“2万km走行後状態”でも従来品の新品上回るウエット性能!「雨の日に強い」ブリヂストン「フィネッサ」の実力をテストコースで検証
期待の新星を検証! ウエットのテストコースで驚きの連続
まもなく梅雨がやってきます。晴れの日と雨の日ではどれぐらい事故の件数が違うかというと、首都高速では実に6倍にもなるそうです。これは視界が悪化するだけでなく、滑りやすく、制動距離も伸びるからです。
そしていま、大雨が降ることが増えていて、それがこの時期に最も多くなることもわかっています。
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そんな雨の季節を迎えるタイミングで、ブリヂストンが2026年1月に立ち上げた新たなタイヤブランド「FINESSA(フィネッサ)」を、栃木県内にあるブリヂストンのテストコースで、“本命”であるウエットを主体に試すことができました。そして、とにかく全てにおいて、想像以上の違いがあったことをあらかじめお伝えしておきましょう。
走り出しから安心感が別次元! 摩耗状態でも性能しっかり
比較するのは同社の歴史ある低燃費タイヤ「エコピア」です。最初にウエットハンドリング路で、フィネッサとエコピアを履かせたシエンタを乗り比べました。フィネッサに乗って感覚をつかんでおいてエコピアに乗り換えると、まずは停止状態からの発進性が全然違うことがよくわかります。
開発関係者によると、接地性が別物とのことで、確かにコーナーでも地に足がついている感覚が全然違います。同じ速度でコーナーを曲がろうとしたときの安定感もまったく違って、エコピアだとVSC(横滑り防止装置)の作動を示すランプが点灯していました。
切り始めからしっかりと接地して曲がる感覚があり、安心感が全然違います。この違いは、フィネッサではゴムそのものの進化とともに、「3D―M字サイプII」により接地面で倒れ込みしなくなっていて、それが縦方向だけでなく横方向にも効いているため、とのことでした。

スキッドパッドでは、2万km走行した摩耗に相当する約3mmほど削った状態のフィネッサと新品のエコピアをプリウスに履かせて乗り比べました。するとあら不思議。摩耗させたフィネッサのほうが前へ前へと行こうとする力が強く、横へ逃げない感じで、一定して走りやすく、そのときの舵角(だかく)も小さいのです。
わざとアンダーステアを出すような走りも試したのですが、エコピアだと全体的に不安定で、ひとたび滑り出すとなかなか元に戻れない印象のところ、フィネッサなら容易に立て直すことができます。
タイヤの溝の主な役割の一つは、タイヤと路面の間にある水の膜を取り除くことです。
フィネッサでは、ラグ溝の幅を接地端に向けて広くし、排水性を向上させる「スプラッシュラグ」や、主溝の形状を長方形にした「スクエアグルーブ」により、奥までいっても幅が小さくならないようにされているおかげで、摩耗したときの性能の下がり幅が小さくなり、排水性を確保できるのが強みです。
ご参考まで、新品同士のフィネッサとエコピアでウエットブレーキを比較すると、フィネッサのほうが15%も短く止まれますが、摩耗したフィネッサでも、新品のエコピアよりも12%も短く止まれるとのことで、わずか3ポイントしか落ち込まないそうです。安心感が長く続くわけです。
ドライ路面も超得意! 軽快なハンドリングに思わずニッコリ
総合路では、ドライ試乗で新品のフィネッサとエコピアを装着したN-BOXで乗り比べたのですが、ここでも大きな違いがありました。

40km/hでまずパイロンの間を通ってスラロームし、舵角の大きさや車体の収まりを確認し、次いで突起を乗り越えて乗り心地を確認し、さらにレーンチェンジをして、そこでも舵角の大きさ、ロールの収まりを確認しました。2周目は、荒れた路面を走って、音の違いも体感しました。
フィネッサはドライでの走りの良さについてはそれほど強調していないような印象を受けていましたが、実際に走ってみると全然違います。ハンドリングがスムーズで、静粛性も高いことがよくわかりました。
車内がぐっと静かに! 揺れも音も抑える仕掛け
フィネッサは走り出しからしっかり感があり、スラロームやレーンチェンジでのロールも小さく、小さな舵角で曲がっていきます。回頭性も違えば、レーンチェンジ後の揺り戻しの大きさも全然違って、あまりふらつかずに走ることができます。素早く大きな入力を与えたときのダンピングがまるっきり違うようです。

また、スラロームではさらにハンドルを切った状態でのサーという音がほとんどしないことも印象的でした。これには、主溝とラグ溝をつないでパターンノイズの軽減を図ったという「スリットサイレンサー」が効いているようです。
突起を乗り越えたときの衝撃は大差がないように感じましたが、フィネッサのほうがダンピングが効いていて、衝撃の響き方が違う上に、収まりがよいように感じられました。また、荒れた路面を走ったときの車内に伝わるゴーというロードノイズの大きさも全然違うことにも驚きました。
このようにフィネッサは、ウエットもドライも高い性能を身につけたタイヤであることがよくわかりました。それでいて価格は控えめであるところも大きなポイントです。誰にでも自信を持っておすすめできるタイヤだと思います。
