高熱が出て「震え」が止まらない時のNG行動とは? 腎盂腎炎を疑うサインと正しい対処法

腎盂腎炎では、高熱とともに震えや悪寒が現れることがあります。これらは身体が細菌感染と闘っているサインであり、症状の程度によっては緊急の対応が必要になる場合もあります。震えが起こる仕組みや、悪寒が長引く場合に考えられる重症化のリスクについて、適切な対処法とあわせて説明します。

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

震えや悪寒を伴う発熱の意味と対応

腎盂腎炎では、発熱とともに震えや悪寒が現れることがあります。これらの症状は、身体が感染と闘っている証拠であり、適切な対応が必要です。震えや悪寒の仕組みを理解し、どのように対処すべきかを確認しましょう。

身体が熱を産生するときに起こる震え

震えは、身体が体温を上げるために筋肉を収縮させる反応です。細菌感染が起こると、免疫システムが働いて体温の設定値を高くし、身体は現在の体温を低いと認識します。そのため、筋肉を細かく震わせることで熱を産生し、体温を上げようとします。この震えは、寒気とともに現れることが多く、毛布をかけても止まらないことがあります。震えが強い場合は、感染が進行しており、身体が強く反応している状態です。こうした症状が現れたときは、無理に身体を冷やさず、適度に保温しながら水分を摂取し、医療機関を受診することが大切です。震えが続くと体力を消耗するため、早めの治療開始が望ましいでしょう。

悪寒が続く場合に考えられる重症化のリスク

悪寒が長時間続く場合や、繰り返し現れる場合は、感染が重症化している可能性があります。腎盂腎炎が進行すると、細菌が血液中に入り込む敗血症という状態を引き起こすことがあり、これは命に関わる重篤な合併症です。悪寒とともに意識がもうろうとする、血圧が下がる、脈が速くなるといった症状が現れた場合は、緊急の対応が必要です。また、高齢の方や糖尿病などの基礎疾患がある方は、重症化しやすい傾向があります。悪寒が強く、全身状態が悪化しているときは、速やかに救急外来を受診するか、救急車を呼ぶことも検討すべきです。早期の治療が重症化を防ぐ鍵となります。

まとめ

腎盂腎炎は、発熱や背中の痛み、震えといった特徴的なサインを見逃さず、早期に適切な治療を受けることで、重症化を防ぐことができます。症状に気づいたときは自己判断で様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診することが大切です。また、日常生活での予防策を意識することで、再発のリスクを減らすことができます。健康な生活を維持するために、症状やサインについて正しい知識を持ち、適切な対応を心がけましょう。

参考文献

厚生労働省「腎盂腎炎について」

日本泌尿器科学会「尿路管理を含む泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」

日本腎臓学会「腎臓の病気について調べる」