「仕送り、やめるから」長男の電話に絶句…月8万円の仕送りで暮らす63歳女性、感謝を込めて贈った「孫へのプレゼント」が露わにした“大きな勘違い”
親にとって、子どもからの仕送りはありがたい支えです。だからこそ、「何かお礼をしたい」と思うのは自然な感情でしょう。しかし、その善意が思わぬすれ違いを生むこともあります。生活を支えてもらっているはずなのに、なぜか生まれてしまう違和感――その背景には、仕送りに対する“認識のズレ”がありました。
生活費の補填に、2人の子どもが月8万円を援助
「お礼をしたいという気持ちだけだったんです。まさか、あんなふうに言われるなんて」
そう話すのは、関西地方に暮らす佐和子さん(仮名・63歳)。夫を亡くし、現在は一人暮らし。長男と長女はそれぞれ家庭を持ち、近県で暮らしています。
佐和子さんは、家賃6万8,000円の賃貸アパートで生活しています。もともとはフルタイムで働いていましたが、体調を崩したことをきっかけに退職。その後はパート勤務となり、月収はおよそ13万円前後に減りました。
家計が厳しいことから、長女(38歳)と長男(36歳)がそれぞれ月4万円ずつ、計8万円を援助してくれることに。
「最初は本当に申し訳なくて…。でも、子どもたちが『無理しないで』と言ってくれて、ありがたく受け取ることにしました」
そうして始まった仕送り生活は、3年目に入っていたと言います。
「仕送りやめていいよね」息子からの通達に唖然
それは、突然でした。ある日息子から、こんな電話がかかってきたのです。
「母さん、仕送りやめていい? 余裕あるんだろ」
思いがけない言葉に、佐和子さんは戸惑いました。収入は以前と変わっていないからです。
「母さん、また娘におもちゃ送ってきただろ。いらないよ。余裕があるなら、援助しなくていい生活がしたいんだ。うちも何かと金がかかって大変で、嫁さんにも苦労かけてる。お金があるなら返してほしいぐらいだ」
その言葉を聞いて、佐和子さんははっとしました。もちろん節約はしています。しかし、仕送りで生活は安定し、時には貯金ができることもありました。
「仕送りをしてもらって悪いから」……そんな思いから、時々食べ物や孫へのおもちゃなどを送っていました。けれど、それはあくまで、子どもたちの支えがあってこそ成り立っている余裕でした。
「姉ちゃんからも仕送りしてもらってるんだろ? 姉ちゃんだって家庭があるんだから、大変なはずだよ。わかってる?」
その言葉に、佐和子さんは返す言葉もありませんでした。
仕送りは「余裕資金」ではない
厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、定期的に仕送りをしている世帯は全体の2.1%。ただし、この数字には「親のみ」または「親と子両方」への仕送りが含まれています。
「思ったより少ない」と思われるかもしれませんが、同居して生活費を支えている、必要なときだけ援助しているといったケースは、ここには含まれていません。結果として仕送りという形が少なく見えるという側面もあります。
定期的な仕送りの金額を見てみると、平均は月々約5万6,000円で、ボリュームゾーンは月2万〜4万円で29.9%)。10万円以上を援助している人も6.3%います。給料がなかなか上がらないと叫ばれる中で、仕送りをする側の負担は決して少なくないでしょう。
当然ながら、仕送りは生活が成り立たないときの補助であり、自由に使える余裕資金ではありません。
もし、仕送りを受けているにもかかわらず、趣味や嗜好品にお金を回したり、貯金ができていたり、贈り物をする余裕があるのであれば、仕送りの要否や金額などを見直すサインかもしれません。
子ども側は、自分の生活をやりくりしながらお金を捻出しています。そのお金を使って、親が“善意の贈り物”をしてくれても、内心複雑になるのは当然でしょう。
「仕送りは自分のお金じゃない。当たり前のことなのに、いつの間にか勘違いしてしまっていたんですね」
佐和子さんは現在、子どもたちと話し合いを重ね、仕送りの金額や生活の見直しを進めているといいます。
