RKC高知放送

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高知県内の造形作家が手掛けた南国市の美術館が3月30日、運営に一区切りをつけました。
美術館を支えてきた作家の妻に今の心境などを聞きました。

手形や矢印をモチーフにした独特の世界観を放つ立体作品。そのどれもが見る人を圧倒します。
「太陽の涙」と名付けられた高さ12メートルにもおよぶモニュメントはビルの4階に相当する巨大な作品です。

こうした個性的な作品の数々が並ぶのが南国市の山あい、白木谷地区にある「白木谷国際現代美術館」です。

美術館を運営する武内嘉子さん(84)です。夫で地元出身の造形作家・光仁さん(78)が2009年に美術館をオープンさせて以来、ずっとそばで支えてきました。

スケールの大きな作品が多い光仁さんですが、嘉子さんのお気に入りは。。。

■ 嘉子さん
「単純に大好きだったんです。初めて作り上げて見た時に」
「コンパクトに小さいでしょ。部分より全体。一番ビビっとくる」

地元・白木谷を拠点に活動してきた造形作家・光仁さんは、高知県展無鑑査に輝くなど、たしかな実力とともにロシアの権威ある芸術団体から賞を受けるなど海外でも評価されてきました。
これまでに路面電車をキャンバスにした「アート電車」や全長50メートルを超える巨大絵画など個性的で大胆な作品を制作。
ふるさと・白木谷を元気にしたいと2009年に手作りで美術館をオープンしました。

美術館を開いて間もない2010年。光仁さんはふるさとに多くの人を呼び込みたいという思いを語っていました。

■ 光仁さん(2010年当時)
「どこへでも発信できる世の中ですから。この白木谷におったって、この中山間地域の過疎の中でやはり少しでも多くの人が、あるいは外国人も含めて来てもらうことが当たり前やと思うので」

ここ数年は光仁さんがけがや病気で入院するなど美術館を離れる事が多く、嘉子さん1人で運営してきました。
しかし、光仁さんの体調が思わしくない事などから一旦、通常営業を終了することを決めました。
ひと区切りとなったきのうも地元の人や常連客が訪れ、光仁さんの作品の数々に見入っていました。

■ お客さん
「寂しい。地域としては非常に心強い美術館だった」
「月1・2回くらい来ていました。自分にはないものを感じられるところです」

31日で通常営業を終えた美術館ですが、嘉子さんによりますと、多くの人が訪れるゴールデンウイークなどには開館を検討しているといいます。

■ 嘉子さん
「次のステップへの足がかりみたいな感じで」
「あとは普通に暮らさせてあげたいですね。あの人はハードにきましたからね。もう普通に自分の好きなように作品作ってほしい」

白木谷を拠点に個性豊かな作品を発信し続けた光仁さんと嘉子さんの美術館。ひと区切りとはなりましたが、その魅力は多くの人の心に残り続けます。