたいと強く願っております。」
念願がかない、会うことができました。森下さんから受け取ったメッセージを海外に届けたい。アメリカで発表するスピーチに盛り込みました。
■広島なぎさ高校 山本かの子さん
「先日森下さんが『平和活動は絶対に続けていかなきゃいけないものなんだよ』って、おっしゃってくださってて、この行動はやがて大きな力になるんだよってことをいろんな人に伝えていきたいなって思います。」
放課後、山本さんたちは、月に3回ほど平和について語り合う場をつくっています。この日は、NPTに向け、核兵器への考えを出し合いました。
■生徒
「核を全面的に廃絶と言い聞かせるよりも、みんなが納得できる答えを探さないと難しいのかなと思います。最近のニュースとかを見てたら。」
緊張が続く中東情勢。高校生たちの間でも核兵器に対する意見の違いが見られました。
■広島なぎさ高校 山本かの子さん
「核を持つって国を守るお守りなんじゃないかなって考えるようになって、だから核兵器って世界から消えないのかなって」
■広島なぎさ高校 曽根川裕子さん
「核兵器を持つ国に生まれた人と持たない国に生まれた人では考え方が違って当たり前だと思っていて、核兵器によって保たれている緊迫したバランスを別のものにかえることが大事なんじゃないか」
それぞれの意見を聞いた2人。現地では異なる国の若者たちと話し合います。
被爆者の森下弘さん(95)。4月22日に会見を開き、自らの体験を綴った本の出版を発表。確かな記憶を未来に残します。
■森下弘さん(95)
「私たちが数少なくなるから、若い人たちが、自分たちのこととして、学び、調べ、そして活動し、そういうことを頑張ってほしい」
被爆者から託された思い。広島の高校生は、しっかりと受け継ぎ、世界で伝えます。
■広島なぎさ高校 山本かの子さん
「やっぱり森下さんの言葉があって、人間は戦争を作ったけど、でも平和も作るんだよっていう、森下さんに直接言っていただいた思いを表現していきたい」
■広島なぎさ高校 曽根川裕子さん
「今度は私たちが今の時代にとってどうアプローチすれば一番響くかっていう受け継がれた言葉を今の形に変えて発信できたら」
Q焦りとか緊張はどうですか?
■曽根川裕子さん
「私の方がめっちゃドキドキしてる。」
■広島なぎさ高校 山本かの子さん
「実は心臓バクバク。」
【テレビ派 2026年4月23日 放送】
