中東情勢悪化で石油製品「ナフサ」不足 石川の産業にも暗い影 先の見通し立たず不安感広がる
ガソリンに似た透明な液体で石油製品のひとつ「ナフサ」。発泡スチロールやプラスチックなど私たちの身近にあるさまざまなものが、このナフサを原料として作られています。中東情勢の悪化でこの「ナフサ」が不足し始め、影響は石川県内にも広がっています。
中條 栞 記者:
「高く積みあがった発砲スチロー ル。こちらも原油高騰の影響で、手に入りづらくなる可能性が懸念されています」
石川県漁業協同組合購買事業部・宮前 勝広 部長:
「(Q. 価格はどれくらい上がっているのか?) 現在ですね、メーカーさんから約30パーセント前後の値上げ通知を受けております。今の状態は過去にちょっと例を見ない緊急事態です」
ナフサの価格は、中東情勢が緊迫化した今年3月以降、急騰。
ナフサはプラスチックや繊維、ゴムなど、暮らしに身近な幅広い製品の原料となるため、影響の拡大が避けられない見通しです。
金沢港では、現時点で箱の不足や仕入れ制限などは起きていないということですが、事態が長期化することへの不安は高まっています。
石川県漁業協同組合購買事業部・宮前 勝広 部長:
「今後ですね、ちゃんと安定的に箱が供給していけるのか、非常に不安な要素もあります」
中東情勢の影響は、石川県が日本一の生産量を誇る「ゴム入織物」の製造工場にも…
原料となるゴムや繊維の仕入れ先から、値上げを通知されているといいます。
二口製紐・二口 卓 社長:
「天然ゴムだけでいうと、この短期間で3倍くらい値上げするという話は聞いている。どのパーツ(原料)が欠けても僕ら出荷できない、仕事ができないので、今めっちゃ困っています」
影響は生産コストの上昇だけでなく、仕入れ先の休業にまで及んでいます。
商品を巻くプラスチック製の芯の製造業者が、原材料費の高騰などで休業を余儀なくされました。
二口製紐・二口 卓 社長:
「これまでこういったものは、当たり前のように入ってきたので他を探す必要性はなかったが、どの部材でも1個なくなってしまうと、これをまた探す作業になってくる。こういったところが増えいくかもしれない、という恐怖心もある」
出口が定まらない中東情勢。先を見通せない不安感が、さまざまな業種の生産現場に広がっています。
こうした状況を受け、石川県商工会議所連合会の安宅建樹会頭らが23日、石川県庁を訪れ、山野知事に原油高騰などへの対策を緊急要望しました。
要望書では、企業の経営努力は「限界に達している」などとし、低金利の融資制度の創設やデジタル技術を活用した業務効率化への支援などを求めました。
これに対し、山野知事は「県の当初予算に100億円規模の物価高対策が盛り込まれており、改めて周知を図っていきたい」などと応じました。
石川県商工会議所連合会・安宅 建樹 会頭:
「規模の小さい企業ほど大きな問題としてとらえられている。経営そのものも存続まで危ぶまれる状況になっていくのではないかと心配している」
石川県は30日に、関係団体と中東情勢に関する対策会議を開き、今後の対策を協議する方針です。
